第四十一話 大体、一縷先輩より先にそんなコトしたら、秒で抹殺されますからっ!? だからあ、さっさとKさんとやらとイタシテくださいね♡……待ってる女子、多いんじゃないですか?

「ねえ、センセ……ぱんつのお股のトコぉ、皺を入れた方が、良いかなあ♡」


「お、俺に訊くんじゃないっ!?……………………い、良いに決まってる♡」

 俺の返事に、にまっ、と嗤った萌々が指で皺を作ろうと弄っていたが……

「んとぅ?……巧くいかない…」

 困った風に俺を見てくる萌々のそばに寄って手を伸ばす。

「こうやるんだ…」

 俺は大股開きしている萌々のクロッチ部にペンタブを宛がい、スリットを下から上に擦りあげた。


「んああんっ♡」


 余計なも入ったが、皺も綺麗に入ったのだった。

 何でも『アダルト業界』のADのらしい(笑)。



 ―― そんな訳で、一ページ分だがとなる妖艶美女(モドキのモデルで)のシーンをデッサンするコトになった。

 と、その前に……一応ポージングの確認も含めてスチールも撮って置くか。

 俺が一眼レフ(デジタルだが)を取りだすと、萌々が何やらホザいた。


「や~ん♡…センセのにされちゃうのぉ♡」


「し・ね・え・よ・っ!?……その貧乳ちっぱい、いや微乳ないちちじゃ掠りもしねえしぃ!?」


「し、し、失礼ねえっ!?」

 〝勘違い女にせビッチ〟が何ホザくかっ!?


「それよりお前、そのパンツ濡らすなよ!……ゴミ箱便とか、泣くからなっ!?」


「し、し、しし、失礼なあっ!?」

 と、叫んで萌々が何か投げつけてきた。

 キャッチしたモノを見るとバスト嵩上げ用のパッドだ。

 しかも、かなり厚い(笑)。

「お前、こんなに嵩上げして、やっと79センチAカップ+なのか?」


「し、し、し、ししし、失礼ですわあ~~~っ!?……79センチAカップ+はオリジナルサイズですぅ!?……き、今日のデッサンの為の用ですぅ!?」


 ―― な、何と……萌々っちイカサマ女の癖に、仕事のコト考えてくれてたのかっ!?


「いま、すっごぉくぅ、失礼なコト考えませんでしたあっ!?」


 ―― 何故、判るっ!?


「お詫びに、ちゅー、してくれたら許してあげますわ♡」

「いや、お前、俺とのキス、厭がってたんじゃないのか?」

 俺が不思議そうに訊くと、、頬を染めて萌々が答えた。


「わ、わたくしの…は、初めてを奪った…せ、責任……と、取ってくださいね♡」


「は、はいぃ!?」


 ―― は、〝はぢめて〟ええええぇっ!?


 ちょ、待てやっ!?……〝はぢめて〟といふのは、かっ!?……あのなのかっ!?


「違いますぅ!……そのじゃ、あ・り・ま・せ・ん・っ!」


 ―― って、何も喋ってないのに、何故、判るんだ?


「だ、大体、一縷いちる先輩より先にそんなコトしたら、秒で抹殺されますからっ!?」

「えっ?……あの人、そんな怖いの?」


「だからあ、さっさとKさんとやらとくださいね♡……待ってる女子、多いんじゃないんですか?」


 ―― いや、待ってるって……誰が、何を?


「……こ、これだから、なヘタレは始末に負えませんことぉ(笑)」


 ―― く、糞おっ!?……なんか良く判らんが、一方的に負けた気分だっ!?



「仕方ないので、とぉっくべつにぃ、教えて差しげますわ…

 これでも、わたくしは中々でございましたのよ♡

 思えば学園一回生のクリスマスイヴ……イケメンの生徒会長に口説かれて《処女》を捧げたのが男性遍歴の始まりでした(ホントはドタキャンされたホテルのだったという哀しい過去が…)…う、うん。

 そして、大学に進学するや、〝童貞キラー〟のを頂戴し、数多あまたのイケメンボーイに跨がってきたわたくしでした…(まあ、片手から両手の間くらい、でしたけどぉ…いえ、言うなら『片手』に、近い、って言うか…ほぼ、片手って言うか…)…う、うん。

 でも、ですね……く、唇だけは将来の旦那さまの為に、決して許してこなかったのですわあっ!?」



 ―― えっ!?……それじゃあ、こないだの秀流のデッサンの時の、が、初キス……だったのかっ!?


「あの時、断れば良かった……んじゃ、なかったの、では…」


 ―― つい、そんな言葉が口をついて出てしまった。最悪だよね、俺っ!?


 萌々が半泣きで俺に飛び掛かってきた……いや、フローリングの床に押し倒されていた。


 ―― あむっ、はむぅ…(ちゅる、ちゅぴ、えりゅ)…んぅ…(れるっ、えるっ、るろぅ)…はん、んっ…(ずじゅ、ずずずっ、じゅずっ)…あふっ、は、んんっ…


 多分、人生二回目のキスだろうと思われたが、萌々は積極的に唇を吸い、舌を絡め、唾液を混ぜ合わせてきたのだった。


 俺は全て萌々に委ねて彼女の髪を梳き、細い背を撫ぜていたのだった。

 やがて、気が済んだのか萌々が顔をあげた。


「生徒会長に限らず、わたくしがまぐわってきた男たちのどんな愛撫より……キメラセンセの、ちゅー、の方が暖かかったのですわ♡」


「そ、そうか……」


「それよりぃ、センセ……お腹の辺りで〝〟が、かったくなってるんですがあっ♡」


 ―― く、くっそおっ!?……〝にせビッチ〟があっ!?


「バレるとは限らないしぃ……もう、かしらあっ♡」

 萌々の右手が降りてゆく。


 ―― や、ちょ、待てぇっ!?


「も、萌々のコトは……き、嫌いじゃ、ないぞ……し、しかし、だな……お、俺には……お、俺には…」


「ぷっ!?……も、やだあ、おっかしいのぉ(笑)」

 萌々が、けら、けら、笑いながら俺のズボンの上から、ぎゅうっ、と握ってきた。


「今日は、許してあげますわあ♡……さっさとKさんとやらとくださいねぇ♡」



          *


   ■片桐かたぎり 花楓かえで 視点■


「ああ、つっかれたあ……あそこの社長さん、モデル使いが荒いんだからっ!?」


 『直帰』だったわたしは、事務所の備品である大きな〝ウサギの着ぐるみ〟の入ったズタ袋を自宅の玄関に放り投げた。


 大体、わたしはモデルなのよぉ!?

 着ぐるみの〝うさポン〟が可愛いから受けてるお仕事だけどぉ……


 『いやあ、可憐さんの毎回癒されますなあ、はっはっはっ♡』


 ……って、それはですぅ!


 ―― わたしの、知ってるのかしらね?


 モブちぃに会いたいなあ……

 最近、学園で声を掛けよう(隣だしぃ)としても、なんだか後ろから〝きすみん〟が妙なプレッシャーを掛けてくるのよね……


 ―― 電話、しちゃおうかな?


 わたしはスマホをだして時刻表示を見た。

 『直帰』と言ってもタクシーで県外からだったから、もう午後10時を回ってる。

 寝てはいないと思うけど……男子に掛ける時間じゃないかなあ?

 ……………………か、彼女って訳でもないしぃ( ̄▽ ̄;)


 ―― ええい、明日は直接んだからあっ!?



            【つづく】

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