2.魔王
ええ。わかっておりますとも。ファンタジーと言えば、勇者と魔王! ここでは魔王という存在を詳しく読みほどいていきましょう。
「役割」
定義付けの意味も込めて、その役割を見ていきましょうか。
魔王と言えば、強大な力を持った血色の悪い顔をした傑物ですよね。どうしてファンタジーRPGではあんなにも世界を征服したいと策をめぐらすのでしょうか。やっぱり人間界の豊かな自然が恋しいのでしょうかね(なら魔王城をもっとファンシーにすればいいのにという反論の言葉は置いておきます)。
魔王とは、魔界における唯一の支配者ですから、その地位に立つには並み居る強敵を葬り去ってからでないといけませんね。となると、戦闘能力が群を抜いて高い者しかなれないように思えます。もしくは、戦闘と戦略、力と頭脳といったコンビを組んだ二人組が共同統治するというのも十分あり得ます。
何度も触れてきた感がありますが、言うまでもなく魔王の役目は魔界の統治です。そしてその仕事が一段落つくと、迷惑なことに人間界へ襲撃してきます。しかしここで再考してみてください。ヴァンパイアや悪魔、ドラゴンや巨人が彷徨う地を、いとも容易く平定できるのでしょうか。無理です。無理難題すぎます。魔族であれば、思考能力があるので条約や講和でもして何とかなだめることが出来そうですが、脳の無いのと等しい巨人やゴブリン、妖精ともなると……。いくら魔王の手を以てしても平和を作り出すのは難しそうです。
これを乗り越えた魔王が、日本のRPGでは人間界に宣戦布告してくるのだと仮定すると、相当恐ろしいことです。人間は確実に滅んでしまう気がするのですが。
「側近」
魔王が頭いいのは確かです。頂点まで上り詰めたのですから、独活の大木ではありませんよね。でも、就任後も独りで政治や反乱の取り締まりを行うのは不可能です。そこで、側近が登場します。
特に法学など、下の者を支配することに長けた人物が好ましいでしょう。また、戦闘の才があれば、有事に助けとなることもあるでしょう。その場合、面従腹背でないことを、魔王は良く見極めなくてはなりません。もっとも有名であろう独裁者のヒトラーは、「有能だが、出世欲のある者」を一番に殺し、「無能で出世欲のある者」を二番目に殺しました。「無能で出世欲のない者」は自分の遠くに置き、「有能で出世欲のない者」を側近とした双です。魔王には、人間性を見る目も備わっていなければ、いずれ謀反を企たれ、地位を失うことでしょう。
「四天王」
ならば、戦力は無いが頭脳明晰な者を傍において、戦力は他に任せれば良いではないか。そんな理由で作られるのは戦闘のプロ、ここでは「四天王」と呼んでおきます。
すこしおバカな猛者とか、品行方正でなく、金がすべての戦士とかが相応しいです。こちらに悪知恵のよく働く人材を配置してしまえば、謀反はより大規模なものとなるでしょう。何せ、魔界きっての実力者が結束して襲ってくるのですから、いくら魔王と言えど……。
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