♯27.5 村人Aとして異世界人二人の下着を買う

コーヒーチェーン店で服屋の開店時間を潰していた


ソフィア、ブリュンヒルデ共にお互いの飲み物をシェアしながら感想を述べあっている様だ


気に入ってくれた様でなによりだ


時計で時間を確認すると、ソフィアが俺の腕を掴んで引き寄せる


時計が気になったらしい


ソフィア達の正解では時間を計ったりはするのだろうか


こちらの世界でも、六十進法の時間単位は紀元前2000年前程が始まりだったか・・・


1日を12時間2組に分けたのは古代エジプト人だったとかなんとか


ソフィア達の世界ではどうだろう?


時を刻むという概念自体の存在、時間の流れが違う可能性もある訳だ


二人の睡眠のサイクルは俺達の世界と同じ様だから、彼女達の星の公転もほぼ地球と同じなのだろう


魔法がある世界だから、そもそも星という形で世界が成り立っているのかも怪しいけれど今は知る由もない


二人が興味深そうに時計を見ている


時計の盤面を見て、二人で話し合っている様を見るに時計だと瞬時に判断は出来ない様だ


時計は存在していないのかもな


「サクラ!」『×××××××?』


ソフィアが何か質問している様だが、ひとまず「時計」という名前だけ教えておっく


二人が時計について議論している間、腕を離してくれなかった



そろそろ時間だ


二人を連れて、女性用下着の店へ向かう


地下の店舗にあった様な気がする


新宿は30代前半、広告代理店に勤務していた時に通勤で通っていたのでそれなりに知っている


地下に入ると二人は、床と壁と天井それぞれに驚きを見せる


素材、建築方法、どれに驚いているのかは分からないが、彼女達の正解では地価はこの様なレベルでの建築物はないらしい


見物しながら店へと向かった




確かこの辺りに・・・あった


ブラジャーとショーツが並ぶ女性用下着専門店だ


『××××××!?』


ブリュンヒルデが驚きの声を上げる


二人ともこちらの世界に来た時は裸だったので、服の作りで文明レベルを計る事も出来なかったからな


ブラジャーはないにしても、コルセットくらいはあったのだろうか?


とりあえず、人が少ないとは言えこの店に堂々と入るのは憚られる


従業員に声を掛ける


褐色系のギャルっぽい風体のまだ若い子だ


「すみません、この子達海外から来たばかりで、下着が揃ってなくて4、5日分揃えたいんだけど・・・」


「かしこまりましたぁ


超やばい、かわいくないですかー?」


若い女性のアパレル系の店以外にもこのノリの従業員はいるのか


どちらかと言うと個人的には、こういつ子の方が話しやすい


「サイズとかは分かりますかぁ?」


「いや、計ってサイズの合う物を見繕って貰っていいかな?


 上下で5000円くらいの物でお願いしたいんだけど


 今、彼女達着けてないんで1着はそのまま着せといてください」


「かしこまりましたぁ、じゃその辺りの価格帯を5着程用意しますねぇ」


「じゃ、俺は外で待っているのでお会計の時に呼んでください」


「はい、ではお二人はこちらでぇす」


二人は従業員に連れられて店内へと消えて行った


店の入り口の反対側の壁に寄りかかりスマホで次に行く店を検索する


駅の地下にあった気がする


昔付き合ってた子とと冬服を買いに行った記憶が・・・




「サクラ!!」



ソフィアの声が下のでスマホから目を離し正面を見ると・・・


下着姿のソフィアが目の前で手を振っている




!!



「ちょっと待てい!!」



急いでソフィアに駆け寄り、手を取って店内へ引きずって行く


ソフィアが手を引っ張られながら言う


「うけるー」


「うけないから!」


どこで覚えた・・・あ、あの従業員か


使い方が違うがな



ひとまず試着室へ突っ込んでカーテンを閉める


「あれぇ?どうされましたぁ?」


従業員が隣の試着室から顔を出す


隣でブリュンヒルデの採寸中の様だ


「下着姿のまま、出てきちゃって・・・すみません」


「あらぁ、私も見てなくてすみません


 採寸は終わっているので、服を着てもらいますねぇ」


「よろしく、お願いします」


ソフィアにはどうやら下着と認識していなかったらしい


というより羞恥心という物が、こちらの世界のレベルと異なるのかもしれない


気を付けよう


こちらの世界の無意識に当たり前だと思っている事が彼女達には当たり前ではないという事だ


再び先ほどの場所へ戻りスマホをいじる


ちょいちょい店の方を気にしながら見ているが、完全に不審者だな・・・これ


服を着たソフィアが試着室から出てくる


別の女性従業員がソフィアに話掛けてくれ、下着を選ぶ様に促してくれていた


ソフィアが不安そうにこちらを見るので、選んで良いよと頷く


ブリュンヒルデも終わった様だ


従業員が付いてくれていたので、下着姿のまま出てくるという事はなかった


二人とも下着を選び始める


ソフィアも、ブリュンヒルデも結構選ぶのに時間が掛かった


やはり女性の買い物は長いな


女性の中にも選ぶの早い子もいるが比率的に2:8(個人的経験)くらいかな


8が買い物長い子ね


付き合うのも別に嫌じゃないのだが、下着だと一緒に選ぶ訳にもいかないので退屈だ


選び終えた様で従業員から呼ばれる


「1着は今それぞれ着てますぅ、選んだ下着と脱いだショーツはそれぞれ別々にしておきますねぇ」


あ、上下着たのか


ブラだけ付けて貰えば良かったんだけど・・・


そういう訳にも行かないのかな


「助かります、ありがとう」


会計が5万超え・・・


くぅ、結構するんだよなぁ


ふと周りの下着の値札を見ると


2000円~3000円くらいでも可愛いの結構あるんだな


まぁ、いいか


「カードでお願いします」


カードで支払いをする


従業員がそれぞれ二人に袋を渡す


「それぞれ、サイズ書いた紙に一緒に入れてありますのでぇ」


それはありがたい、もし今後購入する時は通販で買えるだろう


「助かります、あるがとう」


「いぇいぇ~、こちらも二人とも美人さんな上にスタイルも超いいんでぇ


 目の保養になりましたぁ~」


そうなのか・・・


店を出る際に従業員が「またきてねー」と手を振っていた


二人とも別れに挨拶と思ったらしく、従業員に「またきてねー」と返していた


くぅ


可愛いな


俺も従業員も笑顔で会釈した


しかし、分かっていたとは言え結構な出費だな


服でも結構お金が飛びそうだ

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村人Aとして異世界転移者にチュートリアルを さくらうぃっしゅ @hinahibiki

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