あらゆる手段を尽くして気味悪がらせてくれる

 とにかく気味が悪い。
 なぜ? と疑問に思うとともに、極めて写実的に描かれる情景をいやでも思い浮かべてしまう。
 小説では御法度とされる「〜でした。」等の語尾の繰り返しを、何度も何度も行うことで、音楽でいうところの不協和音のような状態が作り出されていた。
 こんな作品が出版社等で正当に評価されるような時代は、来ないだろうし来て欲しくもないが、そういう表立った評価には現れない、底知れぬ恐怖を孕んだ作品だった。今すぐインスタントに恐怖を味わいたいのなら、必読の作品。
 執筆お疲れ様でした。

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