2.定義

 「骨が折れる作業がある」といいましたが、まさに魔法の定義設定がそれです。早くも大ボスの登場です……。

 魔法の定義付けが大変なのは、規範が少ないために選択事項が多く、自由度が高すぎるためです。例えば皆さんの中で、「テレポーテーション」の魔法がある世界を是とする人と、否とする人と、双方いると思われますが、まさしくこの賛否両論ある点が、自由度が高いということです。それを否とする人は、当然作中で登場させないことで問題は解決しますが、そうしていつまでもどこからどこまでが良くて、悪いのかという線引きをしていくのは愚の骨頂でしょう。

 アイデアは無限に湧き出てきますから、考え付いたときにいちいち是非の判断をするよりも、骨組みを決めておくのが英断です。


 〈構築アイデア①:組合せ〉

  まずいくつかの魔法属性を作ります。ちょうど、ギリシャのエンペドクレスが万物の四元素を作ったように。「火・水・雷・無・闇・光」などです。魔法をこれらの属性の組合せで組み立てていく場合、自分の描写してたい魔法がうまく生まれない場合があります。こういった問題が生じた場合、属性をさらに細分化していくといいでしょう。火ならば「炎・日・熱」など。これを魔元素と命名しておきます。

 といってもやりすぎは禁物です。分類が顕微鏡で見なければ分からないくらい小さくなれば、数もかなり多くなることでしょう。後でもう一度出てきますが、詠唱する場合、属性に名前を付ける必要があるかもしれませんから、分割は適度にするのが良いですね。


 〈構築アイデア②:単一〉

 魔法を不可分とし、単一の魔法ごとに様々な性質を決めていく方法。多くのファンタジーを舞台としたRPGでは、レベルアップや経験をつむことでキャラが魔法を覚えていきますが、それはこの「単一」という考え方に当たります。

 こちらのアイデアならば、必要な魔法が作れないなんてことはありません。が、かわりにひとつひとつの魔法に対して様々な要素を考えなくてはなりません。ですから、魔法を主体としたファンタジー作品を作るのであれば、アイデア①の方を勧めます。



まとめ:魔法を定義づけるには、まず「構築の仕組み」自体を組み立てておくと創作が楽になる。自分に合った構築法を早めに見つけておきたい。

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