おまけ
休日に幼馴染とデートを! オマケ
これは、コータローがアカネに休みを伝える前の話である。
…………。
「…………」
「コータローさん、今日はえらく集中して仕事してますね」
「あぁ、二日分休みを取る為に一気にやってるんだ」
「な、何でですか!?」
「家族サービスだ」
「へ?」
俺は今、二日分の休みの時間を作る為、黙々と仕事をこなしている。
本来なら、無理せず仕事をやるのが俺のやり方なのだが、ちょっと気になる事がずっと頭から離れない為、無理して頑張っている訳だ。
それは少し前に。
『家族サービスできない夫は、世間の評価も妻からの評価も低くなる』
とテレビで言っていたから。
それについての解説によると。
『そのような事をしない夫は、周りの状況判断能力が低く、協調性が無いと感じられてしまう。 その為、それが評価に影響し、最悪出世に影響してしまう』
『そのような行動が妻に愛していないと誤解させる結果になる』
『そして、それが家庭の崩壊につながる』
との事。
その、少なくとも俺は後輩達への面倒見も良いし、アカネに結構気を使っていると思うが、冷静に考えたら結婚してから一度もアカネと二人で出かけていないので、家族サービスと言える事をしてないなと思ってしまった。
なので、俺は今、必死に仕事を済ませようとしているのだが……。
「な、何でいきなり家族サービスだなんてコータローさんらしくない事を言うんですか!?」
せっかく集中してしたいのに、タツヤの奴が絡んでくる。
全くコイツは……。
まぁ少しくらい相手してやるか……。
「お前、テレビで最近言ってるだろ? 『家族サービスしない夫は……』なんて話」
「あ~アレですね~、巷で話題らしいですね~……って事は、アレですか!? 奥さんの為に!?」
「違う! 決して違うぞ! 俺はだな、その、世間の評価を気にしてだな、それだけなんだ! 決してアカネの為ではないぞ!」
「わ、分かりましたって……ってそう言えば家族サービスって言えることモミジさんにした事がないじゃないか!? よーし、こっちも仕事を頑張って休みを作るぞぉぉぉぉぉぉぉ!」
「…………」
タツヤはやる気全開になって去っていった。
しかしアイツ、何だかんだでモミジの奴とラブラブだよな……。
あれが普通の夫婦なのだろうか……うーむ……。
まぁそんな事を考えている暇があれば手を動かした方がマシだな。
アカネの奴、そう言えば肉じゃがの味付けをさせた時、言い過ぎたと思って我を殺して甘やかしてやったら『抱きしめてほしい』と言うニュアンスで甘えてきたからなぁ……。
うーむ、今回も甘やかすか?
……あぁぁぁぁ無理だ! あぁもう当日になって考えればいい! とにかく今はこれを済ませることが先だ!
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