一章:世界

1.人間界

 ファンタジー世界には、よく魔族が登場しますから、人間が住む土地を区別しておく必要がありますね。それを便宜上、人間界としましょう(もっとも、彼らは当然のことながら自分たちの土地をわざわざ人間界とは呼ばないかもしれません)。


 「定義」

 まず、人間界の定義を決めておく必要があります。大きく分けると二つの選択肢があります。

 一つは、大陸として存在する場合。これは多くの作品で採用されているのではないでしょうか。魔界やほかの世界とは海を隔てることになりますので、余計なことに頭を悩ませる必要はありません。

 二つ目は、独自の空間として存在する場合。しかし、この定義はあまりお勧めできるものではありません。なぜなら、空間を移動する場合(例えば魔界などに赴くといった具合)、空間と空間を隔てている別な空間(亜空間とでも名付けましょう)を作る必要がありますし、亜空間を移動する手段・方法を考えなくてはなりません。こうしていたずらに構築すべき事柄が増えていきます。おそらくファンタジー作品を見ても、この定義が存在しない理由はこうしたところにあるのでしょう。とはいえ、もしもこの方法を採用して細部まで構築していけば、その作品は他作品とは一味も二味も違ったものとなります。

 

 「構築の例」

 人間界を今の私たちの住む地球のような世界にするのであれば、構築は比較的容易です。足りないのは、魔法や怪物の存在くらいですから。でも今回は、もうすこし要素を追加してみましょう。

 人間以外がこの世界に住むとすれば、可能性が高いのはエルフ辺りでしょう。詳しく設定を書くわけではありませんので、あまり深くは掘り下げませんが、他の種族を登場させる場合、やはり彼らのバックグラウンドが必要になります。最も簡単なのは、彼らが自分の大陸からやってきた旅人や研究員という設定でしょう。

 怪獣や魔獣を人間界に登場させるかということも、また大きな分岐点です。もし登場させるとなると、断片的であれ最低限の生態系は構築していく必要があります。それと、人間やエルフへの影響を考慮していくことも大切です。これが恐らく一番の存在意義でしょうから、慎重に。

 その他、例えば魔法や魔族との関わりを設定するべきですが、これらはまた別の章で見ていきましょう。


まとめ:「人間界」の定義を決めておくこと。大陸なのか、世界なのか、等。また、人間以外の種族を追加する場合は人間や環境への影響、また種族間の関係も決めておくこと。

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