第38話

 「私ね、女神様から正式に使徒の認定を受けました。

使える力がかなり大きくなったから、2人にもその恩恵の一部を分けてあげられる」


いつもより大分遅くなってしまったが、3人で入ったベッドの中で、リーシャとミーナにそう告げる。


遅くなった理由はお風呂の中で話したが、その内容までは語っていなかった。


「おめでとう。

夏海の行動に女神様からのお墨付きが出たのね。

・・あなたの考え方は間違っていないけど、今日の件では、見ている人には弱い者虐めのようにも映るだろうから止めただけ。

もし彼女達が怪我でもしていたら、私も止めなかったわ」


「おめでとう。

夏海が認められると私も嬉しい。

頑張って付いて行くから、ずっと側に居させてね」


「~ッ。

今日の抱き枕係はミーナに決定。

おじさん朝まで頑張っちゃうよ」


「またおかしなこと言って。

明日は私だからね」


「はいはい。

おじさん顔が休まる日がないよ」


「・・夏海はおじさんに恨みでもあるの?」


「あるの!

向こうの世界で散々厭らしいことを言われたし」


「それは許せないわね」


「でしょう?

お粗末な法律のせいで殴ることすらできなかったから、ストレスが溜まる一方だったわ」


「それで、具体的にはどんな力を授かったの?」


「【女神の使徒】という、専用のジョブを頂いたの。

その取得効果が物凄くて、他言できないほどなので、他の皆には内緒にしてね」


「そんなに凄いの?」


「ええ。

全部で4つあって、①自身のジョブ設定を10個まで可能、及び、そのレベル限界解除。

②パーティーメンバー任意2名のジョブ設定を6つまで可能、及び、そのレベル限界解除。

③その他、パーティーメンバー3名のジョブ設定を4つまで可能、及び、そのレベル限界解除。

④各最上位職の4番目の専用技を取得可能・・かな」


ステータスウインドウに表示されている説明文を読み上げる。


「・・・」


「もう誰も夏海には逆らえないんじゃないかな」


ミーナが苦笑いしている。


「レベル限界解除って、一体幾つまでなの?」


「通常は99までなんだよね?

それが999までになるの」


「・・・」


「そこまでいくと、人間の範疇を超えちゃうね」


「でも999まで上げるのは大変じゃない?

上にいくほど必要な経験値も多くなるだろうし・・。

まあ、努力目標ということで。

それから、②の任意2名はリーシャとミーナで固定ね。

今後とも宜しくお願いします」


「こちらこそ。

ずっと夏海を支えていくから」


「私も」


「ありがとう。

・・そういえば、発注した武具の採寸はどうだった?」


「きちんとしていたわよ?

王宮に呼んで服を作らせる職人並みに細かかったわ」


「かなり期待が持てると思う。

飾られてあった鎧を見たけど、騎士団長が身に付けるものより質が良かった」


「なら安心かな。

2人には怪我をして欲しくないし」


「夏海の防具は新調しなくて良いの?」


「私の装備は女神様に頂いた物で、多少の補正効果が付いてるし、〖女神の加護〗の恩恵で、最悪3回までは死を免れることができるから大丈夫」


「〖女神の加護〗って何?」


ミーナが尋ねてくる。


「この世界に来た時に女神様から授かった恩恵で、HPが0になっても回数分は直ぐ一杯に戻るというもの。

つまり、毎日3回までなら死ねるのよ。

試そうとは思わないけどね」


「・・・」


「もし皆が危なくなった時は、私が前に出て時間を稼ぐから、その間に逃げてね。

転移が間に合わない時もあるだろうし」


「嫌よ」


「私も嫌」


「言うことを聴かないは、抱き枕係から外しちゃうよ?

そういう状況では残られている方が足手纏いになるし、生きてさえいればまた会えるの。

私を信頼してくれるなら、生死の懸かった場面では、必ず指示に従ってね?」


「・・善処します」


「前向きに検討します」


「ちょっと、なに政治家や官僚みたいなことを言ってるの。

それって、『そうしない』と言っているのとほぼ同じだからね」


夏海が苦笑いする。


「護衛が先に逃げてどうするのよ。

意味ないでしょ」


「護衛じゃなくて仲間。

家族。

あなた達は使い捨ての駒じゃないの」


「・・考えておくわ」


「なるべくそうします」


「もう、頑固なんだから。

皆のステータスウインドウを設定し直したら、今日はもう寝る。

久し振りだから、一応全部見直すね」


______________________________________


氏名:リーシャ・エテルナ・ハイヨルド

人種:人間

性別:女性【処女】

年齢:17

*スタイル:169・95(H)・56・90

地位:奴隷

所有奴隷:なし


ジョブ:{☆【魔法使い】25 ☆【戦士】9 ☆【騎士】2 【剣士】47 【斧使い】7 【槍使い】1} 【都民】11


HP:4760

MP:6060


スキル:<PA:盾4> <PA:乗馬1> <PO:統治能力4>


*ユニークスキル:<PA:魅了E> <PA:特殊鑑定B> <PA:アイテムボックスF> <PO:言語能力C> <PO:全状態異常耐性A> <PO:物理耐性F> <PO:全魔法耐性C>


魔法:【土魔法】4


生活魔法:【浄化】2


状態:異常なし

*感情・気分:愛情 親愛 信頼 固執 執着

犯罪歴:なし


*所持金:12万134ギル 内訳非表示


現在地:『第7迷宮の町』


______________________________________


______________________________________


氏名:ミーナ・ラングレー

人種:人間

性別:女性【処女】

年齢:17

*スタイル:170・93(G)・57・88

地位:平民

所有奴隷:なし


ジョブ:{☆【騎士】31① ☆【魔法使い】20 ☆【戦士】2 【剣士】29 【斧使い】1 【槍使い】1} 【町民】8


HP:4460

MP:5760


スキル:<PA:盾4> <PA:乗馬2> <PO:料理4>


*ユニークスキル:<PA:アイテムボックスF> <PO:全状態異常耐性B> <PO:全魔法耐性D> <PO:物理耐性B> <PO:幸運B>


魔法:【風魔法】2


生活魔法:【浄化】3


状態:異常なし

*感情・気分:愛情 親愛 信頼 固執 期待

犯罪歴:なし


*所持金:79万2156ギル 内訳非表示


現在地:『第7迷宮の町』


______________________________________


______________________________________


氏名:水月 夏海

人種:人間

性別:女性【処女】

年齢:17

*スタイル:164・88(F)・54・85

地位:平民

所有奴隷:リーシャ・エテルナ・ハイヨルド


ジョブ:{☆【魔法使い】28 ☆【戦士】1 ☆【騎士】5 ☆【神官】28 ★【賢者】13 ★【女神の使徒】(レベルなし) 【剣士】53 【斧使い】15 【槍使い】1 【市民】45}


HP:9870

MP:15670


スキル:<PA:盾1> <PA:乗馬1> <PO:地図作成4> <PO:模倣3>


*ユニークスキル:<PA:アイテムボックスS> <PA:転移E> <PO:言語能力S> <PO:レアアイテムドロップ率S> <PO:全状態異常無効> <PO:物理耐性D> <PO:全魔法耐性S>


魔法:【回復魔法】3 【障壁魔法】1 【火魔法】6 【水魔法】1


生活魔法:【浄化】5 【ライト】


*〖魔物図鑑〗:4%


状態:異常なし

*感情・気分:愛情 親愛 信頼 慈愛

犯罪歴:なし


*〖女神の加護〗:3


*〖ボーナスポイント〗:0


*所持金:528万1130ギル 内訳非表示


現在地:『第7迷宮の町』


*〖メール〗:なし


*〖試練〗:なし


______________________________________


「あ、ウエストが1㎝細くなってる。

運動してるからかな」


「「狡い!」」


「・・あなた達は、大き過ぎる胸を支えるのにそれくらいは必要よ。

私、瘦せ過ぎの女性ってあまり好きじゃないし」


「それなら文句ないわ」


「ええ、私も」

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