目には目を。バスジャックにはバスジャックを。……ん?

何を言っているか分からないと思うが、これが本作を一言で表した概要だ。

この作品はあらすじだけで恐ろしい引力がある。バスジャックが感染する?魔法使いに霊媒師に爆弾魔って、これちゃんと収束できるの?

……安心してください。作り込まれたバスジャックたちの演出、息をつく間を与えない怒涛の展開、そして爽快すぎる結末が待っています。

文章は言うまでもなく洗練されていて読みやすいです。
クールな文体に滲み出る皮肉なツッコミは他の方のレビューにもある通り伊坂幸太郎さんの小説を思い起こさせられ、高速バスという狭い舞台で個性が強すぎるキャラが織りなすドタバタの伏線回収劇は三谷幸喜さんの脚本を見せられているかのよう。

悪役ばっかりのはずなのに、なぜか最後はこの登場人物たちと一緒に温泉に行きたくなる。本当ですよ?疑うなら読んでみてください。面白いですから。

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