3.海

 海がない世界になんて、住みたくありません。美味しいものだって沢山ありますし。というわけで、海を作って、その役割をおさらいしてみましょう。 

 考えれば、陸や土地、大陸といった言葉も、海がなければ成り立たないものです。それだけ生活に浸透しているということでしょう。その陸と陸の間を”つないでいる”のが海なわけです。ということで、文化を隔てているこの海、言い換えれば多文化への道ということになります。


 



 「海という道」

 穏やかな海ほど安全で頼もしい道はありません。馬が使えないこの道は、人力が必要な場合がありますが、風が吹けば帆を使って自動で進んでいくこともできるのです。

 そういった理由があるために、現実の東南アジアでは15世紀にマジャパヒト王国が一帯に覇を唱えました。勢力図を見てもらうとわかるのですが、通常は陸地だけに色が塗られているものの、この王国は海まで勢力が伸びています。これは、もちろんその海域を支配しているということを表していますが、先ほども言ったように、穏やかな海は道となるのです。

 以上の理由から、大海原を手中に収めた彼らは、広大な領土を手に入れたのと等しいわけです。島嶼国などを作成する際には、このことをぜひとも念頭に置いていてくださいね。



 「航海」

 海は、母なる自然であると同時に、自然の猛威という一面も持っています。高潮や津波は人間が受動的でも被害が起きますが、能動的に大海原へと旅立った際にはさらに嵐や雷に見舞われる危険があります。

 ですが、怪獣の話をする前に、先ずは自然の面から見ていきましょう。


 帆船で航海をする際には、文字通り帆が必要です。これは風が吹けば非常に便利な道具となりますが、急な暴風雨に見舞われた場合、あらぬ方向へと進行してしまう畏れがあります。また、すぐに畳まないと帆が割けてしまいかねません。この際は魔法が便利です。天候を操ることが出来るならば、船旅は快適なものとなります。

 しかしファンタジー世界ではさらにクラーケンやら海獣やらを登場させることが出来ます。彼らに遭遇してしまっては天候がどうとかいう問題ではありません。一番の対処法は逃げることでしょう。また、船の規模が小さければ見逃してくれるかもしれません。人間が道行くアリを見て、わざわざ踏みつぶすようなことはそうそうないはずです。尤も、小型の船がアリのような小ささに見える海獣が、どれほど巨大で獰猛なのかはあまり想像したくはありませんが……。


まとめ:海は生命の母であると同時に自然を根絶やしにする力をも兼ね備えている。両方の面をうまく描写すれば、世界と物語を多層的にできる。

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