概要
2025年書籍発売予定
十二歳の少女カフカは、老人ばかりが暮らす浮遊洞窟の中にある村で暮らす唯一の子供。冒険家だった祖父が教えてくれた鮮やかな外の世界に憧れを抱きながらも、大人になるまで外に出てはいけないという言いつけに縛られ、退屈な日々を過ごしていた。
ところがある日、カフカの前にふさふさの毛を持った不思議な人類が現れる。地上から来た彼から、今の地上にカフカのようなヒトはほとんどおらず、自分たちのような毛むくじゃらの人類ばかりがいることを教えられたカフカは、村の外の世界へ、これまで以上に憧れるようになった。
外に出てみたいと村人たちにかけ合うも、危険だからと取り合ってくれない。痺れを切らしたカフカは、自ら村の外に出ることを決意する。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!素晴らしい
電撃大賞の受賞作ということで拝読。タイトルで今話題のブルーライト文芸か?と思い読み始めてみたら、これは児童文芸……?
困惑しつつも読み進めていくうちに、何やらすっかり、カフカの可愛らしさにハマっている。特徴的だが、どうしてなかなか楽しく、癖になる文体だ。翻訳小説を思わせる言い回しにもセンスがある。元気いっぱいなカフカを見ているうちに親心が芽生えてきて、彼女と一緒に感動したり、危なっかしい行動にハラハラしたり、思わず笑顔になったりと……読み切る頃にはすっかりこのお転婆な少女に魅了されてしまった。ラストも爽やかで読後感も良い。
サブキャラクターの造形も素晴らしい。特にベルさんとクレオ(ベルさ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!世界を知ることで、生まれ育った場所の大切さがわかる
新たな世界に飛び立つわくわく感とその不安。やっぱり大した事ないやという気持ちからの、初めて見る世界の美しさを実感するシーンは素晴らしい描写でした。
世界を知るために飛び出す勇気を与えてくれる作品ですね。
と、同時に家に帰りたいと思うところの描写も奥深くて、いろんな境遇の人に刺さる圧巻の心理描写だったと思います。
飛行機モノかあと、個人的には感慨深い作品。アリソンが好きだったものとしては飛行機モノだとどうしても連想してしまうのですが、そこらへんの、平成のころの戦争の実感と、令和の戦争に対する距離感が、なんかやけにリアルなように見えました。
ラノベがすっかり衰退した昨今、かつての電撃を読み…続きを読む - ★★★ Excellent!!!子どもから大人まで、多くの人に読んでもらいたい最高の冒険譚!
閉鎖的な浮遊洞窟にて、老人に囲まれて育った少女カフカ。
かつて冒険家であった祖父を持つ少女カフカは、浮遊洞窟の外の世界や空に大きな憧れを抱いている。
しかし、とある日「ふさふさの毛を持った犬のような不思議な人類」との衝撃的な出会いをきっかけに、少女カフカは壮大な空と外の世界へと翔け出す──笑いあり、涙あり、浪漫ありのドラマティック冒険譚!
冒頭から、物語への没入感が非常に高く、大変引き込まれました。
特に、「不思議な人類」である彼と少女カフカの出会いのシーンは、衝撃もありつつ、凄くドラマティックでワクワクせずにはいられません!
そして、作中で明らかになってゆくカフカたち「人類」と「不思議…続きを読む