第33話 泉の畔

 水面から顔をあげると、岸の直ぐ側だった。しめ縄の外側に木々が生い茂っているので、落ちた場所とは違うところなのだろうかと周りを見渡すと、背後に拓けた場所があった。おそらくここは対岸なのだろう。


 万が一、誰かが見張りでもしていては困る。水面から顔を出したまま、岸には上がらず、じっと耳を澄まし目を凝らし、周囲の状況うかがう。

 誰もいないようだと胸を撫で下ろし、私はようやく岸から上がった。


 どうやら思った以上に体力を使っていたようで、浮力を失うと体がとてつもなく重い。

 体を引きずるように這い出ると、カサっと近くで何かが擦れる音がした。


 誰かが居たかと、慌てて周囲を確認する。

 しかし、目の前に現れたのは、一体の紙人形だった。


「カミちゃん!」


 思わず声を上げると、カミちゃんは慌てたように片腕を自分の目の前に立て、もう一方を私の方に突き出してブンブン振る。静かにしろということだろう。

 それから、私の手をクイクイ引っ張る素振りを見せる。確かに、他の妖は泉に近づけないとはいえ、見通しの良いところにいるのは危険だ。

 カミちゃんに従って、重たい体を引き摺りながら、私は木立の下の目立たないところに姿を潜めた。


 木陰に入るとすぐにカミちゃんは、紙人形から人の姿に形を変える。


「どうか、これを着てください」


 カミちゃんは僅かに目を逸らしながら、私に着物を渡してくれた。

 自分の体に目を向けると、人の姿で全裸の状態だ。


 そういえば、泉で着物を焼かれたんだっけ。龍が何も言わないから、気にもしていなかった。

 というか、妖が人に変わっただけの姿なのに、そういう恥じらいみたいなのはあるんだ。獣の姿では着てないのが普通なのに。変なの。


 そう思いながら、カミちゃんに渡された小袖を羽織ると、カミちゃんはほっと息を吐いて、私の前に座った。


「カミちゃんの言うとおりだったね。体は焼かれなかったし、ピンピンしてる」


 カミちゃんはそれに静かに頷く。


「ええ。それに、これもありましたから」


 カミちゃんは私の胸元にある小さな巾着を指し示した。どうやら、人魚からもらった真珠が入っていることを知っていたようだ。あの時、引き戻してくれたのは、やっぱりカミちゃんだったのかもしれない。


「申し訳ありませんでした。貴方が拷問を受けるような事になるとは……結局、私は貴方に凶を呼び込むことになってしまいましたね」


 膝の上の手をギュッと強く握り伏し目がちに頭を下げるカミちゃんの言葉に、私は蓮華姫のところで最初に交わした約束を思い出した。そんなこと、よく覚えているな、と感心する。


「カミちゃんのせいじゃないよ」


 私が言うと、カミちゃんは眉根を寄せる。


「私の兄が命じたことです。気づいて止めることが出来ていれば……

 兄の暴走を止め追手を退けるには、始末するふりをして助け出す以外に方法を思いつきませんでした……」


 手荒な真似をして申し訳ありません、と頭を下げるカミちゃんに、私は首を横に振った。


「ううん。助けてくれて、ありがとう」


 私がそう言うと、カミちゃんは、後悔と心配と受け入れられた安心感がないまぜになったような複雑な顔をした。


 器用だな、と思いクスっと笑う。


「それから、その言葉使い、なんか他人行儀な感じがするからやめない?」


 私がそう言うと、今度はカミちゃんが首を横に振る。


「私は、あちらの世界からこちらの世界へいらっしゃる帝にお仕えするために此処にいるのです。言葉を崩すのは御容赦ください」

「私、そんな大層なものじゃないよ」

「いいえ、こちらの世界とあちらの世界を確実に隔絶させ、それぞれの世界での秩序をもたらす者こそが正統たる帝となられるのです。

 あなたが初めて現れたあの泉は、こちらとあちらの境界が不安定になった頃に新たな帝をお迎えする神聖な泉でした。

 この泉と同様、陰と陽が混じり合う場所のため、こちらの世界の者は不用意に近づけません。

 私は、先の帝から陽の気に耐えることのできる紙人形を賜った時から、その使命を負う方をお待ちしていたのです」


 この妖世界の歴史は龍神様に教えてもらった。私がそんな大層な存在だとは思えないけれど、歴史上はそうなのだという。


「この泉の中で、龍神様に教えてもらったの。今、境界がどんどん脆弱になっていってるんだって。

 だから、向こうから来て、結界を維持する役目を負った私は、結界石に力を注いで結界を強化しないといけないんだって」


 私が言うと、カミちゃんは目を見張って私を見つめる。


「龍神様にお会いしたのですか?」

「この泉の下に、龍脈に通じる入口があるみたいで……手足を縛られて渦に巻き込まれて動けなかったところを助けてもらったの」

「そうだったのですか……龍神様は伝説上のお方です。陽の気を持つものしか入れない泉の中に入口があるのだとしたら、伝説になるのも頷けますね」


 カミちゃんは、小さく息を吐く。それから、気を取り直したように真剣な眼差しで私の目をじっと見つめた。


「先程、白月様が仰ったことこそが、この世の帝たる者の役目なのです。しかし、私の兄は自分の欲だけで帝位を奪い、その境界を壊そうとしています。結界での隔離は、我ら妖にとってもあちらの世界の者が脅威になるからこそ行われたものです。それを安易に壊すのは、妖の世に甚大な被害と混乱を齎す恐れがあるのです」


 私は、龍神様の言葉を思い出しながら頷く。


「だからこそ、私は兄に仕えるのではなく、真なる帝たる白月様にお仕えすることに決めたのです。まあ、都に来るまでの間にいろいろ想定外のことが発生しましたが……」


 カミちゃんは、何かを思い出すように苦笑する。私が首を傾げると、カミちゃんはいたずらっぽく笑った。


「お仕えしようとお側によれば一目散に逃げ出され、陽の山を出てすぐに蓮華泥棒に間違われ、次々に寄せられる無理難題を片っ端から解決されようとするのです。不思議な御方に仕えることになったものだと幾度となく思ったものです」


 フフッと笑いを零すカミちゃんに、私はムッとして見返す。


「……時々、ほっぺたをグイッとしたりバチッとやってワガママ言ったり、自由奔放にあちこち飛び回っては手助けが必要だった人の言葉とは思えないんだけど……」


 むしろ、御守りしていたのはこっちでは?


 私がじろりと睨むと、カミちゃんは、一度目を丸くして私を見たあと、堪えきれなくなったように、ハハハと声を出して笑った。


「白月様ほどではありませんが、私も随分自由に旅をさせてもらったものです。あのような愉快な時間は初めてでした」


……はい? 私ほどではないとおっしゃいました?


私はじとっとカミちゃんを見つめるが、当の本人はどこ吹く風だ。


「璃耀も貴方の御役目を知った上でお仕えすることにしたようですが、思いもよらないことに自ら巻き込まれに行く貴方に随分苦労していましたね。いい気味です」


いや、そんな言い方しなくても。


 私はむぅっと唇を尖らせる。それにカミちゃんは仕方のない子どもを見るような目を向けた。


「今回も、泉に落ちたはずの貴方がいくら探しても見つからず、ヒヤヒヤしました」


 そう言うと、私が泉に落ちたあとのことを少しだけ教えてくれる。


 カミちゃんは、私が泉の縁へ押しやられたあと、陽の力に耐えられる紙人形に姿をうつし、沈められた私を助けるつもりだったそうだ。

 いくら陽の気に焼かれることがなく、人魚の真珠があれば泉の中で息が出来るとはいえ、本当に巾着に真珠があるかわからない。


「白月様の事なので、誰かに真珠を渡してしまっていたりしないだろうかと心配しましたよ」


と苦笑された。


 私はツイと視線を逸らす。


 渡してしまっていたどころか、存在すら忘れていたとは言えない。狐の村での洪水に巻き込まれた時も、必死に息を止めなくて良かったのではと今更思う。まあ、濁流にのまれていたので、それでもちゃんと泳ぐことは難しかっただろうが。


 カミちゃんは私を探して泉に入ったはいいものの、沈んでいったはずの場所はおろか、その周りにも私を見つけることができなかった。石が括り付けられ、手を拘束されていたので直ぐに湖面に上がるのは難しいはずなのに。


 きっと、私はその前に龍に助けられて、龍脈にいたのだろう。

 でも、そんな事を知らないカミちゃんは、何かあったのだろうかと最悪の事態も想定し真っ青になりながら、とにかく必死に湖底をくまなく探したそうだ。

 それでも、濁った泉で探しにくいとはいえ、さほど広い泉でもないのに全く見つからない。

 僅かな可能性を信じて、今度は岸辺を泉に沿って探していたところで、私を見つけたのだという。


「……璃耀たちは? ちゃんと解放された?」


 私が消えれば、璃耀達は解放すると瑛怜は言っていたはずだ。きちんと逃げることが出来ただろうか。

 しかし、カミちゃんはゆっくり首を振る。


「まだ囚えられたままです」


 私は背中に氷が滑り落ちたような思いがした。

 何となく、私が居なくなればきっと大丈夫なのだろうと、漠然と思いこんでいたのだ。


「そんな! それなら、すぐに助けに……」


 しかし、立ち上がりかけたところでカミちゃんに腕をぐっと掴まれた。


「今、彼らを助け出すことは困難です」

「でも、私を助けに来て捕まったのに……」


 それでも、カミちゃんは首を横にふる。


「貴方が居なくなった今、彼らが処刑されることはありません。どうか、私に任せてください。」

「……璃耀たちは大丈夫なの?」


 カミちゃんは頷くことで私の言葉に肯定の意を示す。


「もともと優秀な者達です。今は、彼らもまだ気が動転していますが、状況が落ち着けば、私の部下として取立てる形で身の安全を保証するようにしましょう。」


 私はほっと胸を撫で下ろす。

 カミちゃんが助けてくれるなら大丈夫だろう。


「しかし、まだ油断はできません。未だ白月様に呼び起こされた叛乱の芽を摘もうと躍起になっている者たちがいます」

「叛乱だなんて、私……」

「貴方にはそれだけの理由も力もあります。ご自身の使命を龍神様に示されたのでしょう?」

「そうだけど……」


 本当は、皆が幸せに暮らせるならば、私は余計なことはせず、どこかに引っ込んで小さく暮らしていたい。

 帝の座になど興味は無いのだ。

 ただ、結界石に力さえ注がせて貰えれば……


 私の心情を察したのか、カミちゃんは小さく溜息をついた。


「白月様の御役目とは、何れ向き合わなくてはならない日が来るでしょうが、今は一旦置いておきましょう。

 ここに居ると危険です。ひとまず、私が宮中から貴方を出します。まずは、ここから無事に逃げ延びてください。貴方が傷つくことを、あの者達も私も望んでいません」


 私自身が撒いた種なのに、全てをカミちゃんに任せ、璃耀達をおいて一人逃げるのは気が進まない。

 でも一方で、自分が足手まといであることは今回の騒動で嫌というほど理解した。むしろ、私が居ないほうが、きっとうまくいく。


 情けなくて泣きそうになるのを堪えながらカミちゃんに小さく頷いて見せると、カミちゃんは安心したように息を吐いた。


「ここから出たら、山羊七のところへ向かってください。あそこならば、誰にも知られていないはずです」

「それなら、楠葉や蒼穹達も……」

「いいえ。私が貴方の元を離れた後のことも聞き及んでいます。彼らもまた動向を監視されているでしょう。今、むやみに近づくのは危険です」


 私は、瑛怜の言葉を思い出す。私に関わった者、皆が彼らの掌の上にあるのだ。

 悔しさに、ぐっと奥歯を噛みしめる。


「そちらも、私がなんとかします。恐らく、監視されているだけで、捕らえられているわけではありません。問題を起こさず静かにしていればいずれ監視の目も解けるでしょう。あなたはご自身のことだけをまずは考えてください」


 私は頷くしかできない。本当に無力だ。


「彼らだけではなく、今まで貴方が立ち寄った場所は、ほとんど監視下にあると思った方が良いでしょう。ここを出たらどこにもよらず、獣の姿で野山にまぎれ一直線に山羊七のところへ向かってください。

 今回は、私は御一緒することができません。一人で帰れますか? 何者にも関わらず、真っ直ぐに帰ることができますか?」


 カミちゃんの言葉に私は小さく頷く。

 でも、本当は行きたくない。皆と一緒に来た道を、皆を危険に晒したまま置きざりにして、たった一人で引き返すのだ。カミちゃんに丸投げして。

 自分が無力であることも、足手纏であることも、頭では理解している。でも、ここから一人で逃げ出すことを心は納得していない。


 私の迷いを見抜いたのか、カミちゃんは厳しい視線を私に向けた。


「あなたは困っている者を見捨てることができません。それは旅を通して嫌というほどわかりました。そしてそれはあなたの美点だとも思います。でも、今だけは、心を鬼にして御自分の身を守ることに徹してください」


 そういえば、カミちゃんはいつだって先に進むことを優先しようとしてきたな、とふと思い出す。そんなカミちゃんを無視して私はトラブルに巻き込まれてきたのだ。


「私は全然ダメだね……」


 私が呟くように言うと、カミちゃんは一度目を丸くしたあと、優しい微笑みを向けた。


「そんなことはありません。何度も言いますが、それらはあなたの美点です。きっとそれが、貴方を助けることもあるでしょう。璃耀達が必死で貴方を助け出そうとしたように」


 私は今まで旅で出会った者たちを思い浮かべて小さく頷く。いろいろあったが、別れ際にはみんな笑顔で見送ってくれた。それらだけは後悔していない。

 それを確認すると、カミちゃんは同じように頷き返す。それから、さっと姿勢を屈めた。


「さあ、急いで出ましょう。獣の姿になって、私の袖の中へ。裏門から逃します。

 ここを出たら真っ直ぐ東へ、日の昇る方角へ向かってください。陽の気の満ちる山は、ここからずっと東です。いずれ、例の川にぶつかるでしょう。山羊七の家への道は、木々に小さな傷をつけておきました。それを辿れば帰れるでしょう」


 私が獣の姿になると、カミちゃんはすっと私を片手で抱き上げて腕を前に持って来たあと、袖をバサッとかけた。もう片手が上から乗せられて両手で支えられる。

 すぐに、体全体が揺れ始めて、歩き始めたのがわかった。今まではカミちゃんが私に乗っていたのに、こうして運ばれる日がくるとは思わなかった。


 途中で、ザッザッっと急ぐ足音に、もう一つ足音が加わる。


「蝣仁(ゆうじん)、着いて参れ」

「は」


 短いやり取りのあと、無言のまま今度は二人の足音が響く。誰かはわからないが、カミちゃんの部下なのだろう。

 それが止まったと思うと、今度は別の男の声が聞こえてきた。


「これは翠雨様。裏門へどのようなご用向でしょう」

「其方には関係のないことだ。」


 カミちゃんが素っ気なく返答する。


「しかし……」


 その男が食い下がろうとしたところで、ザッと誰かが進み出る音がした。蝣仁という者だろうか。

 そこでもうひとりの男の声がピタリと止まる。


「頼んだぞ、蝣仁」

「お任せを」


 そんな短い会話が交わされると、再びカミちゃんは歩き始めた。


 しばらくすると、バサッと袖が捲られる。

 そこは木々の生い茂る中だった。少し向こうに壁が見える。


「カミちゃん、さっきの人は……」

「大丈夫、信用のおける腹心です。」


 そう答えながら、カミちゃんは丁寧に私を地面に降ろす。


「私がお供できるのはここまでです。必ず無事に帰ってください。」


 カミちゃんはぐっと私の背を押す。


「……カミちゃんも無事で。璃耀達をお願い」


 私が言うと、カミちゃんは静かに微笑み頭を垂れた。


「必ず」


 離れ難いが、いつまでもここに居るわけにはいかない。カミちゃんにまで迷惑をかけてしまう。

 私は後ろ髪引かれる思いで走り出した。遠く離れたあと振り返ると、カミちゃんはじっとその場に佇み私を見送っていた。



 私はただただ一人、荷物も持たず身一つで駆け抜ける。来るときには皆が一緒だった。それなのに今はたった一人だ。カミちゃんと約束した通り、どこにも寄らず、誰にも合わず、ただ一目散に駆けていく。

 夜は木の洞や地面に掘った小さな穴で身を小さくして眠った。

 でも、暗い中一人で縮こまっていると、いろいろなことを思い出して皆のことが心配になり、課された役目に押し潰されそうになり、同時に押し寄せる不安に雁字搦めにされて体が硬直する。それが怖くて、私は次第に眠ることも厭うようになっていった。


 どれくらい走ったのかわからない。

 何日も走り続けたけれど、寄り道をしながら進んだ行き道とは違い、思っていたよりも早く見知った場所に出ることができたような気がした。


 羊家族の家に寄ろうかとも思ったが、籠も持たない今の私には荷物を持つことができない。一人小さく首を振って、川を遡上していった。山羊七達との約束も守れそうにない。


 山に差し掛かると、カミちゃんの言っていた印を探す。一目ではよくわからなかったが、丁寧によく探すと、確かに上の方に小さな傷がついている木がポツンポツンと見つかった。

 カミちゃんがピョンピョン飛び跳ねながらつけた傷なのだろう。私はそれを想像して、小さく笑いをこぼした。


 カミちゃんのつけた印を頼りに辿っていく。山羊七の家の入口が見えると、手を振りながらここを出てきたのが随分前に感じられた。

 あの時は私とカミちゃんだけだった。今はカミちゃんもいない。皆を助けてくれているだろうか。


 そのまま山羊七の家に飛び込むと、ちょうど羊の家族も居たようで、私は一様に目を丸くした彼らに迎えられた。


 それでも、おかえりと言ってくれる者たちを見て、心の中に安堵が広がると共に、今まで起こった出来事が一気に頭の中をめぐり、惨めさや辛さ悔しさ不甲斐なさ後悔がゴチャ混ぜになって渦巻いて、なんだか涙が止まらなくなってしまった。

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