♯08 村人Aに朝食を馳走になる

「たぶれっと」で「あにめ」を観ていた


4つ目の話が終わり歌が流れ始めた所で


良い匂いがする事に気付いた




これは食べ物の匂いだな



サクラよ


朝食という事だな!


気が利くではないか!


腹は



ちょうど減っておるぞ!




スンスン


これはあれか?


パンの焼ける匂いだろうか?



こちらの世界にもパンはある様だな


たぶれっとを机の上に置き匂いのする方へ


四角い箱が置いてある


ジジジジっと音がする


上に穴が開いておりその中にパンが入っているのを確認した


熱気も感じる


やはりこれで焼いておるのか・・・




すると



ガション!


という音と共にパンが飛び出して来たそれが


眉間に直撃する




あっつい!!



目ががががが!!




パンを焼く魔道具で間違いないらしい



サクラが笑いながら


皿に焼けたパンを乗せた


おのれ何がおかしい!



椅子を引き座れと促す



うむ


気が利くではないか!


パンの直撃の件は許してやろう!



椅子に座ると


目の前に皿を起き焼けたパンを乗せてくれた


「ぱん」というらしい


偶然か元居た世界の物と発音も似ている



四角いぱんか


変わった形をしておるな


しかし香ばしい香りだ


焼きたてというのがまた良い




更に今度はこっぷに白い液体を注ぐ


これは何かの乳だろうか


微かに乳の様な香りがする


「みるく」というらしい



さらに目の前に白と赤と青黒い物体が置かれる


それぞれにナイフの様な物も添えてある


このナイフでぱんに塗って食べろという事らしい



しかし待つが良い


先程あにめで学んだぞ


食事の前には手を洗うのだろう


白濁色のスライム除去剤で!


椅子から立ち上がりサクラに聞いてみる


「あにめ」『で観たぞ手を洗うと!』


手を擦り合わせて身振り手振りで伝える


サクラも察した様で水場へ案内してくれた


しかしこの世界の物の材質は一体何だろうか


石の様には見えぬが・・・


管が生えている・・・様に見えるが


しかも左右に動くのか


何やら奥の塊をサクラが回す


管から水が勢い良く飛び出した


なんと!


またも魔道具か


水をこのように一定量供給出来るとは


サクラが白い箱を指差した


これはあにめで観たぞスライム除去剤であろう?


この上を押すのであったな



あわわ


飛び出した スライム除去剤は水と共に流れて行った


そうか手で受け止めなければならないな


失敗した


すまぬなサクラよ


スライム除去剤を無駄にしてしまった



今度は箱を押す逆の手でしっかりと受け取る


「ソフィア」


なんじゃサクラよ


なんぞ間違えておったか?


サクラはスライム除去剤の乗っていない方の手に水を掛けた


??


何か意味があるのだろうか


まぁ良い


この後はこうして手を擦り合わせるのであろう?




おぉ!泡が生成される


ヌルヌルして気持ちが良いなこれは!


隅々まて洗うのだろう?


知っておるぞ!



もう良いか?


サクラが管を動かして手に水を掛ける


洗い流せば良いのだったな?



うむ


手がキュキュっとして気持ちが良い


サクラが布を渡して来る


先ほどといれでも見かけたなお手拭き布という訳か


ここに掛けておけば良いのだな?


サクラがお手拭き布を取った場所へ戻す










もう一度椅子に座り


サクラが食べ方を身振り手振りで教えてくれた


それでは赤い物から試そうではないか


ナイフですくい上げ、ぱんの端に少し塗る


匂いを嗅いでみると果物の様な香りがする


どうやら果実を磨り潰した物の様だ






一口ほおばる







!!??





まず驚いたのがパンの柔らかさだ



端はカリッカリ!


中はもっちもち!


何という触感か!


そしてのこの果実の磨り潰した物




っ甘ーーーーーーーーーーーいっ!





しかし口の水分を持って行かれるな


「みるく」とやらを飲んでみる






!!??





なんという事か!!


この「みるく」という飲み物「ぱん」に合いすぎる


この組み合わせはなんだ?


神の組み合わせか?





続いて青黒い物を試してみる


匂いからしてこちらも果実を磨り潰した物か


こちらも端に少しだけ塗って食べてみる



!!??



これもまた美味しい!



この世界の食べ物、飲み物はどれも美味すぎる!!




ふふふ


もはやこの得体の知れぬ白い物でさえも美味しいのだろう


どんな味がするのだ?


真っ白というよりは少し黄色味掛かっているな


匂いは・・・あまり分からぬな



「ぱん」に乗せるとそれは「ぱん」の熱により溶けて消えた




!!??


消えた??


一体何が起きたいうのか?


ひとまず食べてみる




!!??



程よい塩味が「ぱん」の味を引き立てる



全ての組み合わせが神掛かっている



くぅぅぅぅぅぅぅぅぅ




ぱん1個をペロリと平らげる



すると今度はサクラの方から何やら焼ける匂いが漂ってきた・・・


サクラがまだ何か食事を作っているらしい


サクラを待たずに食べてしまった事に気付く


これは失礼な事をしたとサクラの元へ近づく




近づいた瞬間にサクラが調理器具に何かを投入した




くぅぅぅぅ



食欲をそそる香りだ



これはきっと肉だな・・・



見た目は指のようにも見えるが・・・


まさかこちらの人間は共食いをすまいな・・・


調理器具に蓋をして黒い箱から何やら取り出した




その形状は・・・きっと卵だな


そしてそちらの黒い箱が食料庫か


サクラは器用に卵を割り器に入れた


ひとつ、ふたつ、みっつ


3個投入し2本の棒でかき回した



肉と卵を一緒に焼く訳か



蓋を取ると香ばしい香りが部屋に充満する


肉に砂の様な物を振りかける


塩だな・・・きっと



そこに先ほどのかきまぜた卵を投入する


2本の棒を起用に使いながらかき混ぜる



その棒・・・どうやって持っているのだ?


片手で2本とはまた器用な



調理器具の下に目をやると炎が一定の火力で燃えている


これも魔道具か


やはり魔力が感じられないな



しばらく眺めていると、卵が固まって来た



そろそろ完成か!?



サクラは私の顔を見ると微笑んだ


なんじゃ!


何か付いておるか?


おかしい顔をしていたか?



少しはしゃぎすたかもしれぬ・・・



またも椅子に座る様に促される


申し訳ない


目の前に先ほど作っていた料理が取り分けられた皿が置かれた


私とサクラの分だろう


スプーンの様な物を渡されるが先が5つ又になっている


「ふぉく」と言うらしい


なるほどこれを使って食べるのだな?


形状からして刺して口に運ぶ物だろう


元居た世界ではスプーンか手だった




サクラは先ほどのぱん焼き機にぱんを再び投入した


また焼く様だ


今度はサクラの分だろう



この料理はなんというのか


卵の方は「すくらんぶるえっぐ」


指の様な肉は「うぃんなぁ」というらしい



サクラが突如すくらんぶるえっぐに赤い液体をかけた



!!!!



血ではあるまいな・・・?


やはり共食いを?



しかし匂いは血のそれではない


良い匂いだ


大丈夫だろう


・・・食べても良いだろうか?


「ソフィア、×××××」


サクラは両手を合わせて


「いただきます」と言って


すくらんぶるえっぐを口に運ぶ


食前の祈りの様な物だろうか


私も同じような動作で


「いただきます」と言って


すくらんぶるえっぐを口に運ぶ


卵ふわっふわである


そしてこの赤い液体は、少し粘り気があり卵に良く絡む


酸味も効いており卵にとても合う


この赤い液体は調味料だろうか


食文化がかなり発展していら様だ


こちらの世界は


元の世界の宮廷料理などよりよっぽど美味しいぞ



さてこちらの肉


見た目は指の様だが・・・爪や関節もない


どこの部位の肉だろうか・・・



ふぉくを刺してみる


プリッ弾力があり、ふぉーくが刺さった所から肉汁が溢れる





くぅぅぅぅ


骨は無い様だ


指ではないらしい


指ではないと分かると美味しそうに見える・・・



一口肉をほおばる



ぱりっという音と共に肉汁が口に広がる



ん----------!



美味過ぎる


何という事か・・・


うぃんなぁを味わう






ガションという音と共にぱんが飛び出す


再び焼けた様だ


サクラは私の皿の上に乗っている1個のぱんを


焼きたてのぱんと交換してくれた



客人として扱ってくれている様だ


こやつめ


良い男ではないか!



サクラは白い物をぱんに塗った


しかもぱん一個の表面を全て覆う様に


なるほど少しずつ付けて食べるのではなく予め塗っておくのだな


そうする事でぱん全体にその白い物が染みて・・・


サクラよ今なら分かるぞ


それとみるくの組み合わせはそれはもう・・・



!!???


何ーーーーーー!!


さらに赤い果実も一緒に塗るだと!?


そんな事が許されるのか!?


世界の理的にどうなのだ!?



サクラは美味しそうに食べている






ずるい!!!!



私もやるぞ!!!!


サクラと同じ様に白い物と果実を乗せて食べる!




んんーーーーーーー!!!!



なんという事だ


ぱん、白い物、果実という神の食べモノの3重奏


震える


体が打ち震えている


サクラは私と交換したぱんに白い物を塗り


さらにその上にすくらんぶるえっぐとうぃんなーを乗せ



ぱんを降りたたみ



挟んだーーーーーーー!!!




良いんですか?


そんな事をして!!




なんと欲深い食べ物か・・・


私も!


食べたい!!


はぁぁぁ!!


ぱんがもうないではないか!!!!


サクラは察してくれた様で追加でぱんを焼いてくれた


気が利くでなはいか!!



さっそくサクラと同じ様に全てをぱんで包み込み




食べた




満足過ぎる・・・が



食べ過ぎた


こんなに食べたのは久しぶりだ


しかしこの世界では村人でもこのレベルの食べ物を食べるのか



王族や貴族は一体どんな物を食べているのだろうか・・・


などと考えていると睡魔に襲われた


いかん


起きたばかりだというのに・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る