官能小説には、性行為に及んでいるシーン以外でもどことなくエロさを感じさせる特徴的な雰囲気がある。 しかしながら、小説サイトでの素人作品ではそういった貫禄のようなものを感じさせる作品を見かけることはあまり多くない。 そんな中で、この作品は徹頭徹尾官能的。 作中のキャラの一挙手一投足がエロスを孕んでいる。 また、官能表現を抜きにしても恋愛モノショートショートとして完成度が高いと感じた。 執筆お疲れ様でした。
女性というものを緻密に描いている。主人公の目線の動き、心情の動き、一つひとつの仕草から彼女の性根というのが見えてくる。静かな文体で描かれながら、どこか軋むような焦りを感じさせてくれる作風に引き込まれました。
五感に訴えかけてくる作品。人としてクズな先輩が吸うタバコの匂い。嫌いな匂いのはずなのに、その匂いを嗅ぐと先輩のことばかり考えてしまう。それが例え、愛する人に抱かれている時でさえも。揺れ動く女性心が見事に表現されており、惹きこまれるように読んでしまいました。匂いが読者の想像力をも掻き立てる。良い作品でした!
文体、描写、そしてセリフ。すべてが主人公の女性の心を表しています。主人公から見た男の先輩への描写がうまく、感情移入がとてもしやすいです。禁断の恋のお話です。禁断の恋ではあるが、好きなものは好きだからしょうがないのでしょう。主人公は演技し続けることを選びましたが、一生このままで過ごすのか気になりますね。おそらくはこのまま演じ続けるでしょうが。女性の繊細な心を美しい文章で表現している素敵な小説です。
素敵な小説って、物語を読み終えてから評価するんじゃなくて、冒頭の些細な表現だけでもその作品の完成度って割と量れると思う。 色んな小説読んできたけど、私の中で、読み終えてからの評価と冒頭などの些細な表現から読み取れる評価って私の中で8割近く=の関係で夏目さんのこの小説も冒頭の時点でとても素敵で、身近にここまでかける人がいるんだって衝撃の波が(ry