女子会@セフィロト①
― 第X回の
「第三回! セフィロト女性陣による!」
「……女子、会……」
力強いコクマーの言葉を引き継ぎケセドが女子会の開始を告げる。
長身セミロングの髪でスポーティーな印象のコクマーと、外見は少女のケセドは仲が良い。やけにノリノリな二名に対してビナーは無理して調子を合わせて拍手を送り、厳格な老女ティフェレトは深く頷いた。
現在セフィロトの女性メンバーが集結している。もっとも、室内に実際にいるのはコクマーとケセドのみだ。他二名は魔術で自身の姿を投影している。
「諸君待たせた。とはいえ、本来私は不要なのだかな……」
そこへセフィロトの座長であるケテルが現れた。
女子会と
「当然の……処置……」
「なにせ我ら四名でかかれば落とせぬ国はないであろうからな。
「そんな物騒な話止めましょうよぉ」
「けど、ケテルが加わったら大陸イケちゃいますし意味ないですよね、手綱の」
「それだけグランドマスターのケテルに対する信が厚いということだ」
三人寄れば
そんな彼女たちを
「この五名ならば落とせぬ国は確かにない。だが大陸が相手となればティフェレトを失うだろうな」
「違いない。あとはコクマーが危ういな」
「あっちゃー! やっぱり?」
「戦術上の……問題」
「大陸が相手ならビナーは決して欠けさせられない。となれば、サポートはケセドと……このメンバーなら私が適任だ。前衛担当が危険なのは自明だな」
淡々と戦術について語り合う面々に一人ビナーはあたふたする。自身の身が危険に晒される状況についてコクマーもティフェレトもそうだろうな、という反応だ。
独り怯えるビナーにティフェレトが笑いかける。
「案ずるなビナー、そんな時は来ない。いまさら近代兵器相手に魔術師が戦争を仕掛けるなんておとぎ話の世界だよ。まあ、万が一にもそうなったら私は死ぬことになるのだがな」
「ティフェレトの魔術……正面からぶつけてこそ……効果、ある。破壊と
「しかしそうはならん。セフィロトは座を欠けさせてはならぬのだから」
最後にそう言ってこの話題を締めると珍しくケテルはビナーへ笑かけた。
「戦略と戦術にどう魔術を落とし込むかは常に考えておくべきことだが……本日は女子会だ。愉快にいこうではないか」
ケテルが指を弾くとテーブルにお茶と菓子が出現した。投影された映像を見るにこの場にいない二名の所へも配膳されているようだ。
「開幕だ。諸君」
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