普通という暴力

作者 バル@小説もどき書き

54

21人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

「普通」とか「一般」という言葉を自分に充て、他者を攻撃する。
そういう人間は、どの世界にも、一定の割合で存在する。

もっとも、そういう言葉でくくられる範囲にいる者たちは、楽である。
自分たちは「普通」であり、「一般」だと思っていられるから。

だが、何かがそうでないとき、その手の言葉を信奉する者たちは、暴力という意識なしに、攻撃を仕掛けてくるものである。
もちろん、「攻撃している」という認識もなしに。
彼らはなまじ「ためを思って」ものを言っている要素がある分、性質が悪い。

~余談ながら、私自身、そういう人物を裁判を通してボコボコにしたことがあるので、身にしみてわかっている。

そのことを、この短編は「普通じゃない(?)」少女の身を通して我々に警鐘を与えてくれている。

★★ Very Good!!

 一人の人間がひたすらに転落していく様を、これでもかと見せつけられた。
 作品の形式は、主人公の一人語り。視野の狭くなりがちなこの形式を、マイノリティ側の視点から採用するという、かなり難易度の高い書き方がされていた。
 独り言のような語り口からは、主人公の感じている苦悩が、まるで自分のものなのではないかと錯覚してしまうほどに没入感がある。
 短い作品だったが、読後の衝撃は長編を読んだときのものに匹敵していた。
 執筆お疲れ様でした。

★★ Very Good!!

『普通という暴力』読まさせていただきました。
思春期に見られる精神的な壁について考えさせられるもので、主人公の中の鬱屈した思想を上手くされていたと感じました。もしかしたらバル氏の実体験を言語化したものなのかと思わさせられる作品でした。
また次回の作品も楽しみにしています。

★★★ Excellent!!!

今作は、日本の教育制度の限界とその方針にはみ出た者がどうなったのかという小説というよりドキュメントというような作品です。

普通という楔が多くの人のドラキュラの杭のように打たれ、行動を抑制する十字架のような枷となっている。

他人が浄化し改善を促そうとしても、かえってそれはドラキュラに聖水となってその人をもがき苦しめる地獄に陥れてしまう……いわば傷害となる。

日本は生徒を普通か否か、或いは優良品か不良品かの判別を行う工場製品のように考えているように思える。

そしてそれは民間。家族。社会ですらそれを規範としているようだ。

いわば、いじめを是としている。

その心に歩み寄る姿勢を、多くの人に求めたい。

そう強く感じる作品でした。
読ませていただきありがとうございますm(__)m