結婚した幼馴染はいつまでも猫みたいです B
「「メリークリスマス!」」
12月24日、クリスマス。
僕は今家の中で、夫婦向かい合ってテーブルを囲み、二人で初めてのクリスマスを楽しく過ごしている。
そんな僕は、コータローを驚かせようと、セクシーなサンタクロースの格好をしている! ちょっと外には出たくないけど……。
そして机の上には、コータロー手作りの料理や買ってきたケーキが並び、壁にはクリスマスらしいイルミネーションが飾られている。
イルミネーションに関しては僕が全て飾った、と言うのもコータローが。
「すまん……、クリスマスのイルミネーションを飾ってくれないか?」
とお願いしたので、まぁ天才の僕がコータローの為に行った訳だ!
そう、天才の僕が!
そんな天才的なイルミネーションが雰囲気を良くする中、遂に僕が楽しみにしていた時間が訪れる。
それはクリスマスプレゼントを渡す時間!
コータローは椅子を引くと、机の下から細長い箱を取り出して。
「メリークリスマス、アカネ。 これは俺からのプレゼントだ」
僕に手渡してくる。
ふふふ、きっとコータローが僕を思って選んでくれたであろうクリスマスプレゼント!
僕はワクワクしながら箱を開ける、すると。
「こ、これは!?」
箱の中から綺麗な宝石が付いた綺麗なネックレスが入っていた!
「その……考えた末に、似合うかな?と思ってだな……。 気に入らなかったらすまない……」
そして申し訳なさそうにそう言ったコータローを見て、僕はふと笑みがこぼれた。
だって気に入らなかったらすまない……って父さんも言っていたし、ネックレスのプレゼントも同じ、なんだか父さんを思い起こさせるようだったから。
でもそれと同時に僕はとっても嬉しかった。
だって、わざわざアカネ色の宝石のネックレスを買ってきてくれていたのだから……。
そして。
「ありがとうコータロー、僕の為にこんな素敵なモノを……僕はとっても嬉しいよ!」
「喜んでもらえて光栄だ!」
「ふふ、ならば次は僕の番だね……」
コータローへ笑顔でお礼を言い、次は僕がプレゼントを渡す番。
僕は席を立ち、そしてコータローの膝にまたがる。
そう、僕のプレゼント、それは!
「ふふふ、メリークリスマス、コータロー……。 君へのプレゼントはこの僕さ……。 この可愛いアカネサンタの魅力に惑うがいいさ……」
この僕!
……その、決して僕は、コータローのプレゼントが楽しみで、自分のプレゼントを用意するのを忘れていたとか、そんな事は無い。
勿論、それを誤魔化すために、急いでサンタのコスチュームを買いに行ったとか、そこでモミジと喧嘩したとか、そんな事は無い!
そんな事はないんだ!
「……お前、目が泳いでいるぞ……」
「ふにゃ!? な、な、な、何の事だい!?」
「もしや、忘れていたとか、そう言う訳は……」
「そ、そんな訳ないじゃないか!? き、き、き、君は鈍いのだから、きっと勘違いさ!?」
「分かった分かった、そういう事にしておこう!」
「な! ぼ、僕を疑っているな!?」
「ウタガッテナイ、ウタガッテナイゾー」
「ぼ、棒読みじゃないか、コータロー!?」
まったく、せっかくのクリスマスだと言うのに、コータローったら失礼な奴だな!
まぁでも……。
「でも、君の目の前にプレゼントがあるのはホントなんだ」
コータローの目の前にサプライズなプレゼントがあるのはホントなんだ。
それは……。
「一体なんだ?」
「それは、僕と君の愛によって生まれた新たな命さ、コータローパパ……」
そしてコータローの唇にキスをする。
僕のお腹の赤子に、僕らの愛を感じさせる為に……。
結婚した幼馴染は何年たっても猫みたいです 赤城クロ @yoruno_saraku
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