♯5.5 村人Aとしてトイレへいざなう
ソフィアが倫理観と日本語を学べる作品となると・・・
育児している時に子供に菓子パンをモチーフにした国民的アニメを見せた
その時声を出して喜んでたな
勧善懲悪だし、簡単な倫理感も学べるかな
などと考えていた
「サクラ」『××××××××・・・・』
ソフィアが話しかけて来た
ソフィアの世界の言葉は日本人には発音しづらい言葉だな
などと考えつつ彼女の方を見ながら何を伝えたいのかを探る
コップが空になっている
大丈夫おっさんは察する事ができますよ
コップにオレンジジュースを注ぐ
好きなだけ飲んでくれ
・・・
ソフィアはオレンジジュースには手を伸ばさず考え込み俯いている
どうやら違ったらしい
飲み物ではないのか
申し訳ない
言葉が通じない以上行動あるのみだな
飲み物でないのなら食べ物だろう
冷蔵庫にゼリーがあったな
冷蔵庫からゼリーを取り出し
購入した時にもらったプラスチックのスプーンを手に取る
これ使わずに貯まってくことありませんか?
白ではなく黄色い方の桃のゼリーだ
ソフィアの興味を引いた様で
パッケージをまじまじと様々な角度から見ている
「今はこれしかなくて申し訳ないけど食べてみて」
何かを伝えようとしている事は伝わるだろうと話しかけてみた
そう信じてパッケージを空ける
ゼリー開ける時中の水分あふれるよね
これどうやって上手く開けるの?
その話は一旦置いておく
ソフィアは再び様々な角度から覗き込んでいた
食べ方分からないよね
持って来ていたプラスチックのスプーンを包装から取り出し渡す
ソフィアの手に向かってスプーンを差し出す
ソフィアは受け取りにっこり微笑んだ
どうやら用途は分かる様だ
スプーンを差し込んだ感触に驚いていた様だが
口に含むと目を見開き
その後うっとりするという
とても良いリアクションをしてくれた
こういった反応見るって異世界物の醍醐味だよな
自分の手柄じゃないのだけれど
自分の世界を受け入れてくれるのは嬉しく感じるものだ
ソフィアはあっという間に完食した
ソフィアにゼリーの名前を教えておこう
容器を指さし
「ゼリー」と告げる
ソフィアはポツリと呟いた
「ぜりー」
このやり取りは慣れた物だなと感じつつ
ソフィアの食べたゼリーの容器とスプーンを片付ける
ゴミ箱に捨てた後振り返ると
ソフィアは立ち上がり
声をかけてきた
「サクラ」『××、×××××』
「・・・」
もう一つ欲しいのか?
しかしながらゼリーは今ので最後だ
買って来てやるかな
何やら様子がおかしい
プルプルと震えている
桃かゼリーが異世界人には合わなかったりしたのだろうか
急に倒れたりしないよね?
冷や汗をたらしながら内股になり太腿をこすり合わせている
おっさんは察しましたよ
トイレですね?
申し訳ない事をした
もしかしたらさっきもそれを伝えたかったのかもしれない
だとしたら追い打ち掛けちゃったね?
トイレの前に行き扉を指さす
手招きは海外ではあっちへ行けという意味だったりするらしいので
トイレの扉を指さすだけにしておく
ソフィアは掴まり立ちした幼子の様に歩いて来る
限界だったのね
本当に申し訳ない
扉を開けて向かい入れる
使用方法を教えておかねばね
ズボンを脱いで腰掛けるジェスチャーをする
トイレットペーパーの使い方を説明せねば
あちらの世界で硬い紙、もしくは葉っぱで拭いていたとするならば
ここもまた異世界物のお約束驚きポイントだろ
待って
女性の拭き方はどちらからがマジョリティなのだろうか
そんな事考えた事もなかったので
いざ伝えるとなると迷うな・・・
俺の歴代の彼女であれば
前から拭いていた子が多かった気がする
いやほぼ全員前か
なぜそんな事を知っているのかは聞かないで欲しい
個人的には後ろ派だけども
俺は男だから参考にはならないだろう
小は前から大は後ろからといったマルチプレイもあるかもしれないな
ジェスチャーで説明しようにも前からか後ろからか
どちらにするべきか迷っていると
我慢の限界らしいソフィアから突き飛ばされる様に追い出された
本当すみません
拭き方か・・・
正直考えたこともなかったな・・・
男には分からないところである
あ
流し方を教えるを忘れた
終わったらで良いか
なるべく見ない様に気を付けよう
女の子だしね
ウォシュレットあるけどテンプレ通り触って
ウォシュレットの良さにハマるなんてイベントを発生させたりは
しないよね?
ソフィアさん?
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