概要
『サンプリングに成功。深層潜航及び緊急解析よし。略式宣告を実行します』
思い描いた“もしも”を形にできる異界“識域”。
はぐれた幼なじみを追ってそこへ踏み入ったのは、しかし、欲しいものも叶えたい夢もない「要らない」系高校生、直衛佑だった。
自分だけの空想を手に、望んでやまない“願い”のために戦え。
はぐれた幼なじみを追ってそこへ踏み入ったのは、しかし、欲しいものも叶えたい夢もない「要らない」系高校生、直衛佑だった。
自分だけの空想を手に、望んでやまない“願い”のために戦え。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!精密機械のように作り込まれた、唯一無二の読書体験装置
「精神世界」に、これほど圧倒的な質量を感じる作品があるでしょうか!
これはもはや、新世代のセカイ系! 緻密に積み重ねられた単語の一つ一つが圧巻です。
重厚さと軽やかさ。硬質さと、さまざまな感触、質感。そして頬に風を感じるほどのスピード感!
それら全てが「虚ろの白〈ホロウ・ホワイト〉」に収束していく――。
でも、表現力に惑わされてはいけません。
むしろ、この作品の本当の魅力はもっとシンプルなところ――少年少女たちの「願い」にこそある、と感じます。
まだ青年になり切る前、少年時代の終わりごろの、自分でも手に負えなかった巨大で荒れ狂うような心象世界が、生き生きと映し出されています。
共感とい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!真なる願いのために、すべてを超えろ
繊細な筆致でありながらも、しっかりとした情熱を感じさせてくれる力作です。緩急のつけ方はまさに一級品。オンオフの切り替えなんて生易しいものではなく、オンのときには感性が爆発しています。ありったけの力を込めて、言葉を叩きつける。淡々と書き進めて、墨が尽きかけてきた筆をそれでも振るい続ける。このときを待っていたと言わんばかりに。見せ場での、そんな粘り強く勇ましい文章表現の数々には圧倒されました。
ストーリー部分も素晴らしい。好きな人には絶対に刺さるであろう点を踏襲しつつ、本作でしか味わえない面白さや臨場感も用意されています。魅力的なキャラクターたちに、手強い敵たち、そして彼ら彼女らが織りなす感動…続きを読む