休日に幼馴染とデートを! 6
「あ~僕はお腹いっぱいだよ~!」
「お前、よく食べたな……」
「ふっふっふ、僕の脳は膨大なエネルギーを使うからね、当然の事さ!」
いや俺は一度、酒に酔ってダウンしたのによく食べれるなって意味で行ったんだが……。
まぁ良い、コイツが嬉しそうな顔をしているのだから。
そして俺は食器を片付け、洗い場へと運び、手早く食器と鍋を洗う。
「…………」
ザーッと水が流れる音が俺の目の前から聞こえる中、ふとアカネを見るとちょこんと床に座って俺を静かに眺めている。
その顔はどこか満足げな表情、どうも気になる……。
「お前、何かいい事でもあったのか?」
「ふにゃ!? な、なにもない、何もないさ!?」
「目が泳いでいるぞ、お前……」
「そ、その……アレだ! 美女は謎めいている程、何とかと言う……」
「お前、それで誤魔化せていると思っているのか?」
「…………」
そして、目を泳がせながらも口を閉ざすアカネ。
まぁ良いか……。
「言いたくないなら、良いぞ別に。 ただお前が満足げな顔をしているから気になっただけなんだ」
「あ、あはは……。 ま、まぁ気にしないでくれたまえ、僕の秘密なんだ!」
何か、気になるが……まぁこれ以上追求すれば嫌がるだろうからな、そっとしておこう。
しかしながら、コイツがいるだけで家が明るくなった気がする。
結婚する前だったら、ただ仕事し、家に帰り、家事をして寝る。
そして起きて、また仕事へ向かう、そんなつまらないループを繰り返すだけ。
休日、家にいても何もないため、結局仕事に依存してしまう、前の俺はきっと生きがいも無くただ働く人形だったのかもしれない。
だがアカネが来てから、コイツの事を考える様になった。
家に帰って、コイツに構いながら二人分の家事をし、一緒のベットで共に眠る。
そして休日は、コイツの為になるべく時間を使い、今日の様にデートをしたりする訳だ。
勿論、肉体的な負担は大きいだろう、家に大きな子供がいるようなものなのだから、だが……。
だがその分、俺の心の疲れを取って貰っている、それだけで十分なのだ。
確かに何を考えているか分からないところも多い、だがコイツは少なくとも俺を大切に思っているのだと思う。
弁当を作ろうとした時だってそうだった。
風邪がうつったときもそうだった。
コイツはそんな時、何だかんだ俺を思いやる様な行動をとってきた。
だからこそ、俺はコイツを大切にする、心から信じている。
信じているが……。
「お前な、何で俺の顔を間近で見るんだ?」
「だって僕をジーっと微笑ましそうな顔で見ていたじゃないか、だから気になって……」
「な、何でもないぞ!?」
「君、目が泳いでいるんだが……?」
「…………」
そんな言葉、口に出せる訳が無いだろう恥ずかしい!
ま、全くコイツは……。
「おや、顔が赤いがどうしたんだい?」
「う、うるせぇ!」
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