超能力 × SFギミック × 異世界ファンタジー カスイ漁池
ニール=レプリカ・オブライエンは一つだけしか超能力を使えない。サイコキネシス――常人には見えざる〈腕〉。
超能力が生活に組み込まれるようになった時代、政府は彼の〈腕〉に目をつけ、瞬間移動実験の動力として選出する。だが、実験は失敗し、暴走したワームホールは彼を魔法の存在する世界へと飛ばしてしまった。
魔法ではない異質な力――その〈腕〉が原因で起きた事件をきっかけにニールは貴族の少女・アシュタヤの護衛として生きていくことになる。
襲いかかってくるのは国を二分しようと目論む者の悪意――その戦いの先には、ある化け物との邂逅が待ち受けていた。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
※「小説家になろう」(http://ncode.syosetu.com/n7986ck/)でマルチ投稿しています。…続きを読む
目次
完結済 全135話
更新
- 第一章 拙い腕と手のひらの温度
- 序
- 0 レプリカ
- 第一章 第一節
- 1 収穫祭間近の一日
- 2『水渡り』と二つの壁
- 3 鉄格子を挟んで三人
- 4 四グラムの思い出
- 5 五つの約束
- 6 六日間の収穫祭
- 7 きみまで七歩
- 8 友達撤回宣言
- 第一章 第二節
- 9 精神の形状
- 10 小さな戦い
- 11 騒動の顛末
- 12 呼び名の難易度
- 13 無邪気な提案
- 第一章 第三節
- 14 狂人との出会い
- 15 抉る
- 16 六年前、戦いの呼び水
- 17 卑しい牢獄
- 18 逃亡
- 19 生命の定義
- 20 短剣の行方
- 21 冷たい火
- 第一章 第四節
- 22 夜に咽ぶ
- 23 罪を赦す
- 24 分厚い扉
- 25 光の川
- 幕間
- 26 無銭飲食狂想曲〈護衛団1〉
- 27 非論理的会議〈護衛団2〉
- 28 いい加減な人々〈護衛団3〉
- 29 呆気ない変化〈護衛団4〉
- 30 太陽落下速度〈護衛団5〉
- 31 アルコール・ブギ〈護衛団6〉
- 32 バンザッタ
- 第二章 融解する器
- 序
- 番兵と狩人
- 男たちと獣
- 呼び水と雷獣
- 第二章 第一節
- 33 冬道
- 34 窃視
- 35 確信
- 36 襲撃
- 37 酒場
- 38 再会
- 第二章 第二節
- 39 ニール・オブライエン(1)
- 40 ニール・オブライエン(2)
- 41 ニール・オブライエン(3)
- 42 平面葡萄(1)
- 43 平面葡萄(2)
- 44 平面葡萄(3)
- 45 平面葡萄(4)
- 46 平面葡萄(5)
- 第二章 第三節
- 47 柔らかな針
- 48 棄てられた村
- 49 棄てられた村・夜
- 50 強さの代償
- 51 光明
- 第二章 第四節
- 52 予言の始まり
- 53 公認盗賊の森
- 54 後戻りはできない
- 55 常緑樹の罠
- 56 雷獣の笑い声
- 57 さよならも言えずに
- 58 ニール・オブライエン(4)
- 59『真綿の指』
- 幕間
- アシュタヤ:月が震える
- アシュタヤ:伝えるべき言葉は
- 60 さよならも言わずに
- 61 契機
- 62 新たな戦場へ
- 第三章「きみは嘘をつけない」
- 第三章 序
- 63 英雄の詩
- 第三章 第一節
- 64「そばに来ないで」
- 65「怖いの?」
- 66「あなたの名前は」
- 67「どちらだと思う?」
- 68「俺たちのそばで」
- 第三章 第二節
- 69「頭のおかしなガキ」〈ラ・ウォルホル攻城戦1〉
- 70「頼む」〈ラ・ウォルホル攻城戦2〉
- 71「お前のせいだ」〈ラ・ウォルホル攻城戦3〉
- 72「どうして戦う」〈ラ・ウォルホル攻城戦4〉
- 73「『化け物』には見えねえな」
- 74「オヤジさん」
- 75「ぴったりの服」
- 76「彼女に会わせてもらえませんか?」
- 77「黙ってないでよ」
- 78「ヨムギは?」
- 第三章 第三節
- 79「かつてのシン・シティ」
- 80「なんて言った?」
- 81「約束しろ」
- 82「皺、つけるなよ」
- 83「ニール・オブライエン」
- 84「一度たりとも」
- 85「遠くまで届くんだ」
- 86「つまらなくないじゃないか」
- 87「幸せそうでしょ?」
- 88「お前と会うのを楽しみに」
- 89「どうすればいいの?」
- 90「一度ご挨拶しないと」
- 91「変なやつだ」
- 第三章 第四節
- 92「腕、持ってきたの」
- 93「敗北は必至」〈バンザッタ防衛戦1〉
- 94「『乾杯』」〈バンザッタ防衛戦2〉
- 95「化け物」〈バンザッタ防衛戦3〉
- 96「これほど愉快なことはない」〈バンザッタ防衛戦4〉
- 97「行こうか」
- 幕間
- 98 遅れてきた奴ら
- 99 騒がしい僕ら
- 100 間に合った彼ら
- 101 旅立つ我ら
- 102 待ち受ける彼女ら
- 103 英雄から
- 第四章 化け物のつくりかた
- 第四章 序
- 104 手紙
- 第四章 第一節
- 105 春の日差しは揺りかごに近い
- 106 花園の色彩はまだない
- 107 傷は水門、あるいは運河
- 108 英雄になりそびれた剣
- 109 境界線を踏み越えたなら
- 第四章 第二節
- 110 Delay〈レカルタ市街戦1〉
- 111 Slay〈レカルタ市街戦2〉
- 112 Play〈レカルタ市街戦3〉
- 113 Allay〈レカルタ市街戦4〉
- 114 Clay〈レカルタ市街戦5〉
- 115 Relay〈レカルタ市街戦6〉
- 第四章 第三節
- 116 日付のない日/権威は語る
- 117 暖かな予言/名前は祈る
- 118 平坦な世界/雨粒は決める
- 119 理性的な狂人/悪意は蠢く
- 120 絶え間ない乾杯/刃は許す
- 第四章 第四節
- 121 始まりの平原、終わりの森
- 122 どうか愚かな者どもに喝采を
- 123 嘘の藁で眠れ
- 124 あらかじめ消え去りし自己
- 125 人という獣
- 126 巡る
- 127 エニツィアよ、凱歌を揚げよ
- 128 罪人のレプリカ
- 終章
- 129 化け物のつくりかた
おすすめレビュー
★26
★で称える
★ ★ ★
レビューを書く
ユーザー登録(無料)をして作者を応援しよう!
登録済の方はログインしてください。
★★★ Excellent!!!
全霊を以て推挙したい。ファンタジー戦史の本物がここにある。 馳月基矢
初めに、10代の頃に私が好きだった作家を挙げる。
同じ作家に1度でも嵌まった経験がある読者には、
『罪人のレプリカ』に興味を持っていただきたい。
田中芳樹、松枝蔵人、水野良の作品は最も影響が強い。
ただ好きだった、ファンだったというだけではなく、
私が歴史学の道へ進む重要なファクターとなった。
菊地秀行の残酷さと妖艶さ、久美沙織の芸達者で繊細な語り口、
高畑京一郎のロジカルな写実性、時雨沢恵一の乾いた冷静さ、
土門弘幸の骨太さと土臭さ、上橋菜穂子の重厚で立体的な世界観、
80年代から90年代のリアルタイムより少し遅れて、
私はこうした作家陣のファンタジーとSFに触れ、
その名作に並び立つくらい強い物語を書きたいと憧れた。
『罪人のレプリカ』は、その系列にある小説だ。
とりあえず断っておくが、このレビューは非常に長い。
というのも、この『罪人のレプリカ』が非常に長いためだ。
約93万字にも及ぶ4章立てで、分厚い単行本4巻分に相当する。
率直に言わせてもらえば、クレイジーな長さだと思った。
その字数、『銀英伝』ならヤンが死ぬあたりまで行くし、
『アルスラーン』ならとっくに王都奪還できてしまうし、
『瑠璃丸伝』や『ロードス島戦記』本編は完結するし、
小説版『ドラクエ』天空三部作にも迫る勢いだと思う。
通常の文学賞の応募要項には長さの上限が定められており、
エンタメ系で…
続きを読む
★★★ Excellent!!!
辿り着いた異世界で、求めた居場所 @ri-ru-
超能力が発展した世界から、実験事故で異世界に辿り着いた落ちこぼれ超能力者の少年ニールが、様々な人と関わって成長していくお話しです。
はっきり言いますが、何故ここまで評価されていないのか不思議なくらい、すごく面白かったです。
少しずつ、自分と向き合って成長していく主人公、彼を支えるヒロインや、愉快ながらも信念をもった仲間たちと、魅力的なキャラクターが多く、また、戦闘描写、心理描写、技術描写も文句の付け所がありません。特に、自分の罪に苦しむ主人公の姿は正に『人間的』で、作者様の技量に感嘆しました。
『超能力』『異世界』『罪人』『レプリカ』、全てのテーマが見事に混ざり合い、一つの物語になっています。
繰り返しますが、本当に、何故ここまで評価されていないのか不思議な作品です。