異世界という名の遊び場

　その世界の名は、『女神の掌《てのひら》』。
決して気が多い訳ではないが、ひょっこり遊びに出かけては、いつも無自覚に新しい女性を連れて来る。
そんな困った旦那様を持つ女神の１人が、自分に与えられる星に条件を付けた。
レベルとジョブ、スキルなどの概念を取り入れた、ゲームのような世界を創って欲しいと。
それまで、人々が懸命に生きる世界に、遊びのようなシステムを取り入れることに否定的だった創造神だが、妻である女神の話を聴き、自室でコントローラーを弄って画面を眺めるのではなく、偶にはその中で実際に遊ぶのも一興だと思い始める。
数多《あまた》ある星の中で１つくらい、そういった場所があっても良いか。
そう考えを改めた彼により、宇宙の創世以来初めての、レベルやスキルといった要素を含んだ星が誕生する。
但し…続きを読む