8.人間との関わり
魔法が科学技術だとしたら、それが人間に与える影響は計り知れません。そう仮定しなくとも、ファンタジー世界の住民が魔法を軽んじているとか考えられません。つまらない世界です。そうなると。
では、魔法が人間にどういった関わり方をしているのかを考えていきましょう。
「魔法の恩恵」
魔法が人間に与える影響は、良い影響、悪い影響どちらも考えられますが、今回は良い方を考察しましょう。
キラーエイプ説なんていう仮説もありますから、人間は常に戦闘に関わりのあることを思い浮かべる動物と見て取れます。それゆえ、ある程度文明が発達した時代には、魔法は「武器」としての面を前面に出していくことでしょう。国同士の争いに加え、多くの世界には魔界といった危ない場所や魔族といった危険な人種たちがうようよしているので、当然といえば当然であります。
また、魔法を司ることで街道に光源を整備したり、動物との会話を楽しんだりなど、この他にも様々な恩恵が得られます。錬金術なんかにも応用できそうです。でもファンタジー世界のそれは、ともすれば成功して「賢者の石」や「ホムンクルス」を作成できてしまうかもしれませんね。
「魔法の弊害」
強大な力は、それ相応の代償を要求してきます。魔法をいくらうまく使えど、副作用は常に付きまとうのです。
北欧神話に登場する魔法(呪術の一種)セイズは便利なのですが、使うと代償として疲労感に襲われます。また、多くは女性が使い、性的な面も含まれているともいわれます。現に主神オーディンがこれを使ったことを悪神ロキが反駁に利用しています。個人的には性行為の後のけだるさと類似しているのかな、などと考えるのですが、どうなんでしょう?
このように、古くからの説話や伝説などを見ても、魔法の代償は欠かせません。が、魔法による弊害が、代償のみにとどまる訳がありませんね。何せ、これほどまでに万能なんですから。
魔法を用いた戦争も厄介ですが、それは次回の項に回します。
また、「魔法誰のものか」という項でも申しましたように、差別が起きる可能性が十分にあります。魔法エネルギーの源が”クリスタル”などのように世界に有限だった場合、資源争いもかならず勃発します。
「魔法戦争」
魔法を戦争の道具として、つまり武器として用いた場合、現実における火器のようなものですから、騎兵隊の重要性がなくなってしまいます。さらに言えば、もし全員が簡単に爆破を生じさせる魔法が使えるとしたら、冷器(剣や斧など、火器以外の武器)の必要性が低下します。極端なことを言えば、戦闘はすべて魔法で行われるようになります。あまり魔法を強力にしすぎると、このような魔法世界になってしまい、「剣と魔法」の素敵な世界が台無しです。力関係を調節するか、代償を大きくして、こういた事態はなるだけ回避したいものです。
こうして魔法が武器になった瞬間、魔術師が兵隊ですから、国は全力を挙げて魔法体系の研究、および魔術師育成を敢行します。それがのちの時代の魔法技術発達に大きく貢献することは言うまでもありませんね。
なお、魔術師が兵隊としての力を持っていることから、彼らは敵国がもっとも亡き者にしたい相手なはずです。無用心に国の外へ冒険させると、暗殺される可能性がありますのでご注意を。
まとめ:魔法は人間に正の面、負の面双方を向けるチカラで、そのどちらも個人の損得だけにとどまらない。戦争に魔法が使われると厄介なことになるケースも否定できないので、その点も踏まえてもう一度魔法体系を見直しておくと良い。
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