ソレイユの森

作者 リエミ

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★★ Very Good!!

自分の発明した薬を奪われ、失意のままに死んだように生活をしているシュー教授。

そこに丸本というセールスマンが不可思議な男を連れてくる。名はソレイユ。

課せられた命令は絶対に守る、お世話用のロボット。

シュー教授とソレイユの交流と、その未来が描かれるSFチックな世界観のドラマである。

ソレイユは守り続ける。ロボットであるからこそ、人間よりも長く存在することができる。それでも、ソレイユは守り続ける。シュー教授との約束を。

もう一つ重要なアイテムとして、不老抗寿の薬がでてくる。年も取らずに命に限りをなくさせる。永遠を夢見た人間たちの泡沫の結果。

それが現実となった。

永遠が現実となったり、ロボットの進歩が進めば、おそらくこうなるだろうといった未来を想像させるお話。

命令を守るだけのソレイユの住む森は、まるで世界の終着点の様である。経済体系も、面倒くさい関係も存在しない。ただ約束のみに縛られた世界。これが終わりでなくてなんなのだろうか。

それを絆と呼ぶか、プログラムと呼ぶかは、解釈次第。

そういった一つの約束事を守り続ける。

ただそれだけのことに、心を感じるのだとしたら、きっとそれは美しいものなのだろう。

Good!

ディストピア系のヒューマンドラマもの。

SF的な世界観で語られるこの物語は、心に響いてくる確かなドラマが描かれていてとてもよかったです。古典SFのような古き良きサイエンス・フィクションの雰囲気、というのが最初に抱いた印象でしたが、作品全体として童話らしい優しさも感じることもあれば、文体などから文学的な美しさも感じることもあり、文芸作品としてとてもいい物語だったように思えます。

ただサイエンス・フィクションとして細かい部分が多々気になりましたが、しかしながらそういったものをカバーしきれるくらいの「読ませる」力強いドラマがあります。短い作品でもありますので、隙間時間に読める「いいお話」として楽しまれてはいかがでしょうか。



★★★ Excellent!!!

何故ロボットのことを切なく感じるのだろうか。私は、それが純粋だから、なのではないかと思う。人間のいいところ、そして悪いところの中でも可愛いなと思えるところ、それらを詰め込んだ存在。言わば”理想的な人間臭さ”を持った存在なのかな。……とか考えさせられる話でした。

★★★ Excellent!!!

この物語は前半部分を読んで、一人の研究者の苦悩と挫折と孤独の中で得た成功の話になるのかなあ、と思いました。でも、それだけでは終われない。永遠という時間を手に入れる二つの方法。それを開発する者、発明する者の正しい選択とは何かをボクは考えさせられました。
このストーリーの結末も一つの正解だと思いました。

★★★ Excellent!!!

「太陽光発電のロボット」、
「老化が抑制された人間」、
「死後の世界で送る日々」、
「人類の干渉を離れた森」、
「答合せのできない秘密」、
「書換え権限のない命令」、
散りばめられた暗示と明示、
それらは全て「永遠」であった。

この物語では、幾つかの永遠を、
そして永遠の終焉を描く。
終焉を変化の一種として描いている。
変化とはつまり、希望の条件だ。

★★★ Excellent!!!

世界観が素晴らしい。
読者に訴えかける「生き方」
想像する風景はそれぞれ違うかもしれないけれど、美しさが目立つこの作品。

ソレイユの森というタイトルにぴったりだと感じました!

問います。
あなたの生き方を。

迷い、考え、そして生きる。
とても考え深い作品ですが、多くの人に触れてほしいと純粋に思います!
是非ご覧ください!

★★★ Excellent!!!

文体から柔らかさと日差しのような暖かさを感じる。

第一話目からシュー教授というネーミングのセンスに心惹かれた。
優しくも欠陥に満ちた登場人物たちにも愛着が湧く。

視点が引き継がれ長い年月が描かれていく。
孤独と人との繋がりの不自由さがうまく表現されているように感じた。
優しい気持ちになれる一篇。

★★★ Excellent!!!

多くは語っていない。それでも読み手の心にはしっかりと作者の想いが伝わってきます。人間とロボット、現在を風刺したようなこの作品は多くの人に読まれるべき作品でしょう。美しくも儚いこの物語を通じて我々は常に問われています。あなた自身の生き方を、問われています。

★★★ Excellent!!!

淡々と紡がれる個々の登場人物たちの物語が
つながっているけれど、つながっていないような
詩的で、曖昧だけど、重大なことを語ろうとしている
不思議なお話です。

天才だが、不遇でお人好しな学者
欲に負けてしまった教え子
欲に負けてしまった機械技師
警備員の彼女
アンドロイドの彼

運命は皮肉で、救いがあるけど、それだけじゃない。
自分も語られる中にいるけれど、そうはなれそうにもないとも思う。

人間って
幸せって
生きてるって、なんだろうな
そんなことを考えさせられる作品です

おすすめです。