♯25.5 村人Aとして朝活とお出かけの準備を

俺の胸に顔を埋めていたブリュンヒルデの寝息が止まった


起きたのだろう・・・が動かない


状況整理中といった所か


起きて叫びながら俺を叩くといったテンプレリアクションは勘弁願いたいものだが


ソフィアもブリュンヒルデが起きた事に気付いたらしく


シーツを捲って、びゅるんヒルデに声を掛けるとびくっと反応し、ソフィアとやり合っている


よし、どうやら俺には矛先は向かない様だ


ブリュンヒルデの頭をポンポンと叩き、起床する


「ブリュンヒルデ、おはよう」


挨拶をするとブリュンヒルデも返してくれる


「お、おはよう」


ソフィアが3人分飲み物を用意し、持って来てくれた


ありがとう


3日目にして、我が物顔だな


俺もそう、気にする方ではないので良いが


これが、男だったらきっと勝手に冷蔵庫の中を漁るのを良しとしないだろう


おっさんもね・・・男なんですよ


可愛い子には弱いですよね


おっさんチョロいんです




二人をそのまま洗面所へ連れて行く


二人の方にそれぞれタオルを掛け、洗顔と歯磨きを教える


洗顔の手本を二人に見せる


洗顔フォームはメンズ用だが許して欲しい


必要であれば彼女達用のも購入しよう


手で泡立てて、顔の隅々まで洗う


それを見ていたソフィアとブリュンヒルデも続く


「ふぅーーー」


二人とも気持ちよさそうだ



続いて歯磨きだ・・・


これは子供に教える時も結構大変だった


歯磨き粉の刺激が苦手でね・・・


二人はどうだろうだろうか


昨日ドラッグストアで二人の歯ブラシは購入していたのでそれぞれ色違いを渡す


好みぞ分かるはずもないので、ブラシの硬さは「ふつう」だ


歯磨きを付け歯を磨いてみせ、口の漱ぎまでしてみせる


歯磨き粉を飲み込んでしまっては大変だ


お手本は見せたので、二人の歯ブラシに歯磨きを乗せる


ソフィアが歯を磨き始めると





「おぇぇぇぇぇぇぇぇ」





やはり初めてだとそうなってしまうのか・・・


それを見ていたブリュンヒルデも心配そうに声を掛ける


涙目になりながらもソフィアは歯磨きを続ける


おおう、無理しなくても良いからね?


ブリュンヒルデも不安そうだったが、意を決して口に歯ブラシを突っ込んだ




「おぇぇぇぇぇぇぇぇ」




ぐふぅっ



ブリュンヒルデお前もか


この刺激に関しては本当に慣れだよなぁ


しかし、二人ともしばらくすると慣れた様でしゃこしゃこ歯を磨いている


ぎこちなさが微笑ましいわ


可愛いな!こいつら!


購入したそれぞれ専用のコップに水を入れて渡す


最後に口を漱いで完了だ


お疲れ様です




朝食にしようか


朝食の後に歯を磨くというのが割と当たり前だったが


昔、どこぞの番組で歯科医が言っていた


寝ている最中は自浄作用のある唾液の分泌量が減ってしまう為、朝起きたときの口の中は寝いている間に増えた最近でいっぱいなのだと・・・


その状態で飲食をすると細菌を体内に入れてしまう事になり、通常であれば問題ないが、体調を崩している時は、誤嚥性肺炎を引き起こす原因にもなるとか


そんなこんなで俺は、朝一は歯磨き、朝食後はマウスウォッシュという流れにしている



朝食は昨日大量に購入した菓子パンの残りだ


好きな物選んで食べなさい



ブリュンヒルデが飲み物を準備をしてくれるらしい


ありがとう


ソフィアにはオレンジジュースを・・・炭酸はお気に入りらしい


『サクラ?』


俺の準備もしてくれるらしいが、コーヒーにしようと思っていたので断る


電気ケトルで沸かしたお湯をインスタントコーヒーに注ぐ


真っ黒な液体に怪訝そうな顔をするブリュンヒルデに奨めてみる


香りはお気に召した様だ


そのまま一口


くぴっ


っ!


ものすごく不味そうなリアクションいただきました


分かりやすい


この苦みは苦手な人もいるだろう


カフェオレにしてみようか


砂糖とミルクを投入する


砂糖を入れる時に怪訝な顔をしていたので、少し舐めさせて安心させた


カフェオレ、ミルク少な目だけれど十分じゃなかろうか


どうぞ


くぴっ


!!


今度のリアクションは良さげだ


そのまま飲む?


飲むらしいので、もう一杯コーヒーを煎れた


3人で色々話をしながら朝食を食べた


「おいしい」


「たべる」


「のむ」


簡単なんな形容詞、動詞も少しだが伝わったようだ


動詞の伝え方は難しいね


ごちそうさまでした


食後マウスウォッシュを二人にやってもらったが最初にやったソフィア洗面所の鏡にマウスウォッシュをぶちまけた


ブリュンヒルデも辛そうだった


刺激強いもんね






ソフィアとブリュンヒルデは言語学習を開始した


今のうちに朝風呂入ってしまおう







風呂を上がると二人ともまだ勉強をしていた


二人とも真面目だなー


髪を乾かそうとドライヤーを準備すると、ブリュンヒルデがドライヤーを俺から取り上げた


ソファーの前に座れというので、言われるがまま座る


どうやらブリュンヒルデが髪を乾かしてくれるらしい


おおう、髪を乾かす事はあっても、やってもらう事は少なかったから新鮮である


おっさんガラにもなく照れちゃうわ


あーーーーーーー


気持ち良し!





髪を乾かし終えたので、出かける旨を二人に伝える


「でかける、しんじゅく」


俺は、デニムにTシャツ、上からシャツを羽織る


後は、時計・・・と


二人にも着替えを準備する


新宿行くのに、甚兵衛とジャージという訳には行かないだろう


ソフィアにはハーフパンツ、ブリュンヒルデには元カノの七分丈のズボン


なんでそんな物があるかって?


衣装ケースに入れっぱなしなんですよ


おっさんは別れた後に持ち物整理する気力がないのよね


大体、次の彼女が見つけて「これ、誰の!?」とか言って捨てるパターンなのだ


あとはTシャツとソフィアには半袖のシャツ、ブリュンヒルデには七分丈のシャツを渡す


メンズだから多少大きいが、今日一日だけなので良いだろう


正面は閉じなくても・・・いや、二人ともブラしてないので乳首が浮いてしまうな・・・


閉じて貰おう


二人のボタンを掛ける



あとはその耳を隠す為の帽子だな



帽子を渡そうとすると、ブリュンヒルデが少し考えた後、手をソフォアと自分の耳の辺りに当てて何やら呟いた


うっすら光ると二人の耳がエルフ耳から、俺達人間の耳へと変化した


魔法だろうか?


便利な魔法もあるものだ・・・


驚いていると、ブリュンヒルデが俺の手を取って耳に触らせてくれた


!?


何もない空間だが感触がある・・・耳か


耳を変形させたのではく、そう見せているだけ・・・幻術というやつなのだろう


おおぉぉ


なんとも不思議な感覚だ


こういった特殊な体験が出来るのも異世界物の特権だな


これであれば帽子は不要だな



ソフィアの髪をブリュンヒルデがシュシュで止めていたが、納得のいかない顔をしている


ゴムの力が弱いのだろう


昨日それは感じていたので、おっさん昨日ドラッグストアでゴム買っておきましたよ


ソフィアの髪を纏めてゴムで止めてみせる


ひとまず二重で


ブリュンヒルデにもゴムを渡す


彼女達の世界にゴムはないらしい


伸縮するその物体を不思議壮に伸び縮みさせていた


黒ゴムで止めた後、シュシュを付ける


うむ、似合うね



ブリュンヒルデがゴムを渡して来たので、そのまま彼女の左手首に付けておいた


何か使う事もあるかもしれないしね


準備も大丈夫だな


しかし、二人とも化粧せずともかなり綺麗だな・・・


すっぴんでこれは改めて凄いと思う




良い時間になったので、そろそろ出かけるとしよう


電車、人込み、摩天楼とイベント盛り沢山の新宿へ

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