概要
僕がお前を想う心と同じ重さだけ、お前の心も僕にある。
機械との戦争で荒廃した世界に残されたディストピア「ヴィシュ」から抜け出した人々は、「レキ」とよばれる地下世界で息をひそめながら暮らす。万物を触媒する異能を持つテオは、そこで特殊工作員を勤めながら、ヴィシュでは禁じられた旧世界の文化、酒やゲームや映画のある暮らしを楽しんでいたが、ある日街の人々の大勢が、人を模した機械であったことを知る。仄かに思いを寄せていた女も、竹馬の友と思っていた男もその例外ではなく、不気味の谷へ落ちてしまった彼は、人と機械の境界は何か、という哲学に思い悩み、やがて一つの答えを出す。それは疑うことでも拒絶することでもなく、目を閉じて、手を握って、己の愛を信じることだった――。
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