#1.5 村人Aとしよう
燃え盛る炎の中に2つの影
禍々しい鎧を纏った中年の男と、ドレスを着た15~18歳程に見える金髪の女性だ
男の方は怪我を負っており、満身創痍である
『すまぬ・・・娘よ・・・生きよ』
『父上嫌です!私は父上と!!』
嫌がる娘の涙を拭い、手をかざすと光の扉が現れた
『これは魔族の秘宝である【異界の門】・・・これならば勇者共も追ってはこれまい』
男は、娘を光の扉の中へと突き飛ばした
少女は光に包まれ、視界が晴れると見知らぬ小屋の中にいた
『ここは・・・』
【異界の扉】抜けた影響からか少女は気を失ってしまった
物音で目が覚める
異界の門を超えた後に見た小屋の様だ
自身がベッドの上に全裸でいるのを確認した
(そうか・・・『異界の門』で)
どうやら衣服は異界の門を超えられなかった様だ
『異界の門』を超えた事による体力の消費だろうか
そのまま気を失ったらしい
記憶も『異界の門』をくぐる前の記憶が曖昧だ
(見慣れぬ家具、用途の知れぬ道具・・・本当に異世界の様だな)
シーツを体に巻き立ち立ち上がる
物音のする方へ向かおうとすると扉が開いた
無精ひげのある中年男性と目が合う
「××× ××××××」
聞きなれぬ言語
(異世界なのだから当然か・・・)
「××××××××××××」
(衣服、家の狭さからして奴隷か平民か?)
『私は魔族国家パッヘルベル 第一王女、ソフィア・ディア・ノート 私の言葉は理解できますか?』
反応がないな
やはり通じぬか
男が思案した後、机の上にある板を手にし、こちらへ向けた
どうやら見ろという事らしい
板が光輝き、何やら地図らしき物が浮かび上がる
(魔道具のような物か)
板に映る地図は、少女の知っている世界の物ではなかった
首を振り、分からないという事を伝える
首を振る=否定というのはこの世界でも同様のようだ
(言葉が通じぬのは厄介な事だな・・・まずはこの世界についての情報収集と帰還方法について調べねばな・・・)
言語習得が最優先か
しばしこの男(村人Aとしておくか)の世話になるとしよう
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