女子ゲーム交流会 B

女子ゲーム交流会 3

 「いつも僕の邪魔ばかりして、失礼だと思わないのかい!」

 「何を言ってますの! いつも先に邪魔するのはアナタからですわよ!」

 「何を言うんだい、先に手を出したのは君からだろう!」

 「ですが初めに手を出した回数は、圧倒的にアナタが多いですわよ!」

 「「ふん!」」


 昔からそうだ。

 まったくこの牛乳はいつも僕の邪魔ばかりをする。

 ふふふ、だけど僕に抜かりはないさ、僕は牛乳の下品な乳を罵倒しながらも、火の手を上げて徐々に兵糧を削っているのだから。


 ふふふ、そして僕が攻める時には兵糧が無くマトモに戦えず降伏するだけ。

 後はこの僕、織田アカネによる支配の下、牧場の牛の様な扱いをして、今まで受けてきた苦痛を何十倍にして返してやる……。

 そうすれば涙目になったモミジの顔を……ふふ、ふふふ、ふふふふふ……。


 「あーっはっはっはっはっは!」

 「い、いきなりどうしたのですアカネさん!? わ、私の妨害工作で精神的ダメージが!?」

 「モミジ、違う。 アカネの顔、悪い事考えている顔」


 …………。


 さて、進行を始める前に、まず内政を整え、兵糧をしっかりしておかねばいけないだろう。

 その、やっぱり兵糧がなければ攻めることが出来ないだろうから

 なので僕は早速、内政コマンドを押して……。


 《領内で一揆が多発しています》

 「…………」


 あぁそういえば一揆が多発していたね、うん、一揆が……。

 そして僕は牛乳女の方を睨み。


 「君のせいでうちの領民が一揆ばかりする様になったじゃないか! どうしてくれるんだい!」

 「何を言ってますの!? ワタクシだってアナタの悪行のおかげで領民が逃げてしまっているのですよ! お互い様ですわ!」

 「僕の場合はまだ続いているじゃないか! 君とは違うのさ、君とは!」

 「ワタクシだって農民を呼び戻す手間がかかってしまっているのです! こちらこそ、同じにしないでもらいたいですわ!」

 「「ふん!」」


 そう、苦言をぶつける。

 まったく、人の迷惑を考えるべきなんじゃないかい、本当に!

 まぁ良いさ、こっちはそう言いつつもじっくり攻撃の準備をしてあげるのだから……。

 そして僕はじっくりと内政を整えていく。

 一刻も早く、モミジを攻め滅ぼすため……ふふふふふ……。


 《NPC(今川家)がAKANE(織田家)の領土へ侵攻しています》


 ってこのタイミングで僕を攻めなくても良いじゃないか今川家め〜!


 …………。


 さて、今川が相手となると、モミジを相手している余裕はない。

 まぁそれでも所詮コンピューター、パターン化された相手なんて僕の敵ではない。

 とは言え、モミジに嫌がらせしていたせいで兵に余裕なんて無いし……。

 こうなれば!


 《AKANE 『ここは上杉家を使うモノとして、塩を送るべきなんじゃないのかな? モミジ』》


 ふふふ、上杉家を使っているモミジだ。

 ここは義の心で僕を嫌な顔をしながら助ける姿が見れて……。


 《MOMIZI 『お断りですわ!』》

 「…………」


 その文字を見た時、僕は静かにキーボードへと手をかけ。


 《AKANE 『ケチ!』》


 そうメッセージをストレートに送ってあげた。

 だって、困っている敵を助けるって謙信の心が無いじゃないか!

 酒が好きだからって、それだけでなら僕は認めない、決して認めない!

 だからこそ、僕の右手は思い通りにいかなくて怒りに……オホン! 上杉謙信にふさわしいと言いながら、義がない所に怒りを覚えて、プルプルと握りしめた拳を天に向けて……。


 《MOMIZI 『これだから。 人を罵倒ばかりして……』》


 僕は拳を振り下ろした。

 ええい、全く失礼な事を言ってくれるな!

 そんな失礼な事を言った天罰を受ければいいのに……。


 《HYOKA(島津家)がMOMIZI(上杉家)への外交を敵対にしました》

 「ええ!? わ、ワタクシ、先輩に敵対する事なんてしてないのに!?」


 ふっふっふ、馬鹿だね! 先輩は僕より胸がない、つまり胸が小さい事に振れれば先輩を罵倒する事になるんだ!


 《AKANE 『ふっふっふ、ってこれで確定したね……』》


 そして僕は追い打ちをかける。

 そんな文字をみたモミジが『ぬぐぐ……』と言いたげな顔を浮かべて僕を見ている。

 あぁたまらない! 天敵が悔しそうな表情を浮かべる姿は……。


 《HYOKA(島津家)がAKANE(織田家)への外交を敵対にしました》

 「ふえ!?」


 な、何で僕を敵対にするんだい、先輩!?

 どうして、どうして!?


 《警告、NPC(今川家)がAKANE(織田家)の領土へ侵攻しています》


 うにゃあぁぁぁぁぁ!

 そ、そんな事に構っている暇はない、は、早く今川家をどうにかしなければ!

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