♯23.5 村人Aとして異世界人にゲームプレイを

夕食後にリビングのテレビに接続した満天堂のカンパニーコンピューター、略してカンコンを二人に遊んでもらおうと二人に声をかけた


「ゲーム」という物だと伝え起動する


ソフトは社会現象にもなった家庭用ゲームの認知度を高めた始祖とも言うべきソフト


「超中年兄弟」だ


ストーリーは下水道で誕生したネズミのミュータント「マッパ」に攫われた事務員の桃井さんを配管工の兄弟の折間兄弟がマッパ率いるミュータントたちと戦いながら桃井さんを助けに向かう・・・そんな感じだ


世界で一番売れたタイトルであり、今も折間さんシリーズとして続編がリリースされている


やはり最初にプレイさせるとすればこのタイトルだろうという自身の勝手な采配だ


テーブルの上にハードを置き、二人を並んで座らせる


コントローラーは1P側をソフィアの前へ、2P側をブリュンヒルデ側へと置きカンコンを起動する


画面を見た二人は話し合いを始める


そうだな一度はプレイしている様子を見た方が良いかなと、席を立ち手本を見せようとするとソフィアに制止された


どうやら自分達でやりたいらしい



その心意気や良し


しかと見届けよう



二人はまずコントローラーを興味津々に調べだした


ブリュンヒルデが一通り、2P側の十字キーとボタンを押す


だがテーブルに置いたまま右手の指のみで押している


そうか、まず「コントローラーを手で持つ」という基本すらない訳だからこうなる訳か


面白い


次にソフィアが1P側のコントローラーをこちらもテーブルに置いたまま右手のみで押していく


開始ボタンを押す事が出来たのでゲームが始まる


やったぞ!一歩前進だ


二人はしばらくBGMと画面を見ていたが特に変化が特にない事に気付き、ソフォアが再び開始ボタンを押すと


ピンポンピンポーンという音と共にポーズが掛かる


二人で話し合いながら、コントローラのボタンを押して行く


今はポーズ中だから動かないんですよーっと心の中で想いならがら二人の経過を見届ける


開始ボタンを再び押すとBGMが流れ始める


ブリュンヒルデが画面中央上部の制限時間のカウントに気付いたらしい


異世界の言葉で話をしているので、詳細は分からないがリアクションである程度察する事が出来た


これは、コンテンツとして結構面白いな


動画サイトで配信してみるか?


二人ともビジュアルは抜群だしな


「異世界人ばゲームしてみた」といった感じのタイトルかな・・・


彼女達の生活費くらいは稼ぐ事が出来る様になるかもしれない


俺の貯蓄も無限ではないからな


自立出来る様な環境を作るのも必要だろう


そんな事を考えていると


ぷぃーん


という超中年兄弟特有のジャンプのSEが聞こえて来た


ジャンプボタンに気付いたらしい


!P側に搭載されているボタンは


十字キー

選択ボタン

開始ボタン

Cボタン(キャンセルボタン)

Oボタン(OK/決定ボタン)


となる


超中年兄弟に関してはOボタンがジャンプボタンだ


十字キーにも気付いた様で左に進むがそちらは行き止まりだ


この時期の横スクロールアクションは一度進んだら戻れない作品が多い


超中年兄弟の進行方法は右となる


ソフィアは右に進み出した


最初の障害である敵が現れる訳だが、折間兄弟の攻撃方法はジャンプからの踏みつけ、アイテムと取得してからの飛び道具となる


下水にいる粘菌を模したネッキーだ・・・見た目はキノコの様だが


そしてソフィアの操る折間兄はネッキーに突っ込み玉砕した


二人は再び話し合いを始めた


気合を入れなおし再ネッキーへと突っ込んでいく


違う、気合ではどうにもならないのよ


再び二人で話し合い作戦を練っている様だ


二人がゲームする姿は自分が小学生の頃一生懸命ゲームをしていた頃を思い出し、微笑ましい


ジャンプボタンでどうにかする事には気付いたらしい


しかし、コントローラーをテーブルに置いたまま、右手の人差し指で十字キーを操作する姿は斬新である


今度はネッキーの手前で止まり、ジャンプをするがタイミングが早すぎた為、着地の時にネッキーに触れてしまいやられてしまった


長女に同様にやらせてみた事もあったが、大体同じ様な感じだ


自分も最初はそうだったのだろうな・・・初めてプレイした時の事はもう覚えていないが


ゲームに関して言えば、操作方法、進め方、アクションの挙動等応用が利く


経験さえ積めば、貯金でなんとかなるものだ


今はその経験を貯める時だ


がんばって欲しい


次はブリュンヒルデがやるらしい


ゲームも個性が出るからな


二人いて比較出来るのも良い環境だな




ブリュンヒルデの操る折間兄はジャンプする前にネッキーに触れ絶命した


タイミングが遅すぎた様だ


悔しがるブリュンヒルデが微笑ましい


ここでソフィアが俺に声をかけて来た


『サクラ××××××××』


カンコンとコントローラーを指差しているのでやってみせろという事だろう


「おけまる」


とコントローラーを手に取り両手で持つ


!!!!!


二人とも驚いている


そうです、これがホームポジションなのですよ


まずは先に進まず


ダッシュ、ジャンプ等のデモンストレーションをしてみせる


「まじやばい」


ソフィアもブリュンヒルデも目から鱗と言った所なのだろう


二人して色々と画面を見ながら話をしている


初見なのだからしょうがない


ゲームという物が存在しない世界であれば、俺も同様にコントローラーを持って操作するという思考に至らなかった可能性も十分にある


それではネッキーの倒し方を披露しよう


ぷぃーん


フミッ!


おおおおおおおっ!


二人とも簡単の声を上げた後、神妙な面持ちで相談を始めた


今の所で何か気になる所があったんだろうか


コントローラーをソフィアに渡す


ソフィアも受け取ったコントローラーを俺と同じように持った


そうそう、それで良いよ


ソフォアが始めようとしたところでブリュンヒルデが制止する


そしてソフィアがブリュンヒルデにコントローラーを渡した


そうね


順番にね


仲良くやろう


二人のやり取りに笑ってしまった



しかし、異世界人が初めて〇〇やってみたシリーズ


コンテンツとしては面白いかもしれない


動画の編集は俺がやるとして、字幕はこちらで予想して入れれば良いかな


本業と平行して、撮影と動画編集か・・・


忙しくなりそうだ

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