2.食

 食も、最重要項目というわけではありませんが、その土地に住む人々のアイデンティティを示すものとなるので、設定を作っても損はありません。

 食文化を作成するには、まず最初にその土地で耕作可能な作物を知る必要がありますね。乾燥地帯であればイモ類やトウモロコシ、森であればネギや根菜、果実なども食料となるでしょう。また、可食肉をもつ動物も作ってあげましょう。タンパク質やアミノ酸、ビタミンといった栄養素の豊富な昆虫も健康面で摂取しておきたいところです。



 〈食文化〉

 本格的な食文化(フランスの美食文化など)を形成するとなると、それは重労働ですので、ある程度構想が立ったら地域別に料理の特徴を作ってみるのもありです。

 例えば、下味をとっても、日本はダシを使って味に層を出していきますが、インドではスパイスを使いまくって味を調えるといった違いがありますね。

 現実にある料理でも良いので、そのうちのいくつかファンタジー世界に入れ込んであげると、世界が活気づくのを実感できると思います。酒場で仲間と共に、豪快な肉料理を食べたり、野宿中に簡素で、それでいて必須栄養素を含んだ簡易食を食べている姿を描写するときには、なんとも名状しがたい喜びに襲われます。そうはなりませんか? 私だけ?

 それは置いといて。上記の描写に料理名が入っていると、「ここまで作りこんでいるのか!?」と思われることもあるでしょう。コアなハイファンタジーオタクであれば食いつくこと間違いなし!



 〈食と宗教〉

 嗜好品であるコーヒーは、宗教が食文化に影響してできた飲み物です。イスラームは飲酒が禁止されているためにコーヒーをその代替品としてたしなんでいたようで、オスマン帝国やエジプト、インド(インドはイスラームが支配していた時期もありました。デリー・スルタン朝を構成する五つの王朝やムガル帝国などがそれにあたります)では、ヨーロッパよりも先にコーヒー文化が出来上がっています。


 また、神に供える食物、供物を追及していって、そこから独自の食文化が派生していった、というのも設定として考えられます。ちょうど、錬金術が化学を発達させたように。


まとめ:地域別の食文化を作っておけば、物語のアクセントになり、文化全体を形成する助けになる。

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