ふたつの魂が交わるとき

　破壊神との死闘の果て、ロレンは死んだ。だがベッドで目を覚ます。体が動かず寝ていると声が聞こえ、そいつはエキドナと名乗った。二人は同じ体を共有するが、エキドナも体の持ち主ではなかった。体の持ち主はハルトといい、幼馴染のユイに看病されていた。
　村を魔物が襲った時、エキドナは魔法を駆使して魔族まで倒したが、魔石を純化したことで騎士ルールカに目をかけられ勧誘される。そして知る〈魔王エキドナ〉の存在を。
〈エキドナ〉は魔王の中の魔王と呼ばれ、すべての魔族と魔物を作ったとされる魔族たちの母だった。自らの存在に疑問を抱くエキドナは、ユイの反対を押し切って旅に出ることを決めた。だが途中、燃える村に気づいて引き返し、弟のヨハンを助けたものの、ユイを救えず死なせてしまう……。エキドナも傷つき倒れ、諦めかけた…続きを読む