第二十九話 二回生以下は紺が指定でございまして、ご不興を買い恐縮に存じますれば、半脱ぎにてモチベあげに供する所存にございまする♡

「故郷を遠く離れて路頭に迷っていたわたくしは、悪い男に騙されて女郎屋に売られる寸前でございました……ベン、ベン!」


 いや、だから、どんな時代設定だよっ!


「そこに、偶々たまたま通り掛かられた会長の母上さまに助けられたのでございます……以来、母上さまのお宅に居候させて戴いておりますので、母上さまのとあらば、馳せ参じる所存にございます……ベン、ベン!」


 ―― 生徒会副会長、桃城とうじょう 董乃とうの自分語りの一幕でした。

 や、やれ、やれ(笑)。



「ねえ、ヌードデッサンって、この部屋でするの?」

 奥から声が聞こえ振り返ると、


 生徒会長にして学園美少女トップ3の内(誰が1位かは明言を避けたい)、一之江いちのえ いたるが寝室を覗いていた。

「ちょ、待って、そこは…」


「一人で寝るには大きなベッドね……長い髪の毛とか、落ちてないかしらあ?」


「はて?……わたくしの情報網では、K先輩とは未だだと?」

「そうだった……母上からKクンとスルまでは手をだすな、と言われてたんだ(笑)」

「全く、会長のビッチさ加減には苦労させられます!」


「それじゃあ、取り敢えず……よっと…」

 会長が勢い良く〝童貞を殺すセーター〟を裾から捲りあげて脱ぎ捨てた。

 下から現れた、93センチGカップが、ぷるん、ぷるるんっ、と揺れており…


 ―― ちょ、待てぇ~~~っ!?


 上半身は真っ裸、下半身には我が学園の三回生限定指定のあかのブルマっ!?

 しかも、現代には絶滅が噂される旧タイプの、ぴちぴち、ブルマである。


 ―― ちょ、待てぇ~~~っ!?


「しょ、しょの、ブりゅマ、はあっ!?」

「ふふん♡……良いでしょ、生徒会役員の特注品よぅ♡」

「な、な、なんといふ、けしからんブりゅマ……えっ、と言うコト、は?」


 振り返ると、副会長も上半身は真っ裸、下半身は旧タイプの紺ブりゅマでぇ~~~~~っ!?


「二回生以下はが指定でございまして、ご不興を買い恐縮に存じますれば、半脱ぎにてモチベあげに供する所存にございまする♡」


 そう言って副会長はショーツごと、ぎり、摺り降ろしたのだった。

 いや、待って……ぎり、どころか髪の毛と同じ色のが半分以上見えてるんですがあっ!?

 しかも、87センチFカップの(本人曰く)美乳がこちらも、ぷる、ぷるん、揺れているでござるよぅ♡


「それじゃあ、ベッドででもしてみますかね?」

 そう言って会長がベッドにダイブした。

「おやあ、シーツに匂いが?」

「そ、そんな筈は……か、換気はしてるけどぅ!?」

「ふふん、掛けてみましたあ(笑)」


 く、糞ぅ!?……ビッチ会長めぇ!?

「ほら、ほら、夛茂たも先輩……ビッチは放っておいて、こちらにいらしてくださいませぇ♡」

 今度は副会長が俺の手を引き三人掛けのソファーに坐らされた。


「それでは、どうぞ、ご存分に♡」

「は、はいぃ!?」

「何でも、デッサンの前に、たっぷり、揉んで戴くようにとご指示がございました♡」

 戸惑う俺の両手首を掴んで副会長が自らの乳房に誘った。


「ほわあああっ♡……や、やわこいっ♡」


「畏れ要りましてございます♡」

 しかし、オッパイを揉みつつも、視線はアレに注がれる。

「全部脱いだ方が宜しかったですかね?」

 俺の視線に気づいた副会長の両手指が紺ブルマの両サイドに掛かる(勿論、ショーツ込みだ)。

「い、いや、そこまでされたら手が伸びるからあっ!?」

「夛茂先輩でしたら、構いませんが?」

「いや、俺が構いますのでぇ!?」


「なんだか二人だけで、いちゃ、いちゃ、してなあい?」


 会長の声と同時に背中に、柔こい、二つの脂肪のかたまりがあっ♡


「おや?、会長はてっきりベッドで夛茂先輩の匂いをにオナっているものと?」


「そなんだけどぅ……やっぱりがあれば、そっちの方が、ねえ(笑)」

 『現物』って、会長っ!?

 しかも、この人ってば、俺の仕事着 兼 寝間着のスエットを捲りあげ、ジカに93センチGカップを押しつけてきやがりまして、ですね……何やら、こりっ、としたモノが二つ確認できるのですがあっ!?


 しかも、背後に注意を奪われていた俺の視線の隅で『紺色』のが下の方へと移動しておりぃ!?

「ちょ、副会長…ダメって言ったのにぃ!」


 その俺の頭を掴んで、ぐりん、と前を向かせたお節介焼きビッチ会長があっ!?


 ―― 人生二人目の〝下草〟を真っ正面から、ガチ、拝見してしまいました。

 花楓かえでの燃えあがるほむらのような『アレ』も美しくありましたが、副会長の大層控えめな『ソレ』の佇まいには、また違うおもむきを覚えましてございます♡


「ちょ、ガン見、し過ぎでございましてよっ!?」


 そっちこそ『ソレ』を隠しもしないで、俺の鼻を摘まむの止めて貰って良いですかねっ!?

 そして、その手を離した副会長は、幾分頬を染めて言ったのだった。


「夛茂先輩は、母上さまの【観音さま】はご覧になったそうですが、わたくしご覧になりますか?」


「い、いや、いや、いや…しょ、そんなコトが君のファン倶楽部に知られたら、命が無いですぅ!?」

「はて?……ファン倶楽部などございませんが?」


「ま、その真偽は兎も角、こんなにこの女副会長を見るのはだぞ?……モブっち、イっちゃえええっ♡」


「で、では、恥ずかしながら……」

 そう言って副会長がブルマ(&ショーツ)から片足を抜き(いや、マニアック過ぎるでしょう?)ソファーに両膝を立てた、

 その時 ――


 ルルル、ルルル、ルルル……

 と、スマホが俺をのだった。


「ちょ、ちょっと、失礼……」


 スマホを掴んで寝室に走る俺の背後で……

「女ね」

「女ですね」

「Kだな」

「K先輩ですね」

 くそぅ、何故バレる?



            【つづく】

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