四百文寺　嘘築

官能小説を書くためには、作者は最高に変態でなければならない。 作者が変態であることは、文章力があることより大事だと思う。 百合、焦らし、拘束、目隠しと実に変態的な文章であるこの作品…続きを読む

正直、少し凡庸かなと思った。 短い中に、残酷さやグロ描写は優れた筆致で描きこまれているが、復讐の過程やねちっこさ、暗さを大切とするこのジャンルにおいては、いっその事被害者を3人くら…続きを読む

　驚愕。 　この一言に尽きる。 　学生の作品を読むために作成した自主企画に応募していただいた作品なのだが、読了した今、これを書いた人間を学生だとは到底思えない。 　話の主軸、運び方…続きを読む

　人間は当たり前のように生まれるし、生まれれば当然死ぬ。 　では人工知能はどうなんだろう。 　人工知能は生きているのだろうか。あるいは生死観など彼らにはないのかもしれない。 　それ…続きを読む

　エリザベートー愛と死の輪舞ーは宝塚歌劇団を代償する作品の一つだ。 　この作品の語り部であるルキーニはその登場人物であり、殺害対象であるエリザベート共々実在の人物である。 　僕はカ…続きを読む

　まるで一昔前の洋画のように、少し茶色みがかったフィルムで、僕の脳内に情景が映し出された。 　中心に映るのは一人の青年。 　陽気にパフォーマンスを行う彼の周りに、少しずつ、しかし確…続きを読む

　謎多き作品。 　未完結の状態では如何ともし難い疑問の数々。 　作品の書き方は至って荘厳。厳粛。 　純文学と文芸の少し純文学よりの場所に位置する。ような作品だ。 　世界観も好ましい…続きを読む

　官能小説には、性行為に及んでいるシーン以外でもどことなくエロさを感じさせる特徴的な雰囲気がある。 　しかしながら、小説サイトでの素人作品ではそういった貫禄のようなものを感じさせる…続きを読む

　この作品はショートショートとしての完成度がかなり高い。 　ショートショートは起承転結をつけるのが難しいため、きれいにオチを作るのも難しい。 　しかし、この作品はかなり美しいオチを…続きを読む

　幸せは必ずくる。 　そう信じるのは難しい。本当に難しい。 　しかし、信じて生きていくのはとてもいいことなのだ。この小説を読んでそんなことを思った。 　カクヨム甲子園に応募とのこと…続きを読む

　作者様本人が辛口で。ということだったので、辛口の意見をば。 　まず第一にノイズが多いわりに、必要な情報が少ない。 　僕自身が読者を困らせるのが好きなので、情報をあえて少なく作品…続きを読む

　死刑制度に反対する声は、何年も前からいろいろな場所で聞くことができるが、死刑ではぬるいという声も決して少なくないことも事実だ。 　そういった人々が決まって口にするのは「犯人にも同…続きを読む

　素敵な夢。それは誰にとっての素敵な夢なのか。 　冒頭から本編への流れで、作中の夢は語り部が願って見た夢のように予想される。 　夢の内容は至って理想的。会ったことのない亡き母に会う…続きを読む

　良い。この一言に尽きる。 　ショートショートとしてここまで完成されているものはそうそうお目にかかれない。 　起承転結はもちろんのこと、文章の端々から「私」が「彼」を思う気持ちが痛…続きを読む

　オチがやりたくて書いただろこれ。とシンプルに思ったが、読み返してみれば序盤の方に伏線が張られていた。 　僕自身、オチ１００％の作品は嫌いではないので、楽しんで読むことができた。実…続きを読む

　文章に対して透明感があるという形容をするのは嫌いなのだが、なんだかこの小説にはこの形容が一番ぴったりな気がした。 　構成や発想自体に独創性はない。しかし、それは現代のほとんどの小…続きを読む

　タイトルで感じた「世にも奇妙な」感。
　中身を見ると、やはり中身は王道の奇妙な世界観。
　実際に収録されていても違和感はないだろう完成度に驚いた。
　執筆お疲れ様でした。

　今回の僕の自主企画、最も異質だった作品はこの作品だと言えるだろう。 「なんでも読みます」と言われて「はいそうですか。じゃあ私は小説サイトを題材にした、ちょっと特殊なエッセイをブチ…続きを読む

　燕の巣を見ると、どうにかして中の雛が見たくなるのは人間の性ではなかろうか。 　この作品は最初こそ「動物に興味はない」と言っていた主人公が、いくつかの事件を通して小さな隣人達と交流…続きを読む

　美しい情景や、興味深い作品の内容が後少しのところで届いてこない。 　主に作品の構成、小説作法の点で難があるため、非常に読み辛くなっている。 　改行した後は段落を置く。ネット小説で…続きを読む

　僕は異世界モノが嫌いだ。 　しかし、この作品は純粋にコメディとして楽しめる魅力があった。 　コメディとホラーはよく似ていると言われるが、その理由はどちらも「裏切り」と「間」が重要…続きを読む

　またお前か。 　じゃなくて、二回連続のご参加ありがとうございます。 　作者名の確認をしていなかったが、特徴的な文体ですぐに氏だとわかった。 　前回の参加作品は親子愛がメインの作品…続きを読む

　爽やかな風景、離島の中を少年たちが自転車を使って鬼ごっこをしている。人は誰しも、ここまで大規模なものじゃないにしろ、鬼ごっこをやったことがあるはずだ。 　何にも縛られず、何の不安…続きを読む

　かの有名ネット掲示板２ちゃんねるでは、ウケたかったらとりあえずヤクザと混ぜるという習慣があった。 　あらゆるネットスラングとヤクザが出会う物語があちこちで生産され、新なネットスラ…続きを読む

　１４０字。原稿用紙の半分にも満たない文字数の中で、物語にとって最も大事な裏切りが用意されており、文字数調整も不自然でなかった。ここまで完成された１４０字はそうそうないだろう。 　…続きを読む

　とにかく気味が悪い。 　なぜ？　と疑問に思うとともに、極めて写実的に描かれる情景をいやでも思い浮かべてしまう。 　小説では御法度とされる「〜でした。」等の語尾の繰り返しを、何度も…続きを読む

　ミステリーでは読者を騙すことが一番大事だ。その上読者たちに「気付こうと思えば気づけたのに！」と思わせられれば完璧だ。 　この作品は主人公の一人語りのみで構成されおり、貴婦人のよう…続きを読む

　ショートショートや短編は短いことを利点にしなければならない。 　それは、単に説明不足や文章力の低さ故にそれらに「逃げた」と思われないためにだ。 　その点この作品は起承転結の全てが…続きを読む

　終末世界ものをショートショートでやるという、かなり奇抜な作品だ。 　終末世界ものを筆頭とするSF作品というのは、固有名詞が他のジャンルに比べて多く登場する傾向にあるので、ショート…続きを読む

「薬というものは、生活をよくするためにあるものですよね？」この作品でもっとも印象に残ったのはこのセリフだった。勝手な憶測だが、もしかすると作者様もそのつもりで書いたのかもしれない。…続きを読む

　小説は辞書であってはならない。 　つまるところ、物を調べる媒体。調べればわかることが乗っている媒体ではいけないのだ。 　あくまでこれは僕自身の持論なので、各々が別の考え方を持つだ…続きを読む

　悲しいながらに美しい情景描写が、ストレートに入ってくる気持ちの良い小説だった。 　言葉の一つ一つが独創的で、普通なら用いない独特な言葉の組み合わせが、作品全体の切なさを引き立たせ…続きを読む

　なよなよとした印象の蝿の王。 　身の回りによくいるどっちつかずでふわふわ大人になったタイプのこれ以上なく人間くさい奴。 　そんな奴がほんとにバルゼバブだと信じてもらえる訳もなく、…続きを読む

　読み始めた瞬間、格式高い明治文学のような気品を感じた。文章は徹頭徹尾丁寧で、良い意味で堅苦しい。推敲の数々が見て取れる秀逸な文章は、読んでいて清々しささえ感じた。 　しかし、読み…続きを読む

　ショートショートの課題として、短い文字数の中でいかに読者を驚かすか。がある。 　明確な起承転結を作りづらいショートショートでは、基本的な小説の作法に則った流れを生み出すことが難し…続きを読む

　恋愛小説の中で「○○年後にまた〜」のような形式で、主人公と相手が約束を交わし、それをメインとして扱う作品を僕は約束モノと呼んでいる。 　そんな約束モノで一番難しいのは、いかにその…続きを読む

　タイトルを見たとき、正直読もうかどうか迷った。もしや、小学生やアホな中学生が面白半分で投稿しているのでは？と。 　しかし、内容は素晴らしいものだった。 　タグが汚いのキャッチコピ…続きを読む

　一人の人間がひたすらに転落していく様を、これでもかと見せつけられた。 　作品の形式は、主人公の一人語り。視野の狭くなりがちなこの形式を、マイノリティ側の視点から採用するという、か…続きを読む

　僕の開催している自主企画では、時間短縮や公平性のために１万字を超える作品は、それ以下でキリの良いところまでで打ち止めにし、レビューを書かせていただいています。 　しかし、よくない…続きを読む

　死は平等に訪れるからこそ美しい。そんなことを思いながら、この小説を読んだ。 　死なない人間はいない。面白いことに、一人もいない。どれだけ素晴らしい人間でも、いつか死んでしまう。 …続きを読む

　超能力は危険だ。 　これはもちろん、現実世界での価値観でもって「物理的に危ない」ということではなく、小説で題材として扱う際の危険性の話である。 　超能力に限らず、作品に人知を超え…続きを読む

　歪な愛の形というのは人の心に響きやすいので、恋愛系の作品の中でも一つのジャンルを確立する程に人気がある。 　これは読み手側の好みに合うというのはもちろんのこと、作り手側も登場人物…続きを読む

　人間転送装置、魂や主観の在処、地球生命体説、重症患者の仮想世界での延命。 　それぞれの話題はSFを読む人間からすれば、もはや骨董品レベルに見慣れた話だ。おそらく、これらを多少改変…続きを読む

　小説を専門的に学んだことはないので、小説の分類法には明るくないのだが、この作品は男性目線から書かれているにもかかわらず、どことなく女性的な雰囲気を感じた。 　これは単に遠く離れ、…続きを読む

　まるで絵画を見ているように情景が浮かぶ。 　淡々とした語り口から語られる縁側。打ちあがる花火。父、母、家族。それら全てが、鮮やかな色を伴って脳裏へ投影される。 　あるいは詩のよう…続きを読む

　僕の個人的な趣味として、暇な時間にない話の冒頭や次回予告を考える遊びがあるのですが、まさにそれを洗練して、丁寧に作品へと仕上げたといった印象でした。 　いい意味で一つ一つが適当で…続きを読む

　軽い語り口から語られるのは、脈絡のない独白。 　小説を読みなれているだろう自分も、内容の読み取りが出来ず困惑。正直言えば、駄作だと切り捨てようと思った。 　しかし、何かが引っかか…続きを読む

　アリを踏み潰すのは幼児の常だと思う。 　あるいは、そういった行為を通して幼児は成長していくのだろう。 　この作品ではそういった誰にでもある残虐性と、同じく誰にでもある同調圧力への…続きを読む

　圧倒的文章力。比喩表現が、情景描写が、まるで電撃のように僕を穿つのを、読み進めていく度に感じた。 　本当に高校生なのか？疑いながら読んだ。もちろんそれは、高校生にしては艶めかしす…続きを読む

　一人称が私の男性、一人称が僕の女性。あるいは一人称通りの性別のカップルなのかもしれない。受け取り方に応じて形の変わる特殊な話。 　死ネタが最初から提示されているが、短い文章の中で…続きを読む