プレイヤーキャラクター紹介

  HOの配布から数週間。PCの作成とチェック。日程のすり合わせといった準備期間を経て、ついにセッション当日へと至った。


GM:それではキャンペーン・ゾーン。その記念すべき1話、始めようか。

まずはPC1からキャラクター紹介をお願いしよう。

くるみ:では――。



▼PC1:舟殳一人ふなまたかずと(通称イワン)/男性/20代前半

 「――私で良ければ、力になりましょう」

コードネーム:名も無い守護者

ブリード:ピュア

シンドローム:ノイマン

Dロイス:起源種オリジナルレネゲイド

ワークス / カヴァー:工作員 / 会社員

覚醒/衝動:命令/自傷

能力値:【肉体】1 / 【感覚】1 /【精神】6 / 【社会】2

主な取得エフェクト:《常勝の天才》《戦術》《ファンアウト》《生き字引》など

容姿:身長167cm。中性的な男性。暗褐色の髪の毛。優しそうな色を湛えた煉瓦れんが色の虹彩こうさい

備考:貿易会社の社員。考古学推教授の父を持つ。父はレネゲイド拡散の発端となった中東某国遺跡の第二次調査に参加しており、そこで起源種に感染。それが一人かずとにも受け継がれた。しかし、父はジャーム化して殺処分され、以降はUGNの人道的支援を受けて育った。UGNのエージェントにはならず、貿易会社に就職して世界中でUGNイリーガルとして活動してる。



イワン:ノビンスク市に突如現れた謎の日本人。それが私です。

 戦闘能力皆無、銃の腕もまるで無い、剣術なんて崇高なものには通じてないし、特殊能力などはあるはずもない。

 しかし、あらゆる情報を瞬時に拾い上げ、戦闘時に於いては優秀な参謀になります。これまでもUGNイリーガルとして各地にふらりと現れて味方しては勝利をもたらしています。

GM:エフェクトはすべて支援用のみ。しかし、起源種で簡単にレベルが上がるから強力だね。他に何か説明事項は?

イワン:アイテムは思い出の一品と拳銃を常備化しています。一輪の青い造花と、ワルサーP99です。

 それから、ロシアではコードネームをちょっと意訳してイワンという通称を名乗ろうかと。日本で言えば、名無しの権兵衛。

GM:了解。続けてPC2の紹介をお願いしよう。

misto:では失礼して……。



▼PC2:マリアンナ・アレクサンド=ライト/女性/23歳

 「うるさいわね。黙ってないと硝子ガラスにしてドブに沈めるわよ?」

コードネーム:硝子魔女ダブレット

ブリード:ピュア

シンドローム:モルフェウス

Dロイス:強化兵バーサーカー

ワークス / カヴァー: FHエージェントC/ UGNエージェント

覚醒/衝動:命令/殺戮

能力値:【肉体】2 /【感覚】4 /【精神】3/ 【社会】2

主な取得エフェクト:《砂の刃》《クリスタライズ》《コンセントレイト:モルフェウス》《黄金錬成》など

容姿:身長159cm。透き通るような銀髪。ツリ目がちで他者に威圧感を与える琥珀色アンバーの眼。鋭い硝子片のような冷たく剣呑けんのんな雰囲気。

備考:元FHエージェント。現在はUGNノビンスク支部所属。賢者の石レネゲイドクリスタルの人工的創造を目指したジェムストーン計画の被験者――ただし、計画は失敗――で、特殊なモルフェウス能力を持つ。FHからUGNへと鞍替えした理由は不明。

 口が悪く、協調性は皆無。フォーメーションを組まずに単独行動することが多い問題児。



マリアンナ:マリアンナ・アレクサンド=ライト。元ファルスハーツ――いわゆる裏切り者ダブルクロスって奴よ。ま、他のやつが私の事をどう言おうが、どうでもいいけどね。私は私のやりたいようにやるだけ。

 一応、命令は聞いてあげるけど――喉元に喰らいつかれたくなかったら、あんまり調子に乗らないことね。綺麗な硝子の変死体として発見されたくないでしょう?

GM:凄くFHっぽい。データ面では……やはりあれが目玉だね。

マリアンナ:『真理の花』ね。


 『真理の花』は、FHアイテム――FHの関係者しか常備化できないアイテムだ。これを用いた攻撃には、ダブルクロスでは非常に珍しい武器破壊効果が付与される。

 ただし――その常備化ポイントは非常に高く、普通はとてもPCが持てるものではない。彼女はこの問題を、常備化ポイントを増やすエフェクト《黄金錬成》やユニークアイテムによって乗り切っている。


マリアンナ:『真理の花』は形のある物品ではなく、私の能力の演出として扱うわ。

GM:硝子を操る能力ですね。

マリアンナ:そう。私はレネゲイドウイルスを操り、物質や大気を変換して硝子やクリスタルを創造できる。これを攻撃に転用すれば、相手や武器を侵蝕していって、やがて綺麗な硝子の人形の完成、と。

GM:エグい……。

マリアンナ:ただ、この能力は幼少期に行われた改造実験の産物で、同時に失敗作の烙印らくいんでもある。だから私自身はあまり快く思っていないわ。コードネームで呼ばれるのも嫌い。

GM:設定にも書かれているね。ジェムストーン計画――賢者の石レネゲイドクリスタルを人工的に創造しようと試みた計画か。

マリアンナ:でも計画はほぼ何の成果もなく頓挫とんざ。所属していたセルにも見捨てられ……まあ、色々あったわ。

GM:……(秘密を知る立場として何も言えない)。

マリアンナ:……と、まあ、この通り口は悪いわ。けど、根っこから悪い性格じゃないから……どうかこの天邪鬼あまのじゃく娘を見捨てないでやってください。

GM:切実だ……。


 FHキャラクターは、基本的に悪役であり、性格も悪い者が多い。

 だが、PLが演じるFHのPCの場合は、口では悪く言いつつも、ゲーム的には協調していきたいと思っていることが殆どである。これはマリアンナも同様であり、読者の皆さんも、どうかそのことをご承知願いたい。


GM:では、PC3紹介どうぞ。

さかな:はーい。ちょっと待ってね。



▼PC3:武蔵美裂たけくらみさき/女性/28歳

 「北の大地でなんだかんだと支部長やってます!」

コードネーム:懐刀乱魔

ブリード:クロス

シンドローム:モルフェウス/ハヌマーン

Dロイス:錬金術師アルケミスト

ワークス/ カヴァー:UGN支部長A / UGNノビンスク支部長

覚醒/衝動:探求/闘争

能力値:【肉体】6/ 【感覚】3/【精神】1/ 【社会】2

主な取得エフェクト:《インフィニティウェポン》《一閃》《咎人の剣》《コンセントレイト:モルフェウス》など

容姿:身長166cm。後ろに纏めて黒の髪留めでアップした薄い桃色がかった髪。穏やかな藤色の目。人当たりの良さそうな笑顔。

備考:刀鍛冶職人の娘。だが本人はかっこいからという理由で古流剣術道場の師範である祖父から剣を学び、ついには師範代へと至った。この力で誰かの助けにりたいとUGN入りするが、気づけば完全に青春を費やしてしまい、色々と崖っぷち。



美裂:どもー。武蔵美裂と言います。実家は古くから続く剣術道術で、私もお爺ちゃんから教えてもらっていたんだけど……。

GM:けど……?

美裂:お爺ちゃんは厳しい人だから、徹底的に仕込まれたの。おかげで確かに強くなったけど――青春がおじゃん!

GM:PC2にくらべて何という落差よ。ええと、設定ではレーラにスカウトされてノビンスク支部まで流れ着いた新任の支部長ということだったけど。

美裂:うちの剣術道場は、どちらかと言えば精神的・求道的な側面が強くてね。私自身も、困ってる人や悪いやつは看過できない性格になったんだ。遥々はるばるロシアのノビンスクに来たのも、そんな性格だからね。ただ……。

GM:?

美裂:仕事ばっかで結婚はどうなっちゃうのかなって感じ……。

GM:しかし、こんな性格だけど、攻撃力の固定値は随一という。さて、最後にPC4の紹介に移ろうか。

イズミユキ:はい、では失礼して……。



▼PC4:アンゲリーナ・ラストヴォロフ/女性/18歳

 「この難題の解決こそ、名探偵の使命だわ」

コードネーム:探求者イスカーチェリ

ブリード:クロス

シンドローム:ハヌマーン/ノイマン

Dロイス:秘密兵器トイボックス

ワークス / カヴァー:探偵 / 探偵

覚醒/衝動:命令/妄想

能力値:【肉体】1/ 【感覚】1/【精神】5/ 【社会】2

主な取得エフェクト:《コントロールソート》《音速攻撃》《マシラのごとく》《コンセントレイト:ハヌマーン》など

容姿:身長159cm。灰色がかった銀髪。夏の晴天のような碧眼へきがん。あどけなさを残す顔立ちと好奇心旺盛な所作。

備考:私立探偵。数々の事件を、少年探偵団と共に解決してきた凄腕……を自称している。一向に収束しないノビンスクの事件や進出してきた軍の干渉に業を煮やし、およそ三週間前にUGNノビンスク支部に合流してきた。



アンゲリーナ:アンゲリーナ・ラストヴォロフ。18歳。ノビンスクで私立探偵をやっていたわ。でも、RZのせいで、それどころじゃなくなってね……。しかもオーヴァードだからってだけで進出してきた軍隊にも目をつけられる始末。このままじゃ色々と困るから、UGNにイリーガルとして合流を申し出たの。


 ノビンスクでは、UGNと軍――この場合は、ロシア連邦軍と国家親衛軍――が共同で封鎖網を敷いている。通常、UGNが現地の軍事組織とこのような形で直接協力するのは珍しいことだ。

 ステージの設定上、これには理由がある。ダブルクロスの世界観では、UGNは親米的組織とみなされ、ロシアでの活動が制限されているのだ。今回のステージでは、UGNと軍隊は協力関係にあると同時に、互いを警戒・監視する立場なのである。

 そんな状況下なので、オーヴァードのアンゲリーナは中立ではいられず、旗色を明確にしなければならなかったのだろう。


アンゲリーナ:ただし、私は探偵。疑うことが使命の生き物。もしかしたら“色々と”質問するかもしれないけど、その時はよろしく。

GM:元FHのキャラや謎のPC1もいるセッション。探偵である彼女のRPが楽しみだね。他に特筆すべき点はあるかな?

アンゲリーナ:戦闘スタイルはハヌマーン/ノイマンのオーソドックスな射撃型といったところかしら。特筆する点はぶっちゃけないわね。ただ……。

GM:ただ?

アンゲリーナ:『マスターズコネクション』で1回だけ、どんな判定でも成功させることができるわ。私、クールな名探偵だからね!

イワン:トリックスターといった感じでしょうか……。

マリアンナ:みんな個性の塊ね。

アンゲリーナ:よろしくね!


GM:全員の紹介も終わったし、それではいよいよセッション本編に移ろうか。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る