私、シェヘラザード/明日はもっと面白い-私と三題噺と彼女を蝕む死の呪い-

作者 新渡戸レオノフ

412

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★★★ Excellent!!!

読ませていただきました!

ショートショート集ということでかなり1話しあたりが短いながら、起承転結があり世界観があり、作者様の文章力を証明する作品です。

どのジャンルにも、どんなワードでも毎日、それもこのクオリティだから凄まじい

気になったタイトルから見てみるもよし、1話ごとにあるお題で気になったものから見てみるもよしの作品です!

更新、頑張ってください!

★★★ Excellent!!!

毎日更新されるショートショート。
パッと見では、話数が多く読むのが億劫になってしまうかもしれない。

しかし!安心して欲しい。
一話一話がそれぞれ完結しており、どこから読んでも大丈夫なのだ。

短時間でサクッと読めることに加え、一つ一つの読後感もしっかりとある作品集となっている。

ぜひ気軽に開いてみて欲しい。

★★★ Excellent!!!

シェヘラザードは一晩で王に飽きられて殺されないために、物語を千一夜も王に語ったとされ、それがもとで千夜一夜物語が誕生した、という伝説がある。
それらは現代において文学となり、アニメや演劇となり、アリババやアラジンを代表に人気を博しているが、一方でこの伝説自体は全くの虚構であることも分かっている。
物語はアラビアの民話を集めたものであるし、この千夜一夜分という量も、欧米人がこの話を知った時、本当に千夜一夜分あるものだと思い、無理くりかき集めて形にしたものだ。

シェヘラザードとこの作品が似ているのは、単に毎日即興で物語を作っているという点だけではない。
三題噺という落語から生まれた話芸を文字として表現するのは、シェヘラザードが語ったとされる物語が文学となる過程に似ている。
実際この作品を読むと、ただ長々と語るのではなく、口に出すことで生まれた物語を文章として書き記したような、そんな読み心地のある文体である。

一方で、この作品がシェヘラザードと違うのは、一話で一夜を明かせるほど長くはないということだ。

この作品自体が面白い短編の数々であるが、三つの題目がどこに登場するのか、短くスパッと終わるために、次へ次へと読者が話を読ませたくなるような、落語家が客を飽きさせずに話し続けるために取る刻みの良いリズムが存在している。
もしこの作者がアラビアの乾いた砂漠によって伝説を真似するだけならこうはならない。ただ千一の物語をかき集めるための備忘録ではない。

日本での文化の潮流を受けたからこそ、宵越しの銭は持たないように、夜を越せるほどの物語でなく、その場の切れ味を最大限見せつける作品集だと感じた。






★★★ Excellent!!!

我々は物語を読み、そこから影響を受け、自分もそのようなものを作りたいと願う。
それがもし呪いだとしたら?
我々の中から湧き出るアイディアやプロット、設定が自らの内奥に居座るシェヘラザードからもたらされているのではと錯覚しかねない。

創作を行う者にとってもこの作品群は〝呪い〟となり得るかもしれない。
なぜならば、この作者の手によって生み出された物語が新たなアイディアをもたらし、創作者を誘うからだ。
物語れ、と。

★★ Very Good!!

良かった点
 毎日投稿、三題囃、ショートショート。これらをやり続けろって? とんでもないことやってますね……日記帳な感じで、つらつらとショートショートを書いてるのも斬新です。タイトルも内容を要約した感じなのも良いですね。

 1〜10夜を続けて読んで感じたことは、1の無機物的で非常な文章から、2が主観的な印象になりギャップが生まれました。短編集的でありながら、次の話のことも考えているっぽく素晴らしいと思います。また全体的に不思議な世界なのも良いです。

 人物名も個性的で、あまりその人物に背景描写をしなくても個性が出てて、上手くできていると思います。オチもしっかり付けていて、ショートショートの良さが出てます。


気になる点
 デジタルで好まれる文体でないこと。紙媒体ならば心配は不要だが、目が滑りがちになってしまう。文章力、構成力も高いのに残念に思えた。(231夜で触れられていましたね。申し訳ないです)


一言
 短編集なのでタイトルで読んでみましょう! ぼくは、「スーパーヒーローの介護(132)」 「なんでもない冒険(10)」 「ある愛の形(53)」 「今日から一日いじめっ子」 「すぐに消せ」が、タイトルから入っても面白かった。文章もそうですが、やっぱりタイトル作りが上手いですね!

★★★ Excellent!!!

ライトノベルを期待している人は面食らうかもしれません。やや頭を使う短編集です。
短いながらもギュッと詰め込まれた世界観は魅力的で、それぞれがテーマを持っているのは童話的でもあります。
個人的にショートショートは星新一が第一人者と言えると思いますが、この作品はあえて難解にすることで星新一フォロワーとの差別化に成功していると思います。
いくつかリンクしていると思われる話があり、最初の登場人物紹介が助かります。

★★★ Excellent!!!

難解な話も多いですが、読み応えのあるショートショートです。
ラストが曖昧になっていることで、読者に余韻をもたらします。
好きな人には凄く刺さる小説だと思います。
難しそうな三題噺も上手く乗り越えて書かれているのに、作者さんの手腕を感じました。

★★★ Excellent!!!

深海のように深い深いショートショートでした。
恥ずかしながらシェヘラザードを知らずに読み、後から調べてゾクゾクきました。明日は交響組曲『シェヘラザード』を聴きながら続きを読もうと思います。
ショートショートの内容についても、星新一より更に捻って捻って捻られたショートショートで、しかも三題噺。面白くないはずがない。

私の中の彼女の呪いは、いつまで続くのだろう。

★★ Very Good!!

第一夜でもかなりインパクトがありますがそれ以降の話もとても個性的な話が待ち受けています。
3つのお題を使ったショートショートなのですが決して中身が適当に作られているわけではありません。
作者様の文章力があるからなのか、どれもこれも楽しめる。テンポもいい。
1日に暇ができたらチラッと見てみる。そんな楽しみ方もありですね。

★★★ Excellent!!!

三題噺を元に作られた短編集。

ページをめくると、なんとも謎めいた物語が詰まっていた。

SFのようでもあり、シニカルなブラックユーモアのようでもあり、理解できるようなできないような……。

それでいて、不思議と最後まで読み切ってしまうと、次の話が気になる中毒性がある。

それも、そのはずこの物語はシェヘラザードが綴る物語なのである。

★★★ Excellent!!!

シェヘラザードに強制されて三題噺をし続けるショートショート。
という解釈で、ちょっとファンタジーっぽいのを想像していたのですがいろいろな意味で裏切られました。

1話1話の完成度が高い!すごいですね。
ライトノベルが好きな人には合わないかもしれませんが、ハードなSF系とかが好きならこのショートショートはとても楽しめるのではないかと。

最近ラノベばっかりでしたが、久しぶりにこのテイストに触れられてとても楽しく読ませてもらっています。

★★★ Excellent!!!

設定が現実と創造の世界を曖昧に感じさせます。
毎日三題噺で更新されているわけですが、そのまま設定と重なっているところなんか不思議な感覚を覚えます。
ショートショートと言えば星新一、本作もショートショートらしいテイストを味わえます。
毎日更新される本作を是非楽しんで下さい。

★★★ Excellent!!!

3つのお題を含めた、小説でやる大喜利です。
お題がランダム?で各お話にしっかり落ちがつけられている。
途中でどうなるのか考えながら読むことで頭の体操になります。

描かれる内容はSFや現代ミステリー、ギャグ、ファンタジー、、ホラーと何でもありです。様々な方面に造詣が深いからこそできるのだと思います。スゴイ!

これが毎日。新聞の4コマ欄を観るノリで拝見したくなりました!



★★★ Excellent!!!

シェヘラザードと名乗って短編物語を重ねていきます。
それは「世界の過去か未来かどこかで本当に起こったかも知れない物語」という冒頭の言葉で示されているように、日常もの、ホラーやSFなどの別ジャンルの短編がジャンルを問わずという感じで続いてゆき、だけど一つのまとまりを持っているのが仕掛けとして強く作用していると感じました。

WEB小説的でもあり、ショートショートの書籍を読んでいるような雰囲気もあります。

第15夜まで読んだところで、目次見返してすごさを改めて感じました。
実際に毎日投稿されています。

まだ読んでない方にはぜひおすすめしたい気持ちです。

ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!


拝読させて頂きました。

三題噺というアイディアにおどきました。
コボちゃんの四コマ漫画やり方と一緒ですね。

著者の腕、研鑽の日々が積み込まれたドキュメンタリー作品のような気がしました。
これは誰にも真似できない作品です。

気になる点
どうしてもこの作品はアイディア出し、文章構成の練習のような気がしてしまいます。
これはこれで素晴らしいですが
これだけ書ける人の本気の一本作品が観てみたくなりました。




企画上でなかなか全部読みきれず、
理解が足りてない部分があります。
御理解頂けると助かります。

改善点は軽い参考程度に考えて頂けたら幸いです。

偉そうに意見しまして大変申し訳ありません。

執筆活動は大変だと思いますが微力ながら応援しております。

誰よりも海水を飲む人

★★★ Excellent!!!

毎日投稿されているというから、驚きと尊敬です。
「明日はもっと面白い」と言うように一夜ごと加速する面白さです。
様々なジャンルのお話がずらりと並び、しかもタイトルがまた魅力的!
ワクワクしながら読み進めています。
まだ途中ではありますが、私は第四夜と第八夜が好きです。

★★ Very Good!!

三題噺を毎日続けるという物語の発想と執筆の速さに驚きました。
たまに妙なお題も出てきますが、それもなんともなく飛び越えていきます。

ゾクリとする展開で、毎回読者に想像を働かせる余韻を持たしているのもよいと思います。
読者も毎日の刺激になると思います。

Good!

 毎日、一偏ずつ追加されていく物語は、この場合、短いからこそ纏まっているという印象です。

 複数の話に共通して登場するキャラクターもいますが、全てを読まなければ意味が通らないという構成ではなく、どこから読んでも楽しめました。それを刺して一貫性がないというツッコミは野暮なものだと感じる点にこそ、纏まりの良さを感じずにいられません。

 毎朝の通勤時や就寝前、また休日の昼下がり、そういう読書習慣にぴったりの物語です。

★★★ Excellent!!!

千夜一夜物語……昔々、街から生娘を攫ってきては、一夜限りの関係を持ってその首を切り落としていた暴君がいた。そんな王様の暴挙を止めるために嫁いできたのが、聡明な美少女・シェヘラザード。
彼女は毎晩々々王の寝床で珠玉の三題噺を囁いては、最後にこう言って締めくくるのです。

「明日お話しするお話は今宵のものより、もっと心躍りましょう(だから殺さないでね)」

現代日本に転生していたシェヘラザードが紡ぎ続ける千夜一夜物語!
三つのお題に順じて、ラストには毎回必ずあっと驚くどんでん返しやヒヤっとさせるホラー展開が待っている!!
既に100夜を超えているのですが、マジで1000夜続けるのコレ!?!? (゜ω゜)

★★★ Excellent!!!

呆気にとられながら、ものすごい勢いで読んでいった作品。

超絶技巧を見ているようでした。
難題も上手く切り抜けて作品を作り上げるバイタリティーにも感銘を受けました。

書籍として手元に置いてみたい。
そんな風に思ってしまいました。
挿し絵があったら…表紙があったら、どんなに素敵な本だろう、と。

もっと沢山の人にこの作品が届きますように。応援しております✨

Good!

何篇か読ませてもらったよ。
これは確かに、あなたの言葉で綴られた小説だね。ひとつひとつの物語は短くとも、そこに息衝く人たちの鼓動が聞こえてくるようだ。
しかし一方で、その向こうに見える人間は一人しかいないというか、多くの話で共通して同じ人間が話しているかのような錯覚を覚えてしまったよ。
作家は作品には不要だからね、もっと透明になってみてもいいんじゃないかな、とは思ったよ。
あとは、そも話が通じづらいものもあったかな。文章の巧拙ではなく構成で魅せるお話だと思うから、そこで首を傾げられちゃうのはもったいないね。
色々書いたけど、とっても面白かった。
ありがとう、楽しませてもらったよ。

★★ Very Good!!

(2022/7/24執筆)
 この作者さんは、3つのお題と1つのテーマを設定し、それにあった短編を書くということを続けている。
 その数、このレビューを書いている時点で73編。しかも毎日更新である。
 それだけでも、とても頑張られているという印象を受ける。

 小説の内容はどちらかと言えばミステリー系やホラー系の物語が多い。
 どの作品も短いながら、意外な展開に驚かされることが多いだろう。

 短編ゆえ、別に第一夜から読まなければ展開が分からないということはない。
 1から順に読むのも良し。気に入った題名の話から読むのも良し。きっと気になる短編が見つかるだろう。

★★ Very Good!!

毎日更新というのに驚き、更に三題噺という制約つきの小説……すごいです。
一つ一つの話はテンポ良く、また展開も驚かされたり納得させられたり。

ただ1話完結のせいか、展開が急過ぎて話が飛んでるように見えてしまう。
個人的にそう言った粗さが見えたので☆2つ。
言葉遊びとか、緩急の付け方がもう少しあったら、読みやすくなると思いました(個人的見解)

でも癖が強くインパクトがあり、1話が短いので読みやすい。
その点はとても高く評価します。

★★★ Excellent!!!

三つの題から書き上げられる短い話は、どれもどこかざらついて引っかかるような読後感がある。悪い意味ではなく、読み終えた後にこれは何だったのかと考える余地があるということである。
またお題に沿って書かれるジャンルは多岐に渡り、その引き出しの多さに驚かされる。
さくさく読み進められる短編集なので、タイトルから興味を惹かれるものから読んでみるのも一つの読み方だと思う。

★★★ Excellent!!!

読後感が好きです。
特に印象に残った話は、まず、第一夜『心ない橋-Hurtless Crew-』です。
不条理を武器にぶった切ったラストなのに、なぜかほんのりユーモアが漂っているような……。
そして、第二十七夜『ご希望の品-nothing is NOTHING!-』もとても好きです。
いやー、このテレビ電話はウザイ(笑)。私なら使用三回目くらいで叩き壊していると思います。
順番が前後しますが、第十八夜『うちの学校の池に人魚が居た-Immortals-』の冒頭もとても印象に残りました。
私も童話・人魚姫の筋書きにちょっと怒りを覚えた一人です。このお話は人魚の方に主導権があるように思えて、とてもいいですね!
お題からお話を作るのは難しいと思いますが、今後も連載頑張ってください!!

★★★ Excellent!!!

カクヨムには書き手ばかりだから分かるだろうが、お題の制約があり、しかもそれを短くまとめなければならない。しかも毎日。は、キツい。しんどい。自分なら絶対やらない。

ということをこの人はやってのけるのだ。

しかもしかも、オチの見事さ!

サクサクと読めるのでつい次のページに進んでしまうけれど、おすすめの読み方としては、もういちど「タイトルからじっくり読み込んで」二度目を提唱致します。

また違った感動が味わえること間違いなし!

ぜひお試しあれ。