素敵な夢

 素敵な夢。それは誰にとっての素敵な夢なのか。
 冒頭から本編への流れで、作中の夢は語り部が願って見た夢のように予想される。
 夢の内容は至って理想的。会ったことのない亡き母に会う夢。
 しかし、夢は次第に異質なものへ変貌して行く。

 夢の描写に対して「写実的」と形容するのはおそらく正しくないだろうが、この作品は夢の世界の不可解で矛盾した様子を、的確に捉えて文章化している。
 主人公と一緒に夢を追体験するような感覚だった。
 執筆お疲れ様でした。