カクヨムコン受賞作品を読んでおこうかと、軽い気持ちで「あとで読む」にストックして、読んでて、おもしろいなと思っているなか、偶然、あらすじで「カクヨムコン9ファンタジー部門大賞&CW賞受賞作品」であることを知りました。
話の展開も勿論ですが、キャラクター造形が素晴らしく、嫌いなキャラクターがいないです。
荒くれ者ファイター、イケメン魔術師、聖女さま、陰険眼鏡参謀と、所謂「よくあるキャラクターたち」しかでてこないのに、よくありそうを上回る魅力的な個性の描写、エピソードが素敵だと思います。
中でも、主人公・ユルグの自意識と、他のキャラクターからの評価、また、読者である私からの評価のギャップで、彼の好人物感を引き立たせるテクニックが見事だと思います。
Web小説として埋もれさせておくには勿体ない作品だと思いますので、「カクヨムコン9ファンタジー部門大賞&CW賞受賞」で当然な作品だと思いました。
通常私は、最新話まで読んでからレビューを書くのですが、本作に関しては本当におもしろいので、まだ途中なのですが、今後も引き続き読みたいし、おすすめしたい気持ちが勝ったので、今書きました。
おもしろいお話をありがとうございます。
表現力が群を抜いている作品で、5話読んだら次のストックを読んでいく私ルールなんですが、うっかり読みすぎてしまうレベルのおもしろさです。
キャラクター、シナリオ、世界観、文章と全ての質が高く、計算され尽くした力作です。
いわゆるテンプレにどうしても残ってしまう臭みのようなものが限りなく抑えられており、存分に作品を楽しむことができます。
物語は追放もののお決まりの流れから始まりこそしますが、それに異を唱える主人公・ユルグの快男児っぷりが気持ちいい。
しかし反面、自己評価の低い一面があり、そのギャップにぐっと惹き込まれます。いつの間にか彼の立場に立って物事を考え、物語に没入していることでしょう。
彼を中心とした、地に足付いたドラマが物語の主軸です。テンポも良く、飽きることなく読み進められます。
非常にレベルの高い作品です。星の数に偽りなしの面白さ、ぜひいますぐ体感してみてください。
昨今流行りの追放作品。
この作品も例に漏れず、タイトルに偽りなしの追放もの。
追放理由は、大抵、追放者の真の実力に気づかない、目障りだから、邪魔だから、ガチで役に立たないからとetcetc
かといってただ追放され、ゼロからやり直すのもまた王道だが、単に活躍すれば再スタートできるというわけではないリアリティーがしっかり現れている。
モンスターを倒すだけではなく、時に人間同士の問題を片付けなければならない。
人間が相手だからモンスター相手とは違うと如実に展開させている。
どっちがモンスターだか(以下略)。
確かにこの作品は王道ファンタジーを行くもの。
けれども、リアリティーをもしっかりなぞっているから、よくある追放ものと受け入れるのは早計である。