概要
七話でひとつの連作ショートショート/短編集。
〈収束〉「それぞれの本気」
仙人は軽快にジョークを飛ばし、ある村はじゃんけんに熱狂し、有名ブロガーは後悔とともに嘘を吐く。武士は宇宙人と出会い、魔法老婆は夜の公園で化け物と戦い、男はアイドルに愛を語りかける。
彼らから得られる教訓など何もない。
だが、全員が本気であるのは間違いがない。
〈人生〉「或る男の一生」
人はさまざまな経験をする。
サンタクロースを捕獲しようと目論んだって、異世界
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!挑戦してみなはれ。あなたはストーリー展開に随いて行けない、絶対に。
7つのエピソードが1つの章を織り成し、6つの章を最終話が束ねる構成。
章の中では、6つのエピソードが互いに独立しており、7つ目のエピソードで「そう言う風に束ねんの!」と軽く驚く。そんな楽しみ方が6回できる。
読了後に振り返ると、どの章も良い味を出している。
先のレビュアーが指摘しているが、「作者の頭はどうなってんの?」と思わせてくれる。支離滅裂にならず、何とも表現し難い一貫性を保つ才覚に脱帽。
ただ読んでいる最中に期待値が上がるので、最終エピソードでは物足りなさを感じるかも。とは言え、レベルの絶対値は明らかに高い。
余談だが、作者の別作品「感染性バスジャック」も面白く、お勧めです。 - ★★★ Excellent!!!荒唐無稽な理路整然。無理によく似た道理が飄々として貫かれる。
何を食べて育ったら、こういう作品を書く人になるんだろう?
かすみだろうか。
この人の頭をカパッと開けて中身を見てみたい、と、
異分野ならともかく、小説の世界では久々にそう思った。
私はご都合主義な筋立ての小説が苦手だ。
「特に理由もなく、十分な説明も設定もないままに、何故か」
愛されるとか異性との同居が始まるとかチートな能力を得るとか
タイムスリップするとか異世界転生するとか歴史改変するとか。
要するに、ウェブ小説で流行る系統が軒並み苦手なわけで、
じゃあ何が好きかと言えば、「リアリティある不条理」だけど、
この『じゃんけんに熱狂する村』には何かいろいろぶっ壊された。
価値観とか、いろい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!なんでデビューしてないの?この人
レビューのPR文に作品じゃなくて作者のことを書くのもどうかと思ったのですが、作品を読み終えて一番最初に感じたことがそれだったので素直に記します。「感染性バスジャック症候群」から作者繋がりで読んだ作品ですが、この人、その辺の商業作家より絶対に力あります。本当にデビューしていないならとんでもない逸材を見つけたと言わざるを得ません。PNが独特なので本来のPNをアナグラム的に弄った商業作家の戯れ説を僕は捨てていませんが。
さて、作者のことでレビューを終わらせるのもどうかと思うので、作品に触れましょう。やっていることは単純。7本単位で掌編が1つに収束する。その繰り返しです。ついでに最後に大きな収…続きを読む - ★★★ Excellent!!!七の七倍、つまり823543倍面白い!(それは七乗だ)(興奮のあまり)
やってくれたな〜〜!!! やってくれちゃったなこの〜〜!! 完璧! パーフェクト! 他になんか言うことある? ないです。素晴らしい!
これ読まないのマジで人生の損なので、頼むから読んでくれ。良かった〜〜!!
以下従前のレビューです。
とりあえず収束の話をすると、異常な現実があって、しかし異常でもそれは現実なので、その中に生きている人はその現実を疑うことなく日常として消化していき、そのギャップが面白い、というのが基本的な構造で、そのような非日常的日常が最後に「収束」していくというのがすげえなんなのこれ、という異様なカタルシスを生むという話である。
だからまあ、さして長くもないし、…続きを読む