3.芸術
〈普遍性〉
芸術は言語という、異民族交流に生じる大きな壁をも乗り越えます。民族によって多少好みが分かれるとは言え度、片方が「キレイだ」と感じた絵、色使い、造形を、もう一方が「汚い、おぞましい」と感じることはまずないはずです。ドラマや映画で、異民族や言語が通じない相手に対して、自分達に戦う意思のないことを表明するのに悪戦苦闘している時がありますが、もし全員が即興のオーケストラを結成して、華麗な音楽を相手方に聞かせたら、100%無抵抗のアピールに成功するでしょう。……え、そんなことあるわけない? いえいえ、それが小説であり、ファンタジー世界なんですよ!
〈絵と音楽〉
絵画という芸術は、道具よりも人間の技巧が作品の出来を左右するので、あまり文明が発達していないとしても、上手な絵は見られます。古代ギリシャなんて、ルネサンスのお手本でしたからね。
一方で、絵というのは平面図(壁や紙、石板)に三次元の現物を写すものですから、写実的に描くか、あるいは抽象的に書くかによっても技法、上手い下手などの評価がまた変わってきそうです。
対して音楽はといえば、楽器がその音色を決めますので、オーケストラなどの大規模なものはそうとう時代が下らないと成立しません。とはいえ「音楽」自体は古来から存在しているはずです。古代ギリシャでは「アウロス」といった木管楽器や「キタラ」といった弦楽器が音楽を奏でていたはずですし、同じくらい古い時代のエジプトやペルシャでも楽器がありました。
種類でいうと、まずは口笛や手拍子など、体を使うものから木をくり抜いた簡易的な笛などが最も初期のほうに誕生した楽器でしょう。また、自身が振動するなどして音を出す体鳴る楽器もこれくらいの時期の生誕ではないでしょうか。続いて弦楽器、打楽器が誕生し、最後に金管楽器が作られることになるでしょう。
エルフやその他の魔族は、いったいどのような楽器を作るのでしょうか? ヴァンパイアの描く絵とはどのようなものになるのでしょうか? こういったことに着目していくのも面白いですね。
まとめ:芸術は言語の壁をも超越する「超言語」である。よって、異文化交流の強い味方とみなすことが出来る。
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