概要
-短編(読了時間 約12分)-
超能力を持つ、三人のサイキッカー。
アカ、シロ、クロの少女たちは、彼女たちにしか分からない声で話し合う。
この世界のことを。固く閉ざした、扉の中で。
時計は、静かで凍りついたような空間に、大きく、振動を響かせていた。
午後一時。
窓のない部屋は、壁の時計と、白い電灯に照らされた三人の、小さな呼吸の音だけを……
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897959072/episodes/1177354054897959190
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- ★★★ Excellent!!!「世界の終わり」を描いた物悲しい傑作
部屋に三人の少女がいる。
少女たちはワンピースの色と同じシロ、クロ、アカという名前を持っている。
そこは孤島の家で、三人以外に老夫婦がいる。
三人は口を利かずテレパシーで会話する。
さらに三人はどうやら「世界を終わらせる」力を持っているようだが、それがどういうものなのかはわからない。
淡々とした静かな世界だが、常に緊張が張りつめている。
島の外から西宮という青年がやってくる。
「部外者」があらわれ物語は急展開を見せる。
シロが去り、能力を失ったアカはクロと言葉で会話する。
その会話は改行なしで描かれる。
ビートルズのジョンとポールのハーモニーのように、どっちが話しているのかわからなくな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!世界の行く末は、3人の少女に……
孤島に、老夫婦と、3人の少女が暮らしている。
彼女たちはそれぞれ、アカ、シロ、クロ、と言う。
彼女たちには、テレパシー、それと具体的な表記はないが、
世界を終わらせるだけの力をもっているらしい。
彼女たちの目的は、外の世界を知ること、そして、
その世界が、
嘘や欺瞞、偏見に満ちたものだった場合、彼女たちがそう判断した場合、
世界を終わらせることだという……
これは想像だが、おそらくこの世界線は現実世界で、時代背景も現代に近いのではないだろうか?
そして、外の現実を知った彼女たちがとった選択は……。
AKIRAなどが好きな方にはおすすめ。
ちなみに、
赤、白、黒は、コカコー…続きを読む - ★★★ Excellent!!!読み終えた後も長く心に残る作品
三人の超能力少女たちの繊細な心理描写に引き込まれ、一気に読み進めてしまいました。
閉ざされた空間で描かれる彼女たちの葛藤が、まるで目の前で展開されているかのよう。
物語の核心にある「世界を終わらせるか、守るか」という問いが深く刺さりました。
現代社会への鋭い洞察が感じられて、思わず考え込んでしまうほど。
「扉」という象徴的な要素の使い方も見事でした。
少女たちの閉ざされた世界と外界との境界を巧みに表現していて、読むたびに新たな解釈ができそうです。
結末は余韻が残るものでした。
人間の本質や世界の在り方について、深く考えさせられる素晴らしい内容でした。
ありがとうございました。