アマ〇ンexプライム①
慌ただしく帰宅すると
決して遅くはない起動を貧乏ゆすりしながら待ち、ネットへ接続する。
勝手知ったるログイン画面には『exプライム』という文字が表れている。
「よしっ!」
えみはexプライムへカーソルを合わせクリック。カチカチと操作を一通り終えると荷造りへと移る。
「買えた本と、ジッ〇ロック……隙間にお菓子と、ドライフルーツとナッツ。どっちが好きだ?」
各種サイズを取りそろえた段ボールから一枚を選ぶと、迷いなく品物を詰め込んでいく。異世界へ行ってしまった父を持つ娘の荷造りは素早いのだ。
ズッ、パタパタ……ビッ! ビイィィィッ!!
段ボールに封がされるのと同じタイミングでパソコンの画面が切り替わった。
『三十三階級の認可を確認。荷物の転送が開始できます』
今日も異世界への仕送りが始まる。
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