チャプター4

えみ「It's a New Days‼」

 その日、丹湖門えみはいつもより一時間早く起床した。

 そしてテキパキと支度を済ませ、出かける前にスマホで短いメールを送ると出勤した。



 § §



 会社に着くと自分のデスクへ向かい、仕事の進捗を確認。ほとんどの仕事が片付いていることに感謝と共に苦笑いした。そのタイミングで出勤してきた課長に挨拶をする。そしてそのまま最近の不調を詫びた。

 課長はえみの表情を見てから、最近決まったインターンの担当者になって欲しいと打診し、えみは快諾した。

 それからややあって旭日が出勤。えみの姿を見るや駆け寄ってきて体調はどうかと尋ねる。その腰はやけに引けていた。

 えみは笑顔で応じ『今日は旭日が喜ぶことがあるよ』と胸を張った。

 定時になった。

 総務部の人間が集まり、課長が朝礼を行う。短い期間だが、インターンシップで新人が部署に来ること、担当者はえみであることが告げられる。

 新人の履歴書が回される。イケメンであった。

 午前の仕事が終わり、お昼時。

 えみはスマホでメールを確認。クスクス笑ってからほんの短い返信を送る。

 旭日と合流して昼食をとる。今日もえみの奢りだ。途中からシノも加わった。

 調子がイマイチなら肉でも食べに行こうとシノが誘う。えみが高いよとキッパリ言うと、じゃあ家でとシノが食い下がる。旭日が図々しいヤツとシノをなじるが、たまには飲みたいねと呟く。

 二人に見つめられてえみは折れるのだった。



 § §



 そしてつつがなく仕事は終わり、えみは帰宅。

 父とメールでやり取りして買い物リストを作ってから就寝。

 いつも通りといえばいつも通りだが、えみの表情は終始晴れやかな一日だった。

 また泣いてしまうときもあるだろう。だけど、泣く場所くらいは選べるはずだ。

 それくらいに丹湖門えみは大丈夫なのだ。

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