第七話 モブちって、見掛けによらず結構えっちだよね……そういうの、むっつり、って言うんでしょ?

「み、見過ぎだから……モブちぃ、手をだしたらスタンガンだからねっ!?」


「す、すまぬ……あまりにも魅力的なオッパイを目の当たりにして、我を忘れるトコだった(笑)」

「え、えっちぃ♡」

 ……と、言いつつ可憐は88センチFカップを隠そうとしなかったのだが?

 俺は俺でその、ぷるるん、オッパイから目が離せないんだが。


「モブちぃ……い、幾らなんでも…み、見過ぎ、だから、あぅ!?」


 両手で方を隠して、俺が両手でブラウスを押し拡げたままの88センチFカップは豪快に晒したまま、可憐が視線を泳がせている。


「うん、これは、あれだ……創作の神さまがっ!?……写真など撮っている場合ではないぞぃ⁉」

「ふぇええっ⁉」


「ぬほおおおおおんっ⁉……スケッチだっ!?……ぷるるん、オッパイをスケッチするのだあっ!?」


「はいぃ!?」

 俺の叫び声に可憐が身体ごと退いている(笑)。

 勿論、俺は気にせず部屋の隅から背の高いスツールを持ってきて、作画デスクのそばに置いた。

「ブレザーとブラウスは脱いでここに坐って!」


 俺はそう指示して作業用のPCを起動する。

 ……が、可憐はブレザーを脱いで、もじ、もじ、している。

「早く坐って!」

「あ、あの……で、デッサンするの、おっぱい…だけ?」

「え、そうだけど?」


「な、なら、えっと……し、下は隠してても、良い?」


「ん?……良いぞ……ブラウスも脱いでオッパイが良く見えるように胸を張ってな!」

 何故だか判らんが可憐は、ほっと、したようにブラウスを脱いでそれを腰に巻いてスツールに坐った。


 俺はペンタブを握り可憐のオッパイを凝視する。

「もっと、胸を張って……その、ぷるるん、オッパイを突きだしてっ!」

「い、言い方~っ!……ハズいんだけどぉ?」


「何か違うな?」

 俺はさっきの感動(いや、情動か?)を思い出そうと、ぷるるん、オッパイを凝視する。

「そうか、が無いんだっ!」

 俺は指示を追加する。

「両手を上にあげて、胸を張ったまま身体を左右に振ってみて……」

 可憐が途惑いつつ言われたように身体を揺すった。


「おおおぅ、それだ~~~っ⁉……88センチFカップの、ぷるるん、オッパイ……マジぱねえっ♡」


 俺は作画用の画面にペンタブを走らせる。

 また「揺らして」と指示して、ぷるるん、オッパイを観察してからペンタブを走らせる。

 暫くそれを続けたのだが、可憐は幾分飽きたのだろうか俺の手元を覗きたそうにしている。

 更に、こう訊いてきた。


「も、モブち……じゃなかったセンセぇ……なんで、わたしのサイズ……し、知ってる、のよぉ?」


「えっ?……オッパイのサイズか?」

「う、うん……」

 俺は作業を続けながら(←右脳の領分だ)使っていない左脳で曖昧に答えた。

「オッパイを見れば判るぞ」

「う、うそだあ⁉」


「まあ、ブレザー越しじゃあ無理だが……夏場のブラウス越しなら、90パーは当たるぞ……多分(笑)」


「ぜ、絶対ウソじゃんっ!」

 俺は右脳をフル稼働(デッサンにだ)しているので、左脳での返事は曖昧模糊としている。

「じゃ、じゃあ、のサイズは判る?」

 良く判らんが可憐が(いや、この場合はクラスメイトの片桐かたぎり 花楓かえでとしてか?)挑発してきた。

 と言うのは花楓の親友の『鬼崎きざき 貴澄きすみ』だ。因みに俺の後ろの席だったりする。

 更に、彼女も花楓同様我が学園の〝美少女トップ3〟にランクインしている(誰が一位かは明言を避けるが(笑))。


「97センチHカップ」


「な、な、何故、知ってるのよぉ⁉」

 マジで良く判らんが可憐が(いや、花楓が)怒っている。

 俺はフル稼働していた右脳を小休止させて可憐を見た。

 さっきまで惜しげもなくしていた88センチFカップを両手で隠して俺を睨んでいる。

 ―― 何故だ?


「まあ、あれだ……あくまで美少女限定だけど、な(笑)」

 フォローになるか判らなかったがそう付け加えた。

「な、なにそれ~っ!?」

 可憐が(いや、花楓が)微妙な顔をしている。

「あれ?……ってコトは、わたしも『美少女』ってコト?」


「当たり前だっ!……花楓が美少女で無かったら、ウチの学園に美少女は皆無だろうがっ!」


 俺は、つい、いつも心の中で呼んでいるように『花楓』と呼び捨てにしていたが、彼女は怒っては居ないようだった。

 それ処か、何故か嬉しそうだ。


 いや、チョロくね?


「それより、お仕事だよ可憐さんっ!……オッパイ揺らしてね♡」

「むううっ!?……お仕事だから、するけどぅ……揺らしたら描き難いんじゃないのぉ?」

 そう言いつつ、可憐は先ほどのように両手を、万歳、するようにあげて身体を揺すってくれる。


「いや、ぷるん、ぷるるん、揺れてる方が俺のリビドーを刺激して、絵に色気を与えてくれるんだよっ♡」


「色気じゃなくてぇ、の間違いじゃないかしらあ?」


「ちょ……上手いコト言ったつもりだろうけど、からねっ!」

「ふ、ふん、だっ!」

「それより、○クビ、たってない?」

「にゃ、にゃんてコチョ…い、言いやがりまシュかっ!?」

 またも、両手で胸を隠した可憐が盛大に舌を縺れさせて睨んでくる。


「モブちって、見掛けによらず結構えっちだよね……そういうの、むっつり、って言うんでしょ?」



            【つづく】

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