概要
車内に漂う強烈な違和感に気付いていたにも関わらず――。
そして、仙台発秋田行き高速バスは定刻通り発車する。
乗り込んでいるのは――銀行強盗、爆弾魔、魔法使いの男女、霊媒体質者、幽霊、超人のカップル。各々の荷物と奇妙な因果を乗せてバスは東北自動車道へと進んでいく。
最初のバスジャックが起きたのはインターチェンジを通り過ぎて間もなくのことだった。
(この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。)
(『小説家になろう(https://ncode.syo
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!読み始めたら途中で止まらない。ノンストップ・コメディ。
山野ねこさんが先のレビューで書いている通り、ノンストップ・コメディです。でも、単純に巫山戯たコメディじゃなくて、何本もの人間ドラマが軽妙に織り込まれていて、清々しい読後感を味わえます。
次から次へと奇妙奇天烈な登場人物が前面に出て来て、バスジャックの様相が猫の目の様に目まぐるしく変わります。バスジャックを題材にしたハリウッド映画「スピード」に似た疾走感を感じます。でも、本作品では、何度か休憩所で停車し、用を足した乗客がバスに戻るのです。ねっ! 単なるアクション小説ではないでしょう?
バスジャックの主体となる様々なキャラ達の織り成すハーモニーを是非楽しんでください。 - ★★★ Excellent!!!目には目を。バスジャックにはバスジャックを。……ん?
何を言っているか分からないと思うが、これが本作を一言で表した概要だ。
この作品はあらすじだけで恐ろしい引力がある。バスジャックが感染する?魔法使いに霊媒師に爆弾魔って、これちゃんと収束できるの?
……安心してください。作り込まれたバスジャックたちの演出、息をつく間を与えない怒涛の展開、そして爽快すぎる結末が待っています。
文章は言うまでもなく洗練されていて読みやすいです。
クールな文体に滲み出る皮肉なツッコミは他の方のレビューにもある通り伊坂幸太郎さんの小説を思い起こさせられ、高速バスという狭い舞台で個性が強すぎるキャラが織りなすドタバタの伏線回収劇は三谷幸喜さんの脚本を見せられている…続きを読む - ★★★ Excellent!!!全員、ふつうじゃない。一番ふつうじゃないのは誰か、それは明らかだ。
ちょっと待て。
だから、ちょっと待てってば。
次々と繰り出される超常的な展開に、ツッコミが追い付かない。
ツッコミどころしかないのに、見事な構成がツッコむ隙を与えない。
何だこれ。
飄々とした文章が、しれっと常識を書き換えていく。
振り返ってみれば、最初のバスジャック犯だけが正統派だった。
いっそのこと健気にも可憐にも見えてくるほどだ。
魔法使いやら超人やら幽霊やら、変なのがわらわらと出てくる。
あまりにもさりげなく自己紹介されて、疑問を挟む余地すらない。
嵐に巻き込まれた、というか。
呆気にとられるうちにバスは進み、バスジャック犯が増えていく。
増えると言っても増殖系SFじゃなくて、…続きを読む