女子ゲーム交流会
女子ゲーム交流会 A
女子ゲーム交流会 1
「ゲーム、やる。 来るべき」
突如、ワタクシ達の愛の巣にやってきた氷菓先輩の言葉に、ワタクシの答えは『行きますわ』しか無かった。
そしてワタクシは、先輩の車で先輩のご自宅へお邪魔する事になりましたが、非常にワクワクしております。
だって……。
「ふふふ、ワタクシゲーム下手だから、間違って仲間を攻撃してしまうかもしれないですわ~」
「はっはっは、僕は天才だからな。 仲間は攻撃しないさ、なかまにはね……」
「ええ、なかまどうし、楽しく遊びましょう、アカネさん?」
「あぁなかまどうし、協力して遊びましょう?」
このニコニコ笑顔で失礼な事を言う心の狭い僕っ子に、ワタクシ自らの手で敗北経験を増やしてあげるチャンスなのだから……。
それに今回やるゲームはワタクシの得意な戦略ゲーム。
ふふ、負ける気はありませんわよ、戦略ゲーム……。
…………。
さて、ワタクシから今回遊ぶPCゲーム《エイジオブ戦国》の簡単な説明を。
このゲームは戦国大名になり。
・天下統一する。
・神器と呼ばれる8つの武器を集める。
このいずれかを達成すれば勝ちと言うルールなのですわ!
勿論兵科も様々で。
・コストが最も安い歩兵。
・平地では、移動速度が高く、攻撃力も持つ騎兵。
・弓を使い遠距離から攻撃する弓兵。
・最もコストが重いが、高い機動力を持つ鉄砲兵の騎馬鉄砲兵。
など様々!
ええ、他にも色々な要素があって、実に大変面白い戦略ゲーム……。
……えぇ分かってますわ、こんな男性が好きそうなゲームを熱く語るのはちょっと変かもしれないですわって……。
ま、まぁそこは、人それぞれの個性って事で……。
しかし、氷菓先輩の家には何でこんなにノートパソコンがあるのかしら?
うーん、セクハラ男の仕事道具?
…………。
さて、説明はここまでにしまして、ワタクシたち3人は早速、同盟を組んだ状態から1551年のシナリオからゲームを始めることにしたのです。
したのですが……。
「僕が上杉謙信でプレイするんだ! 絶対上杉謙信は譲らない!」
「ワタクシこそが上杉謙信にふさわしいですわ! 絶対上杉謙信を譲ることはできませんわ!」
「何を言うんだい、僕こそ上杉謙信にふさわしいんだ!」
「ワタクシの方がふさわしいですわ!」
まったく心の狭いアカネさんはワタクシに上杉謙信を譲ろうと言う気持ちが無いようですわ、もう!
勿論、ワタクシが上杉謙信にふさわしいと言う理由はいくつかありますが、その最もたる理由として。
ワタクシ、お酒超大好きですから! えへん!
と言うのも、上杉謙信はお酒が大好きだったと聞いたことがありますし、ワタクシ、そこに共通点を見出していまして……。
ま、まぁ大好きなタツヤが『妊娠しているのだから、少しは体を気遣って下さい!』って言うからその、ワタクシお酒を抑えているのですけど、この前の焼き肉の時、ホルモンをツマミにもっと飲みたかったなぁ……。
お酒、飲みたいなぁ……。
……っとそんな気持ちが通じたのか、氷菓先輩が。
「モミジ、妊娠している。 つまり、優先すべき。 なので、モミジ、上杉」
とワタクシが上杉家で戦う事を認めて下さったのです!
あぁ、氷菓先輩、ワタクシに上杉家を使う事を認めて下さってとても嬉しいですわ!
あ、その前に。
「残念ですわね~、上杉家を使えなくて! あ、代わりに織田家を使っては如何ですか? 戦国時代の有名人、織田信長が使えますわ。 そして本能寺を体験できますわよ?」
「はっはっは、僕は織田家でも問題ないさ! それより君は後継者を明言しないから混乱が起きるんじゃないかい?」
「ふふふ……。 ワタクシ、上杉家を使えなかったアナタに今、何と言われようが、負け犬の遠吠えって事で気にもなりませんわ!」
「むぐ……」
せっかくだし、上杉家を使う権利の戦いに勝利した余裕をアカネさんにぶつけてあげましょう。
あぁ、何を言われようが、勝利からのスタートはとても気持ちいいですわ~!
それに、この反論すら出ないアカネさんの悔しそうな表所!
これは最高のゲームスタートを……。
「やっぱり、全員ランダム、スタート」
へ……!? そ、そんなぁ……。
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