♯25 村人Aごときと添い寝を

私は姫様を追って異世界へと飛びました


初日は異世界の文明に驚かされるばかりで、あっという間の一日でした






目覚めると、目の前にはサクラの胸板が・・・



いいいいいい、一緒に寝たという事でしょうか?


よよよよよよ、夜伽をしたという事でしょうか?


昨夜は姫様とげぇむをしていて・・・制覇らしき映像を観たあたりで記憶が途絶えています


そのまま寝てしまったのだと思います


夜伽の可能性は薄いでしょう


下半身に違和感もありませんし・・・


背中の方には姫様の気配がします


恐らく寝ずにげぇむをしていたのでしょう


しかしなんというか・・・雄の香りと温もりは心地良いですね


待ってください・・・


体、密着し過ぎではありませんか?


私の中のサキュバスの血が疼いているのでしょうか


異世界人というだけで、私が過剰にに意識してしてしまっているだけでしょうか


落ち着きましょう


落ち着くのですブリュンヒルデ



サクラはもう起きていますね


私を起こさない様にしてくれている様です


こ、これは、し、自然に起きなけれ・・・


『何を狸寝入りしとるか、たわけ』


!!!!????


びくぅ!!


『ひ、姫様?』


姫様が私の背中の方からシーツを捲り声を掛けて来ました


『寝息が止んだから、いつ起きるのかと待っておれば


 そんなにサクラと一緒に寝ていたかったか?』


『い、今起きようとしていた所です!』


ポンポン


「ブリュンヒルデ、おはよう」


振り向くとサクラが私に朝の挨拶をしてくれました


「お、おはよう」


私も挨拶を返し、体を起こします


だ、大丈夫です落ち着きましたよ?



姫様が私と、サクラの飲み物を持って来たので受け取ります


ありがとうござ・・・


!!??


姫様が!?


飲み物を!?


『そう、驚くでない


 私とて世話になる身、姫ではなく対等な立場ぞ


 これくらいやるわ』


な、なるほど・・・


姫様にも良い経験になりますね


皆で起きるとサクラに連れられて脱衣所へ向かいます


顔を洗うのですね・・・


顔を洗うのにも専用のスライム除去剤があるのですね


用途に応じて使い分ける物が非常に多いですね


感心してしまいす


サクラが手本を見せてくれたので、姫様、私と続きます



ふぅーーー



これはさっぱりしますね



次は歯を磨く様です・・・


歯を磨く「はぶらし」とやらを私と姫様それぞれ受け取ります


これは昨日買い物の時に購入していた物ですね


ありがとうございます


これもまた別のスライム除去剤を?



結構入念に磨くのですね


姫様が歯を磨き始めると


おぇぇぇぇぇぇぇぇ


えずきました


!?


『大丈夫ですか?姫様』


『おぇっ、これは慣れるまで大変そうじゃの』


確かにスライム除去剤を口の中に入れるというのは抵抗がありますが


私もやってみま・・・


おぇぇぇぇぇぇぇぇ


ぐふぅっ


これは私も苦手かもしれません


このスライム除去剤の味のせいでしょう


あくまで歯を磨く為の物・・・舌に触れない様にすれば大丈夫ですね


最後に口を漱いで終了・・・と


口内がとてもスッキリしますね


これは非常に良いものです




歯を磨き終えると朝食の様です


昨日のぱんの残りですね


流石に買い過ぎましたからね


飲み物の準備は私が・・・


『姫様、飲み物は?』


『おれんじじゅーす!』


このしゅわしゅわは相当お気に入りの様ですね


『サクラ?』


サクラは別の物を飲む様です


「こーひー」という飲み物だそうです


粉末を溶かして飲むのですね・・・


・・・泥水ですか?


しかし、香りは良いですね・・・


ん?


一口飲めと?


くっ・・・良いでしょう


あなたが好んで飲むというのであれば気になります



くぴっ


っ!


苦い・・・美味しくないじゃないですか!!


なぜこの様な物を・・・


サクラが私の反応を見て、「こーひー」に何かを入れます


入れる前に味見をさせてくれました


これは・・・砂糖ですね


砂糖とミルクを入れてくれた様です


これでもう一度の飲めと?


くぴっ


!!


これは飲めます・・・というより好みです


私も「こーひー」をいただきます


「こーひー」の香りは好みですが直接飲むのには慣れが必要かもしれません


3人で朝食をいただきます


私達の反応を見ながらサクラがこちらの言葉を色々と教えてくれます


「おいしい」


「たべる」


「のむ」


形容詞、動詞も少し教えてもらいました


カタコトですが少しは話が出来る様になったのではないでしょうか


またも脱衣所へ向かいます


「まうすうぉっしゅ」とやらをやるらしいです


この液体で口をすすぐのですね


液体は薄紫の色をしています


姫様が意気揚々と口に含みます



ぶふぅぅぅっぅぅぅーーーーーーーーーーー



盛大に吹き出し、水場の鏡が水浸しです・・・


『か、辛い・・・刺激が強すぎる』


そんなにもですか・・・


それでは私も・・・


!!??


っーーーーーーーーーーー!!


これはかなりの刺激!


口の中で何かが暴れている様ですが、覚悟があれば耐えられるレベルです


サクラがやった様に口を漱ぐ事が出来ました


不意打ちは行けませんよ


サクラ




朝食後は姫様と言語学習、サクラは沐浴の様です


サクラは朝と夜に入るのですね


さすが綺麗好きの民です


言語学習は学んだ事の復習と、姫様とお互いに問題を出し合い回答して行きます


この方法は出題する方も、回答する方も覚える事が出来るので非常に効率的です


問題を作る過程で、また違った道筋で記憶が出来るからですね



サクラが「ふろ」を終え戻ってきました


髪を乾かすのですか?


よろしい


私がやりましょう


そこに直りなさい


この「どらいやー」という魔道具を使うのでしたね


この手元を動かす事で温風が出る、と


強弱も付ける事が出来るのですね


私達は魔法で何事も終えてしまうので、この様に髪を乾かす事による接触などはありませんでしたので斬新ですね


乾かす方も心地良いのですね


新たな発見です


男性の髪を、こう、乾かす事などなかったものですから


母性が刺激されている様な気がします


くうっ!




髪を乾かし終えるとサクラが私たちに外出する旨を告げました


「でかける、しんじゅく」


しんじゅく?


新しい単語ですね


また「こんびに」や「すーぱー」といった店の名前でしょうか


サクラが昨日まで異なる恰好に着替えています


長いズボンに「てぃーしゃつ」に上からもう一枚羽織っていますね


手には何か巻いています


私達も着替えるのですか?


分かりました


渡された服に着替えます


姫様は膝下までのズボン、私は脹脛程までの丈のズボンを


上は「てぃーしゃつ」に上からもう一枚羽織る形です


やはり帽子は必要なのですか?


耳を隠す為ですね・・・


んー


それであれば私が魔法で認識阻害を使いましょう


大した魔力消費量ではないので・・・


『ブリュンヒルデよ、すまぬな』


『いえ、これくらい大したことはありません』


『ついでに、これで髪を結ってくれ』


伸縮性のある「輪っか」これが髪止めですか


「しゅしゅ」というのですね


花の飾りの様で可愛いらしいです


しかしこれでは少々止める力が弱くありませんか?


まとめた髪が落ちてしまうのですが・・・


するとサクラが昨日購入した商品の中から、装飾のない黒い輪っかを取り出しました


こちらも伸縮性のある物で、「ごむ」というそうです


サクラが捻って二重にし姫様の髪をまとめました


引っ張れば引っ張る程力が増すのですね・・・変わった素材です


気になります


止めた後にシュシュを使うのですね


やはり装飾品ですか


姫様似合っております


私は髪は短めなので不要です


決して羨ましくはありませんよ?



コホン


髪を伸ばしてみるのも・・・良いかもしれませんね



準備は出来た様ですね!


それではいざ「しんじゅく」へ!

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