たまには夫同士で会話を…… 5
いやーアルコール取りすぎると、放水活動が活発になるねぇ〜。
まぁつまり、俺様トイレな訳だけど、やっぱビールの苦みと喉を通り抜ける時のあの感覚、そして酔っぱらった時のクラクラする感じ、これがあるから止められないって言うかねぇ……って、ん? 俺ちゃんのバイブが鳴ってるよ~!?
そして俺様は、震える物体を右手で取り出し。
「もしもし、こちら消防隊! ただいま左手でホースを握って陶器を綺麗に清掃中、どうぞ〜」
震える物体こと、スマートフォンを耳に当てて通信連絡〜。
そのお相手は勿論!
「シン、大バカ」
俺様の奥さん、氷菓の姐さんから!
いやー嬉しいね~、いつも以上にローテンションだから呆れてる感じ、いやーお褒めに預かり光栄だねぇ!
まぁでも嬉しいよ~、だって遂にコータローも酒による眠気に襲われて寝ちゃったんだから。
「ところでハニー、一体何の用事よ? お、もしかして俺様のセクシーな胸板が恋しくなったの……?」
「シン……、死にたい?」
「おっと、ヤンデレになるほど愛しているなんて俺様感激〜! 仕方ねぇなぁこりゃ! 姐さんのその、吹雪の様に凍えちゃうアイスハートを俺のホットな魂いっぱい、汗臭さ、そして酒臭さいっぱいの胸板で抱きしめてやるぜ!」
「シン、後で、殺す……!」
おっと物騒な告白、ハートも体もドキドキしちゃうフラグ!?
まぁそろそろ良いか……。
「……って冗談はここまでにしちゃって、コータローとモミジが寝てしまってな。 悪いけど、俺様達を車で迎えに来てくんない?」
「……分かった」
そしてガチャリと切れる電話、後で感謝のしるしとして、俺様の胸板で抱きしめてホールドミーをしてやるか!
さてと俺様スマホを懐に直したところで、手を洗い〜、ま、とりあえずあの2人を見守り隊でもしちゃったりして、待ってるかな〜。
…………。
さて、それから30分くらい一人楽しくおビールさんと仲良くしていた時。
「…………」
「あら? 姐さんもう来たの? 早いじゃない〜」
スッと扉が空いたと思うと姐さんのお姿が、いやー相変わらず無表情な顔つきが雪女の様な冷たさを感じさせ、そして胸元の低さが心の冷たさを更に引き立たせて、いやー見事と言う他ないアイアンクローが顔面に!?
「いだだだだだだだだ! 顔面の皮が一か所にまとまっちゃうから! は、離して、姐さん!」
「私、言った……、後で、殺すと……」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
そ、そういえばそんな事言ってたなぁ……。
で、でも暴力は良くない、だって……。
「あ、姐さん! いいのか、暴力を振るって!? このままだと姐さんは未来からやって来た殺人アンドロイド説が浮上してしまって、ぎにゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
って俺が悲鳴を上げちゃうことになるんだから!
そしてしばらく和室の前にて、俺の悲鳴オーケストラが開催される事となった。
…………。
さて、やっとの事で悲鳴のオーケストラ合唱は終わったわけだが。
「お、俺様死ぬって、これ以上暴力振るわれたら! まぁそれより見てみなよこの顔、化け物と闘った感がプンプン漂ってカッコいいでしょ?」
「…………」
このドクター氷菓の手術によってついたこの手形、やんちゃしてたイケメン設定として良いんじゃない〜とポジる俺ちゃん。
まぁそれよりも、いい加減言っとかなきゃな……。
「ありがとちゃん、氷菓の姐さん。 いつも悪ぃ……」
俺様はそう言って、姐さんの頬にキスをする。
やっぱ、マジモードでこれを言わなきゃな、俺様お願いしたんだからよ、言わなきゃダメだろ。
そしたら姐さん、少し頬を染めながら。
「構わない、許す……」
だって可愛らしいとこを見せてくれた。
なんつーか、俺様はこの人がたまに見せる小さな表情の変化にやられて告白した口で、その、たまーにこういう姿を見せられると、胸がドキッとしてしまう。
あぁダメだな俺様は、この人にマジモードでは照れくさくて、言葉がなかなか湧いてこない。
だから俺様はマジモードを解いて、いつもの俺ちゃんらしく愉快痛快なトークで話すことにした。
「マジ!? ならさ、俺ちゃんがさ、キャバクラのお姉ちゃんに『オッパイ揉ませてよ~』って言って揉ませてもらったりとか、膝枕させてもらったりしたことも許して……ぎゃ!」
「煩悩、撲滅……」
「こ、股間を蹴ったらダメだって……」
俺ちゃんは股間を押さえて膝をついたのであった。
……あ、ダメだって! 俺様の愉快な遺伝子製造機に更なる蹴りなんて……!? ぎゃ!
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