♯21.6 村人Aとして異世界転移2日目の夕食を

ソフィアとブリュンヒルデ用に購入した書き取り帳や知育本は気に入ってくれた様だ


タブレットで音を確認出来れば、俺が付きっ切りで相手をする必要はないだろう


こういう時に二人いるのはいいよね


お互いに問題を出し合ったりしながらのテスト勉強とかは俺は捗る方だった


問題を出す方も、答える方も同様に覚える事が出来て個人的には効率の良いやり方だ


中学生の頃などは、当時ワープロだったがタイピングの練習がてら問題を作って皆で共有したりしたな


結構仲間内では評判が良く、お互いにオリジナルのテスト問題を持ち寄っていたりした


あれは、結構面白くて成績も上がったな


懐かしい


それが20数年前ってまじ?


数字にするとこう・・・来る物があるよね


二人は相談しながら勉強している


質問があれば受け付けよう


二人とも黙々と勉強している・・・俺は不要らしい


ではその間に昔のゲームハードの準備をしよう


クローゼットに確か・・・あった


まずはこれからだろう


満天堂のカンパニーコンピューター


略してカンコンだ


ソフトはカートリッジ式、コントローラーは有線タイプが二つ


2P側にはマイクが付いているあれだ


やはり順を追ってプレイしてもらい思いがある


最新のハードよりは、ゲームの進化を感じながら順番に遊んで行って欲しい


エゴだよ!それは!


と言われそうだが、それはしょうがない


俺の所に異世界転移してしまった事を呪うしかない


出力はコンポジット形式だが、幸いうちのテレビにはまだコンポジット端子がある


40インチだから多少粗さが目立つだろうが、それも味だろう


ソフトは・・・まずは髭面配管工おじのあれだろう


初めてプレイしたソフトは?


と問われれば俺達の世代はほとんどがこれだろう


俺の持っているソフトを遊ぶ事になるので、俺のゲーム史トレースする事になるが二人が楽しんでくれれば幸いだ


日本語の勉強の為という名目だったが、テキストが出る作品を遊ぶ前に、基本の操作を学んで欲しいという狙いもある


本当だ


クローゼットの中を探していたら結構時間が経過していた・・・18:00


風呂と夕飯の準備をしよう


夕飯は昨日のカレーだ


ソフィアは2日目だが我慢して欲しい


温め初めて匂いが立ち始めると、二人とも気付いた様で勉強の手を止めた


ブリュンヒルデが手伝いを買って出てくれた


米を研いでもらう事にした


ブリュンヒルデは結構力があるね


結構良い音をさせて米を研いでいた


ソフィアはそれを覗き見る形


研ぎ終わると受け取ってそのまま炊飯器のスイッチを入れる


速炊きにしようかとも思ったが、二人に風呂に入ってもらおうと思ったので通常で




昼間購入した物の中からボディタオルを取り出し、ソフィアに使い方を説明する


理解してくれた様なのでそのまま風呂場へ誘導する


ソフィアとブリュンヒルデが話をした後ソフィアは風呂場へと向かって行った


ブリュンヒルデが何やら慌てていたが・・・気のせいだろう




今のうちに洗濯物を取り込もう


ブリュンヒルデが手伝ってくれるらしい


ありがとう


おっと


洗濯ばさみは無理矢理引っ張ってはダメです


壊れてしまうんです


洗濯ばさみは知らない様だ


こちらの世界でも洗濯ばさみは19世紀初頭に普及したんだっけか?


「せんたくばさみ」という名前を教えると不思議そうに構造を観察していた


『まじやばい』


ブリュンヒルデの「まじやばい」いただきました


ブリュンヒルデが砕けた言葉を使うのはキャリアウーマンの様な容姿とのギャップで萌える


コイルばねは・・・ルネサンス期にはあったんだっけか?


彼女達の世界ではまだ登場していない様だ



服を畳んでいるとブリュンヒルデに取りあがられた


畳み方が気に入らないらしい


一人だと割と雑になってしまうよね


ブリュンヒルデが畳んでくれるらしい


ありがとう


彼女達の世界と衣服の作りが異なるらしいので、畳み方はこちらの世界のそれではないがコンパクトにシワなく畳んでくれる


ブリュンヒルデ・・・家事出来る系女子ね




そんなブリュンヒルデを見ているとソフィアが脱衣所から顔を手を出し声を掛けて来た


入浴剤を入れたいらしい


そうだった、昨日入れたもんね


気が利かず申し訳なかったな


使って良いと伝える



しばらくすると、脱衣所の方からソフィア様の声が聞こえた


叫び声ではなく、何かに驚いた様な声だった


ケガでもしたのかと、確認しようとしたがブリュンヒルデに止められた


そうだね


今ソフィア裸だものね


ブリュンヒルデに任せる事にする



ブリュンヒルデは脱衣所の扉を開けて中を確認すると、そっと扉を閉めて俺に「だいじょうぶ」と告げる


そう言うのであれば大丈夫だろう



ブリュンヒルデが洗濯物を畳んでくれているので手が空いた


テレビにカンコンを接続してしまおう



ブリュンヒルデの洗濯物畳みが終わったので一緒に衣装ケースへ仕舞う


ソフィアの着替えを準備していなかったのでブリュンヒルデに渡す


甚兵衛は二日目なので新しい物と交換しよう


紺色の甚兵衛を渡す


下はハーフパンツだ


「ソフィアの着替えね」


名前で察してくれたらしく、着替えを脱衣所へと持って行ってくれた



次はブリュンヒルデの分だな


ジャージの上下はそのまま使ってもらおう


明日服買いに行くしな


新しいTシャツと今日コンビニで買ったショーツを準備する


ブリュンヒルデが戻って来たのでそのまま渡す


ファスナーの閉め方を教えておく


不思議そうに上げ下げしている


構図が見た目じゃわかりにくいよね


俺も良く分からないよ



ソフィアが風呂を上がった様なので、ブリュンヒルデに風呂に入る様に伝える


ソフィアが入浴方法は教えてくれる様なので任せる




ソフィアの髪を乾かす準備をする


脱衣所から出てくると俺がドライヤーを持っている事に気付き、タブレットを持ってちょこんと俺の足の間に収まる


何この可愛い生き物は


机を引き寄せタブレットと書き取り帳で勉強を始めた


その間に髪を乾かす


最初はミミズののたくった様な字だったがどんどん綺麗な文字になって行く


人類の進化図の様な勢いで上手くなるな



ソフィアは髪が長いのでそこそこ時間が掛かるな


乾かし終える頃にブリュンヒルデが出て来た


意外に早かったね


ソフィアがブリュンヒルデに声をかけ、俺の足の間にブリュンヒルデを座らせる


少し恥ずかしそうだ


「ごめんね」


なんか可愛くて謝ってしまった


「だいじょうぶ」とブリュンヒルデも答えたので髪を乾かし始める


ブリュンヒルデはボブカットなので髪の量が少ないのでソフィア程時間は掛からないだろう


髪を乾かしているとブリュンヒルデは俺の太腿に寄りかかって寝てしまった



くぅぅぅ


ここにも可愛い生き物が


ブリュンヒルデの寝顔を見ながら、そのまま髪を乾かした

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