♯26.5 村人Aとして異世界転移者を新宿へ連れて行く

ソフィアとブリュンヒルデ、二人と共に新宿へ買い物へ向かう


目的の物は、彼女達の衣服だ


駅へと向かう、併設されたスーパーの三階から駅へと向かう


ブリュンヒルデはこのスーパーは初めてだったね


商品数に驚いている


帰りに食材を買って帰るとしよう



いつもはICカードで乗車するが、今回は異世界人二人も一緒なので、切符を購入し乗る事にする


購入した切符を二人に渡すと、ソフィアがここが新宿なのか聞いて来た


残念ここは「駅」です


『×××××××××××』


ブリュンヒルデがこちらへ向かってくる電車に気付き声を上げる


二人に「でんしゃ、のる」とジェスチャーを交えながら告げる


ソフィアが目を輝かせる


この子分かりやすいな



改札の通り方を二人に見せる


二人も真似て改札を通る



切符は回収するように


ブリュンヒルデは大丈夫そうだが、ソフィアは切符を失くしそうさので念のため二人の切符を預かった


階段を下り、先頭車両の乗り場まで移動する


初めての電車であれば戦闘車両で進行方向が見える方が良いだろう


少し待つと電車が来た


ソフィアが興奮し白線の外へ出てしまっていたので引っ張って白線から出ない様に教える


先頭車両が止まり乗り込むが、二人は少し躊躇っていた様だったので手招きする


二人は意を決した様に少しジャンプしながら電車へ乗り込んだ


くぅ


何これ


可愛い


二人は車内を見回しながら話をしている


運転席の方を指差して誘導すると、運転手食い入る様に見ていた


ソフィアが運転席をコントローラーかと聞いてきた


間違っていないかな、そういう事にしておく


一旦ね


座る様に奨めて見たが、ここで運転席と進行方法を見ていたいらしい


運転席後ろのガラスにソフィアがべったり張り付いていた


運転手さんも苦笑いだ


「申し訳ない」と頭を下げる


新宿に近づくにつれ、ビルが増えてくると二人はビルに反応を示した


ソフィア達の世界の建築物のレベルが気になるな


二人の反応を見るに高層の建物は珍しい様だ



新宿駅に到着すると、二人は電車から降りてくる人の多さを目の当たりにし、唖然としていた


「ソフィア、ブリュンヒルデ」


唖然としている二人に声を掛け、降りる様に促し預かっていた切符を渡す


改札を通った後、ソフィアが改札で待ち構える


出る時は切符は出てこないんですよ


ソフィアさん





床を指差し、二人にここが新宿駅だと告げる


二人とも初めて見るであろう建造物に興味深々といった様だ


まだ9:30・・・店が開くのにまだ30分程あるので、予定通りコーヒーチェーン店で時間を潰すことにする


確か今いるフロアの上にあったはずだ


エスカレーターで上に向かう事にする


エスカレーターの乗り口でソフィアにぶつかってしまった


ブリュンヒルデは俺の後ろにいる状態だ


ソフィアはどうやらエスカレーターに乗るタイミングを伺っているらしい


背中を軽く押してエスカレーターへ乗せる


ソフィアは少し怒った様な顔をしたが、すぐにエスカレーターへ興味が移った


次に俺が乗り、後ろにいたブリュンヒルデの手を取り、エスカレーターへ乗せる


エスカレーターを下りるとガラス張りの壁に興味が移った用で、ガラスに張り付き地面を見下ろしていた



コーヒーチェーン店はすぐそこなので二人を呼び店内へ


コーヒーの香りに包まれる


ここ来てあまりコーヒー飲む事ないんだけど


あまり店内で飲む事はなく、テイクアウトする事が多い


「タークネスモカフラペチーノをベンティサイズで」


最近はこれ一択だ


キャラメル系よりも若干甘さ控えめ・・・とは言えかなり甘いカロリー爆弾だとは思う


ソフィアとブリュンヒルデにメニューを見せ選ばせる


ソフィアはどれにするか悩んでいる様だったがブリュンヒルデは決まっているらしい


「だーくねすもかちっぷふらぺちーのをべていさいずで」


!!??


なんて!?


さっきの俺の注文で覚えたのか


凄いな、大体合ってるぞ


レジの子にも通じたらしい


ソフィアは驚愕の表情を見せる


ブリュンヒルデがドヤ顔でソフィアを見ている


いいぞ


もっとやれ


この二人を見ていて、パワーバランスは今いち掴みかねるが、やり取りは仲の良い姉妹の様で微笑ましい


ソフィアも決めたらしい


ストロベリーの奴だ


おっさんはこれ頼んだ事ないので


「これのベンティサイズで」


「ベリーストロベリーデイライトフラペチーノのベンティサイズですね?」


おっさんも一回ではなかなか覚えられませんよね


注文後会計を済ませ、商品受け取りカウンターへ向かう


作ってくれるお姉ちゃんに


「この子達、海外から来ててこういう所初めてだから、ひらがなで名前描いてもらってもいいですか?


 「そふぃあ」と「ぶりゅんひるで」で」


「かしこまりました」


お姉ちゃんも察してくれたらしく二人に微笑んでくれた


二人は、お姉ちゃんが作ってくれる商品を興味津々に眺めていた


商品を受け取ると自分の名前が書いてあることに気付いた様で、お姉さんに感謝を述べていた


二人とも嬉しそうにしてくれたので良かった


ストローを取って差してやり、3人で席へと座る


二人でシェアしながら飲んでいるのを見て、おっさんは尊味(とうとみ)を感じていたよね


癒されるわ

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