♯27 村人Aと共にビキニアーマーを買いに
サクラ、ブリュンヒルデと共に「こーひー」の店で「しぇいく」を飲んでいるとサクラが先ほどから腕に巻いた物をちらちらと見ている
サクラの左手を掴み確認する
「サクラ!」『これはなんだ?』
指差して問いかけると「とけい」というらしい
良く見ると腕に巻かれた「とけい」と呼ばれる者には板が付いており、盤面には文字が掘られている様だ
むぅ、この文字はまだ学んでいないな・-・・
『姫様この細い棒は・・・』
ブリュンヒルデも一緒に除き込んでいたため、一定の間隔で動く棒に気付いたらしい
短くて太い物、細くて長い物、極細の物と3種類が確認出来る
極細の棒だけが一定間隔で動いているが、用途は不明だ
『用途が想像出来ぬ・・・お主はどう思う?』
『私も検討も付きません』
ブリュンヒルデもお手上げらしい
後程調べるとしよう
「しぇぃく」を飲み終わる頃、サクラが移動する旨を私達に告げた
入った時は商品の方が気になって店内をしっかりと見ていなかったが雰囲気の良い店だな
非常に私好みの店だ
客層も若い女性が多いように感じる
『また来たいものだな、ブリュンヒルデ』
『えぇ、私もそう思います』
サクラに付いて行くと今度は下りの「えすかれーたー」へ乗り込み移動する
??
地下へも続いているのか?
地上に到着したが、さらに下りの「えすかれーたー」へと乗り込む
地下は洞窟の様になっているのかと思いきや、床は補装され壁も、天井も屋内と変わらない作りだ
しかも明るい
『この光源は凄いな・・・サクラの家にもあったが、一定の光量を長時間維持するというのは』
『火による光ではない様ですね』
広大な地下をズラっと並んだ光源で照らす事で地上と変わらぬ
土地の有効利用という点でも必要な事だな
「えすかれーたー」を下りて地下の奥深くへと向かう
しかしそこは地下とは思えぬ程の明るさで数多くの店舗が立ち並んでいた
その中の一つの店舗の前でサクラが止まる
『姫様、これは!?』
ブリュンヒルデが驚きの声を上げる
『・・・ビキニアーマーでしょうか』
確かに見た目はビキニアーマーのそれだ
可愛いらしく装飾はされているが・・・私たちの世界でいうビキニアーマーに形状は似ている
しかも専門店の様だ
サクラは店内へは入らす、店の者をこちらへ呼ぶ
『ブリュンヒルデよ・・・見よ』
『えぇ、確認しました、「ぎゃる」ですね』
この「ぎゃる」という種族、「たぶれっと」にて生態を見たからな
予習済みであるぞ、陽気で良くしゃべる種族だ
あの映像が確かならば、やばいを連呼するはずだ
サクラが「ぎゃる」と話をすると、ぎゃるが私とブリュンヒルデを店の中へと案内した
その際に
「ちょうやばい、かわいくないですかー?」
と言っていたのを聞き逃さなかった
やはり「やばい」はこの種族発祥の言葉なのだろう
個室へ連れてい行かれ、服を脱ぐ様に指示される
個室に入ると正面には大きな姿鏡があり、布で覆われた
外から裸が見えない為の配慮だろう
「ぎゃる」に紐の様な物を持って来てで胸を2カ所、腰と尻を計る
なるほど、採寸であったか
採寸の際に気付いたが、爪がやたらとゴテゴテとしていて凄い色をしている
・・・寄生虫だろうか・・・
「ぎゃる」の手を取り
『良ければ治してやろぞ』
やはり言葉は通じなかった様だが、彼女はその爪を私に見せて言う
「ちょういけてるっしょー?」
満面の笑みからして、寄生虫の類ではないらしい
それならば良かろう
計り終えると先ほどの「ぎゃる」がビキニアーマーを小部屋持って来てくれた
ふむ、そこに手を通して肩に掛けるのか・・・
ほうほう、そこの金具を引っかけて固定し装着すると・・・
くぅ、一人でやるとなると難しいな
手を後ろに回すというのが・・・これ
難しい・・・が
出来た!
!?
「ぎゃる」がビキニアーマーの胸の隙間から私の胸を鷲塚む
ちょ・・・なっ・・・
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
「ぎゃる」が「だいじょうぶ」というので信じる事にする
胸周りの肉を集める様に引っ張り、ビキニアーマーの胸の部分へ収めて行く
「はい、できたよー」
心成しか胸の大きさが大きくなった様に見える
ほほぅ
この様な効果もある訳か
「まじやばい」とぎゃるに告げるとぎゃるが笑顔で
「うけるー」と答えてくれた
「うける」・・・どういった時に使う言葉なのだろうか
こちらが驚いたと伝え・・・それに対して笑顔で返した訳だから・・・
「驚いた」「そうだよね」といった感じだろうか?
すなわち「うける」とは同意という意味をもつのではなかろうか
「ぎゃる」は次にとなりのブリュンヒルデの所へ向かった
同じ様にビキニアーマーの装着方法を教えるのだろう
私は・・・そうだな
サクラにこのビキニアーマー装備した勇ましい姿を見せてこよう
個室を出てサクラを探すと店の外で立ちながら小さな「たぶれっと」をいじっているのが見えた
「サクラ!!」
サクラに店の中から声を掛け手を振り駆け寄る
私を見たサクラが目を丸くしている
ふふふ、どうだ!
美しかろう?
その目に焼き付けるが良い
すると、サクラが私の方に駆け寄り店内の方へ私を引っ張って行く
「××××××××××××××××」
私を称える賛辞を贈っているのだろう
そう興奮するでない
私が美しいというのはまぁ・・・分かるぞ
こういう時はそうだな、先ほど覚えた
「うけるー」
「××××××××」
何を言っているかは分らんが恥ずかしがっている様だ、初奴め
サクラに元居た小部屋へと戻され布を閉められた
「ぎゃる」が私の小部屋に顔を突っ込み服を着る様に促す
む、このビキニアーマーは着たままで良いのか?
分かった
ブリュンヒルデに声を掛ける
『ブリュンヒルデよ、お主は終わったか?』
『いえ、まだです
サイズが合わなかった様なので、別の物を持って来てくれる様です』
あ奴、意外に出る所は出とるからの
服を来て外に出るとサクラは再び店の外にいた
ビキニアーマー専門店にいると男性がいるのはバツが悪いという事だろうか
別の女性が近寄って来て私に声をかける
どうやら「ぎゃる」とは異なる種族の様だが、店の人間らしい
ビキニアーマーを何着か選べと?
サクラの方を見ると頷いていた
何着か購入せよとの事らしい
女性がここから選べと、選択範囲をしていした
個人的な趣味で4セット程選んだ所でストップがかかった
サクラが先ほど店の者と相談していたのだろう
ブリュンヒルデは・・・
お、終わった様だ
『どうじゃ、ブリュンヒルデよ』
『特に問題はありませんが、防御力が心元ないですね・・・』
確かにそれは私も感じた所ではある
『どうやら、服の下に着る物の様だぞ』
『という事は、鎖帷子の様に下に着こみ防御力を底上げする様な簡易的な物なのかもしれませんね』
ないよりはマシといった所か
同じ様にブリュンヒルデ4セット程選ぶ
選び終えると「ぎゃる」がサクラを呼ぶ
清算するのだろう
今日「しんじゅく」へ来たのは私達の服を買う為か
気を使わせてすまぬな
結構な量だがサクラの手持ちは大丈夫なのだろうか?
清算には昨日見た貨幣ではなく、小さい四角の板を渡していた
あれでも支払いが可能なのか
「ぎゃる」達にありがとうと告げる
「またきてねー」と手を振っていた
別れの挨拶だろうから、私とブリュンヒルデで「またきてねー」と応え店を後にした
サクラは少しゲッソリとしていたが・・・きっと気のせいだろう
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